元 ち ゃ ん の 山 紀 行
鍋 冠 山 (900㍍)
<富山県 上市町>
平成13年03月19日
とうとう「鍋冠山」の山頂を踏んだ。
鳥越峠から、また骨原から、何度となく挑んだ鍋冠山は、
本当に縁がなく、時間切れ、あるいはヤブのために道を絶たれ、
また思い違いで何度も何度も行ったり来たりした事がある。
「とやま山歩き」には、高峰山のついでに、ズックスタイルで行ける、
簡単な山のように紹介してあるのだが、「越中の百山」の記述のように、ヤブで大変である。
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《鍋冠山頂上で》 |
昨年から、残雪期に骨原からとの思いがあったが、問題は雪の状態であった。
二週間前は、深雪のため林道の途中で断念せざるをえず、山の懐までも入れなかった。
しかし、どうしても、今春に再チャレンジの機会を狙っていたが、
昨日の牛岳山行で、「山ノ神」に孝行?を、したからか、朝方になって単独山行のお許しが出た。
もう一つ励みになったのは、富山の「まっちゃん」なる方から、
"秋の鍋冠山に、ヤブを漕ぎながら登った事があり、
座る所はないが絶景!"のメールを数日前にもらったばかりであった。
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《鍋冠山頂上から、左奥剱岳、中央大日岳》 |
この雪の上ならば、さぞかし絶景だろうと頭の中で、剱、毛勝、大日を浮かべてしまった。
二週間前は、西種集落の奥へは新雪で車が入らず、急坂のバック、Uターンに閉口した。
今回は、数日続いたお天気で雪解けも進んだと思い、東種経由で骨原ヘ行った。
骨原の集落から、ため池附近の民家なのか、公共の施設なのか分からないが、
洋式の建物まで車が入れ、歩行時間が20~30分ほど助かった。建物の住人は留守だったので、
名刺に駐車の旨を走り書きし、ワイパーに挟んで出発した。
相変わらず雪は深いが、前回の沈み方と違い、快適とは言わないまでも、
気温の高い日にしては、まずまずの状態であった。
ため池から、暫く進んで大きく右へ曲がるのに、前回は、まっすぐ進んでしまい、
林道らしいものがなくなり彷徨してしまった。
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《鍋冠山頂上から大辻山》 |
お天気続きで、杉の枝からの落雪がないが、以前に林道に落ちた雪が、その林道の中央を高くし、
林道と杉林の区別がつかない所が何ヶ所もあった。
また、右斜面の雪が崩落するのではないかと思う所もあり、イザという時の事も頭に浮べて先を進んだ。
"今日は絶対頂上まで行ってやる"の意気込みが強いからか、
1時間15分で、意外なくらい順調に、前回退却した地点に着いた。
この地点から、数十㍍位進んだ所が、造林作業路との分岐であったが、前回は気が付かなかった。
右へ進路をとり、コツコツ高度を上げて行くと、
「おっ、おっ」と振り返る度に、自分の望んでいた風景が広がっていく。
雪の重みで、潰れそうになっている作業小屋に来ると、
それが最高潮となり、"待っていました"とばかりに、
毛勝三山、剱岳、大日岳をカメラにおさめた。
良いお天気なのだが、剱岳周辺だけが霞んではっきりしない。
でも、ここから何度か見た景色を今日は、どうしても、鍋冠山頂上から眺めて見たく先を急いだ。
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《鍋冠山頂上から毛勝三山を仰ぐ》 |
釜池への細い林道の分岐を過ぎ、高峰山登山口までの間に、適当な取付きを求めたがなく、
登山口周辺まで、(実際には、雪のため標識など確認出来ず。)来てしまい、
高峰山への稜線に一度出てしまうか、やや右斜め方向(北西)の斜面に取付くか悩んだが、
その間の小さな谷筋を進み、高峰山稜線と鍋冠山の鞍部にあたる所(本当は、鞍部とは言い難い)から、
鍋冠山の西斜面の杉林に取付く事にした。
雪は柔らかいが、しっかり付いていて、急斜面のわりには登りやすい。
時々、杉の横の深みに嵌ってしまう事があったが、
花粉症の自分が、好きで山に登っていると言うものの、
毎週杉林の中ばかり歩いている自分が可笑しくてならなかった。
登るにつれ、高峰山の稜線の上に剱岳が、そして大日岳が悠然と聳えてくる。
毛勝の山々も負けるものかと肩を並べてくる。
その杉林も頂上付近では、北斜面に雑木が現れて頂上らしくなってくる。
かまわず、木々の間隔が広くなっている雪面を駆け上がった。
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《鍋冠山頂上から大日岳を望む》 |
雪のない鍋冠山は知らないが、南北に30㍍ほどの細長い頂上である。
あまり良いお天気なので、絶景のはずの山々は霞んで見える。
主峰剱岳から北方稜線はカメラに捕らえられるか微妙なところ。
毛勝三山は、何時もの事ながら立派、駒ヶ岳から僧ヶ岳と思いきや、
遠くに白く奥深い山々は後立山か!
駒と僧そして烏帽子の位置が分からなくなってしまった。
剱岳の右の大日岳は、白き端正な形で私を喜ばせ、
雄山や弥陀ヶ原その後に浄土山などの山々が白いながらも薄く、
手前の大辻山からは、左へ走っている山々に目が移ってしまい臼越山、前大日山、
そして、右にある鍬崎山は、奥の方に薄っすらながら、白くマッターホルンのように聳えている。
もっと右に鉢伏山か?
右下のこちらより数十㍍高いはずの高峰山は、何故か低く感じるのは、
あまりにも感激しているからだろうか!
二週間前に用意した小さな標識を持って感激の記念撮影も、
はしゃぎ過ぎて、三脚共々カメラを雪の中に倒してしまい、
雪まみれになったカメラを手に困惑してしまった。
あっという間の1時間を過ごし、今度は北斜面を一気に下った。
帰路の林道歩きは、苦痛にはならなかった。
☆☆コースタイム☆☆
高岡8:00=骨原(9:20~45)=前回の退却地点11:00=作業小屋(11:15~25)=高峰山登山口11:45=鍋冠山頂上(12:20~13:40)=高峰山登山口14:00=作業小屋14:10=作業道分岐14:18=車15:00=高岡
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