元    ち   ゃ   ん   の   山   紀   行
中  山 (1,255㍍)
<富山県 上市町>  平成15年06月16日



 中山にもっと出掛けていると思っていたが、今回は9回目であった。最近、雨の山行のレパートリーに加えているから、回数が加速するかもしれない。昨日の山行同様お天気もイマイチだったし、体調の事も気に掛かり、早出早帰りで午前中にも自宅に戻る予定だったが、なかなか思うようにはならないものである。

「山ノ神」息を切らして登る

 登山口に着いても、降るようで降らない曇天の空模様の中を、左腹を抑えながら、静かなスタートとなった。昨年も台風下に歩いたが、剱岳の展望台の山を、何故お天気の悪い時に来なければならないかという事になるが、五本杉から頂上にかけて以外、ぬかるむ所が少ないからである。雨の日も山行を続けるには、さすがの私でも、同じ山には飽きてしまうので、真冬には来れないが、貴重な山となって来た。だから、中山頂上から剱岳の眺望を楽しんだのはそう多くはない。

中山頂上で

 ゆっくり時間をかけて1時間半ぐらいかけて登ろうと思ったが、いつの間にか差が広がり、ジグザグの道を振り返っても、「山ノ神」のザックに付いている凛の鳴る音は聞こえるが、なかなか上がって来ない。
 とうとう「頂上まであと20分の標識」のある標高1100㍍の視界の利く所で、3回目の待機となった。東芦見尾根の一部だけが見えて来て、“ 大猫山はあの尾根を登るのだよ!” と、水を飲みながら一息つける「山ノ神」に、指差す方向へ目を向けさせた。大猫平や山頂付近の風衝草原に咲く高山植物や間近に見える剱岳の事をイヤと言う程聞かされている「山ノ神」だけに、何時許可されるのかの思いで眺めているようである。しかし、長い急登や岩がゴロゴロしていては、とても登れないと言っているのに、こちらから一緒に行こうなどと毛頭言えない。

頂上から赤谷尾根を眺める
標高1100㍍から、ブナクラ・赤谷・小窓

  喉を潤した後、5分も登れば、杉の巨木が立ち並ぶ(五本杉)稜線に出て、左方向(南東)に向けて15分程行けば頂上である。樹木の間から、大熊山も大日岳も生憎のガスのために全く見る事が出来ない。今にも降りそうな頂上の朽ちた大きな木の根の上で、「山ノ神」がまたしても、私の体調の事も考えず缶ビールの栓を開けたと思ってイヤな顔をしていたが、良く見るとさすがに遠慮して、絵柄が良く似た炭酸飲料のようであった。
 ビールを飲まなくて、コンロも使わない頂上の50分は長く感じただけあって、早月尾根と本峰は見えなくても、赤谷山とその尾根がくっきりと緑の背のように現れた。ブナクラ谷と東芦見尾根もそれなりに、ガスに覆われても、また現れるという繰り返しであった。
馬場島でラーメンとコーヒーのご馳走を!

 でも、今日は、何故か赤谷山だけ目が向いてしまった。私も何時は、歌に出てくる赤谷尾根を登ってみたいと思っているからかもしれない。
 ポツリと雨が頭に落ちた機会に頂上を後にしたが、五本杉までの樹木の間から、山並がダメでも、小又川の流れが見えて来た。中山は、初めから最後まで、川音が聞こえる山である。










 ■■■コースタイム■■■
高岡6:50=登山口(8:20~35)=標高1100㍍・頂上まであと20分の標識(9:50~10:00)=中山頂上(10:20~11:10)=登山口12:10=〈馬場島食事〉13:10=高岡15:00

 ■■■同行者■■■
        比佐恵