元  ち  ゃ  ん  の  山  紀  行
金剛堂山 (1650㍍)
<富山県利賀村、 八尾町>
平成13年07月03日




 二日続きの山行は、今日も時間的制約から遠出を控えた。早く出ればお昼過ぎには、家に戻れると思っていたが、家内との計画はそんなに思うようにはならない。
 金剛堂山は、標高差の少ない東俣コースが、断然楽だと思っていたが、今日の山行で必ずしもそうでないと思う所もあった。栃谷登山口をやり過ごし、百瀬川を8.2㌔遡ると源頭(峠、標高1250㍍)に出る。途中何ヶ所か工事をしているが、通行には問題はない。
奧金剛への登り

 この源頭から30~40分程掛けて標高差200~250㍍、距離にして2.5㌔を歩くのだが、今日はその入口に、通行を妨げるような、チェーンや丸太などの置かれておらず、一度四駆の威力を試して見たかったせいもあり、普通乗用車では登れない、岩を砕いた、しかも斜度のあるガタガタ道を、木の枝やワダチを気にしながら、誰もいないのに「どーだ。」と言わんばかりに優越感を味わった。でも、いろいろな事に気を取られたので、歩くのよりも15分程しか、早くなかったような気がする。
奧金剛山頂で

 ガスで視界の効かない標高1,500㍍近い登山口から、黒土で一寸ぬかるんだブナ林を過ぎ、少し下って登り返し、ブナとネマガリダケの中を再び下り、また登り始めると、そこはもう風衝草原の始まりである。登り始めから15~20分程で、ゴゼンタチバナの白い花だけが何故か目立った。
 今年は、下草が刈ってなく、笹が登山道を覆っていた。何度もこのコースを利用しているが、こんな事は始めてで、登山者が極端に少ないのか、いや残雪が多くその作業が遅れたのか?それはわからない!
奧金剛から前金剛へ

 ガスの切れ間から薄っすらと奧金剛が見えた(本当は、奧金剛の手前のピークである事が後からわかった。)と思ったら、また隠れてしまった頃から、本当の風衝草原なり一息入れた。また笹の中に入った所に、遅咲きなのか、それとも名残として私達の目を楽しませる為に、待っていてくれたのか、シャクナゲが一枝だけ、薄ピンクの花を咲かせていた。
 
ニッコウキスゲ

 その後、また笹の生茂った中を掻き分けながら、何度かアップダウンを繰り返す頃から、ニッコウキスゲが姿を見せ始めてきた。草原の凹状の道に出た頃には、5分咲きながら良い雰囲気になって来た。奧金剛の山頂に立ってもなかなか登って来ない「山ノ神」に、リックを下ろして迎えに行くと、「長いものがいた。」と言って前に足がでないらしい。不思議な事に、私はこの何年間そんなものを見たことがない。
五分咲きのニッコウキスゲ

 金剛堂山の中で、奧金剛が一番高いのだが、今日は、生憎遠望は利かず、そして、空のところどころに黒く厚い雲があり、いずれ雷の心配もある。しかし、時折、強い日が差し込みまずまずお天気で、石碑のある中金剛へ下り、頂上とされている前金剛へ、10分程掛けて登った。

 相変わらず誰一人いない頂上で、我々だけの憩いの場となった。白木峰が輪郭をとどめる位にしか見えず、他の山々もはっきりとは山容を示さず、寂しい展望だが、何故か種類はわからない大量のトンボだけが、一見ゴミのように我々の周りを舞っていた。とてもお昼過ぎには自宅に戻れないと言いながら、11時過ぎ山頂を後にした。



  ★★★コースタイム★★★

高岡6:15=利賀中央(7:19~25)=東俣源頭7:55=登山口(8:20~37)=奧金剛(9:55~10:10)=中金剛10:13=前金剛(10:20~11:07)=中金剛11:17=奧金剛11:24=登山口12:35=車(12:40~13:00)=東俣源頭13:13=栃谷(13:35~40)=高岡14:58

  ◇◇◆◆同行者◆◆◇◇
           比佐恵