元    さ    ん    の    山    紀    行
寺地山(1,996m)北ノ俣岳(2,662m)赤木岳(2,622m)
<富山県富山市(大山町)・岐阜県飛騨市(神岡町)>  平成20年05月18日~19日



薬師岳をバックに、北ノ俣岳に向かって、広い稜線を行く・・




避難小屋からの近道の急登 稜線までの斜面は、雪がびっしり ピッケルを要しても吹き飛ばされそう


まともに強風を受けて進めない 陽に向かって・・・ 風当たりの少ない所を探して・・


クラストした斜面を、朝日に向かって・・・・


立っておれないほどの台風並みの強風に、
ハイマツの中へ 逃げる事になる
それでも、風は吹きまくり、先行きの不安が募った


稜線に出れば絶景が待っていた 北ノ俣岳への稜線


薬師岳が目の前に・・ 槍ヶ岳が遠くに・・・


端正な水晶岳 赤牛岳の稜線


立ち止まっては、カメラを・・ 強風を気にしながら、北ノ俣岳頂上で・・


雷鳥と戯れる


この山域では、いつも雷鳥と遭遇 なだらかな雪面を行く


最初の目的地であった黒部五郎岳 雪を伝って赤木岳へ


黒部五郎岳を左に見て・・ 赤木岳山頂にて


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「5/19コラム(山つれづれ・・・より)」

5/19 「どうなるか分からないお天気であるが、午前3時起床。荷を片付けながら食事をし、夜明け前に出発出来るような体勢にしておく。」 山頂からガスが降りて来て、真ん丸いお月様を隠してしまう様子を確認してシュラフに入った。

 疲労困憊の「山ノ神」は、二人では話が尽きてしまう所為もあるが、早々に寝入ってしまった。でも、あまり飲まなかったと思った清酒の残量が、2000mlから200mlになっていたのであるから、誰が飲んだのであろうか・・・(床にはこぼれてはいなかった。)


 外は、明るんだが、視界が思わしくなかった。それでも、「北ノ俣岳の山頂は踏んでおこう。」 予報も下り坂のハズであるから、早めに出発である。しかし、午前5時には、稜線がはっきり見えてきた。「北ノ俣より先へ・・」 に修正である。

 30分で150mの高度を稼げるペースであったから、午前7時には北ノ俣岳山頂に立てるのではと思ったが、そう甘くはなかった。雲が広がると共に風が強さを増して来たのである。ボヤッとしていると、風に身体が持って行かれそうな強風である。台風並みとでも言えばいいのかもしれない。

 「山ノ神」に、ストックからピッケルに換えさせたが、右斜め前方からの強風には進む事が出来なくなってしまい近くのハイマツに逃げた。その後も強風は収まる事はなかったのであるが、その風は、雲を裂き真正面に「日の出」としたのである。

 ハイマツの間を駆け抜け、時には、「山ノ神」の手を取り必至になって駆け上がったが、2350mのハイマツの中で、もうこれまでか・・と心したが、「山ノ神」の口から、「もう止めよう。」 「戻ろう。」 が、なかっただけに、更に上を目指した。

 前傾姿勢になりながらというよりは、這いつくばって、だったかもしれないが、「2500mは超えようよ!」 「稜線までは・・」 と次第に目標を上げて行ったのである。行ったことがないが、まるで次元の違う山に来たかのように・・・

 3時間余を費やした午前8時20分、ようやく稜線に出た。ちょっと色は薄いが、いつもの展望が開けた。カメラを構えても、フラフラし上手く撮せない。それよりも、とにかくお腹が空いていたので、風当たりの少ない場所を探し、食べ物を口に入れた。

 昨日、無理をして、この場所まで来ていたら、とんでもない事になっていたかもしれないと思った。それはそれとして、素晴らしい展望には、苦労して来た甲斐があったと言うものである。ましてや誰もいなく、「独占」であるから尚更であった。

 風当たりとは不思議なものである。稜線に出たら、立ってはいられないと思っていたのであるが、所々風の道ではないのかもしれないが、何ともなく穏やかな所もあるから不思議である。

 北ノ俣岳の山頂までは、あれもこれもとカメラのアングルを求め、2~3倍の時間を掛けて歩いた。その先は、「山ノ神」に取っては、未知の領域である。黒部五郎岳は諦めたが、赤木岳辺りまで行こうとなった。起伏もそんなになく視界が良好なら何の問題もない。後は、帰りの時間が気になるだけである。

 雷鳥のつがいと遭遇。シャッターを切り続けたもので、意外と時間を費やしてしまった。(家に戻って調べてみると、私が89枚、「山ノ神」が、44枚も雷鳥を撮っていたのである。) それでも、腐った雪を踏みしめ赤木岳の三角点を触って来たのである。




 ■■■コースタイム■■■
 1日目
高岡=車デボ地点(7:40~55)=登山口(8:10~20)=鉄塔8:50=有峰湖展望台9:15=くま洞峠(9:30~45)=芭蕉平9:50=1842mまで30分の標識(10:35~45)=1842mの分岐(11:10~20)=寺地山(13:00~15)=北ノ俣避難小屋分岐14:20

 2日目
避難小屋5:10=2200m(5:38~45)=ハイマツに逃げる6:00=2350m(6:25~30)~~強風~~稜線(8:20~45)=北ノ俣岳頂上9:10~~雷鳥と戯れる~~アイゼン脱着9:45=赤木岳(10:00~35)=アイゼン装着11:00=北ノ俣岳11:30=分岐(11:45~12:00)=北ノ俣避難小屋(12:35~14:00)=寺地山(14:40~55)=1842mの分岐15:50=くま洞峠(17:00~10)=登山口17:40~~ウド採り~~車デボ地点18:10=高岡


 ■■■同行者■■■
        比佐恵