元  ち  ゃ  ん  の  山  紀  行
人 形 山 (1,726m)
<富山県平村、上平村、利賀村、岐阜県白川村>
平成13年11月26日




 304号線の五箇山トンネル手前の長い坂道を登るに連れ、右側に見える台形の袴腰山などには、このところ続いたお天気で雪の気配がない。今日は、盛んにお天気が崩れて雪になるの予報が流れているが、未だ雨と青空が同居している様が続いている。
嵐吹く前の宮屋敷で

 しかし、長いトンネルをぬけると、やはり奥深い山々は白く化粧されていた。田向からの林道は、近年整備され、狭い急坂を登る事もなく簡単に、登山口まで行けるようになった。中根山荘から約1㌔の狭い道は、こんなに悪かったかと思うほどガタガタ道だ。
 準備段階で、冬靴を選択し、踵の内側の欠落が、歩く事に影響がないかの懸念があったが、結果次第では、早く山から降りて、富山の登山靴の修理店に、持ち込まなくてはいけないと思いがあった。初冬の独り歩きは、熊避けの凛と、少々感度が悪いが、小さなラジオを鳴らしての出発となった。
三ヶ辻山を望む

 東は青空、しかし西は、もう下の方から灰色の雲に覆われ、雲と雲との間から虹が出ている。このお天気が、何時までもつか、時間との勝負である。12時まで頂上に達しなかったら引き返すつもりのスタートし、ビールもコンロもなく、昨夜、「山ノ神」が作ってくれたおにぎりとお茶、それと万が一のために、コンビニで買って来たパンとクッキー。今日の目的は、雪の上を歩く事、人形山のピークに立つことだけにした。
 「頂上まであと5㌔の標識」がある所に来ると雪がちらついてきた。薄っすらと足元にも雪が現れてくる。第一休憩所に来ると10~15cm位の積雪になり、雲に覆われかけているが、人形山頂上付近が見える間に、一枚写真を撮っておこうという気持になった。
三ヶ辻山との分岐で(後方は人形山への稜線)

しかし、常時ザックに、予備のフィルムを入れているのに、うかつにも忘れてきてしまい、先週出掛けた「雲取山、大菩薩嶺」の残り6枚しかないのであるが、予想される悪天時には、数多く撮れないだろうという思いからだ。
20分ばかりコツコツを登り、一寸下って登り返すと、1380mの第二休憩所がある。低い小さなベンチは、雪で白くなっているが、ザックを置くには丁度いい。「山ノ神」が作ってくれたおにぎりに、自分で海苔を巻いてきたのだが、少し冷たい上に硬いので、喉を通らない。この点パンは柔らかいし、歩きながらでも食べる事が出来るから便利である。一息入れて宮屋敷に向かうが、登る一方の20分。
風雪が強い人形山頂上で

 宮屋敷は、風当たりが強く雪が吹き飛ばされて積雪が少ない。小雪舞うが、東の空や金剛堂山あたりは、未だ青空が残っている。西は、かすかに山頂が見え隠れするのと、その右に大滝山の反射板が見えるが、どんどん雲が動いている。
 宮屋敷から、すこし下った所で、分かれる道に、右側を選んで緩やかに登っていくと、先ほど分かれた道と合流し、倒木の太い根を越え下った後、おおよそ起伏のないなだらかな道を、左前方に三角形の三ヶ辻山を見ながら下って、ロープの付いた坂を登るが意外と近い。ササの所をなだらかに下り、草原に出て、なお少し下ったら、梯子坂になり、ロープが張り巡らせてあるが、構わず今少し急登を我慢すれば、三ヶ辻山との分岐に出る。
山頂付近で

 周り中が、白い雲に覆われて風雪が強くなる。辛うじて、頂上への尾根道が見えるが、果たして12時まで着けるものかと心配になってくる。この程度の模様では、帰りの道を間違える事もあるまいと前進する。
「頂上へあと500mの標識」から、小さな二つ目のピークに登ると、風衝地帯となり頂上へは一走りである。
  展望も利かず、何のために来たかと思うかもしれないが、一番高い所に来るだけで、何故か嬉しいのである。この自己満足を、繰り返しているだけで、私のストレスが解消している?のかどうか分からないが、気分が良いのは確かである。
 30分近くいた頂上を後に、登山口を目指して走った。未だ夏タイヤのままの車に、登山口の積雪を心配したからである。幸い降雪があったが、積雪に至らず安堵して来た道を下った。




   ◆◆◇コースタイム◇◆◆

高岡7:15=田向8:30=登山口(8:50~9:10)=頂上まであと5㌔地点9:30=第一休憩所9:50=第二休憩所(10:15~25)=宮屋敷(10:45~11:00)=梯子坂11:25=三ヶ辻山分岐(11:35~45)=人形山頂上(11:57~12:25)=三ヶ辻山分岐(12:38~40)=宮屋敷13:10=第二休憩所13:25=第一休憩所13:42=登山口(14:13~30)=上梨14:50=砺波=富山(登山靴修理)=高岡

   ★★★単独行