元  ち  ゃ  ん  の  山  紀  行
人 形 山 (1,726㍍)
<富山県平村、上平村、利賀村、岐阜県白川村>
平成16年05月10日




 あまり良いお天気ではない。先日来の予報が雨だった事を思えば、まだ雨が落ちていない。しかし午後から雨が降るようである。始めから雨はイヤだが、とにかく行ってみる事にした。遅い出発だから、頂上に立つ事が出来ないかもしれないと思いながらの出発である。
 156号線走行中、“ 今ならまだ変更が出来るよ!” などと長い歩きの嫌いな「山ノ神」は私を牽制する。構わず井口村経由で304号線五箇山トンネルを抜け「下梨」で再び156号線に出て、「上梨」の「田向」から林道に入る。中根平の手前で、タラの芽やワラビがあると言っては車を止められて、登山口発が10時35分になってしまった。

1100mくらいから残雪が現れた
 “ 何処まで雨がもつか?” “ 何時から雨になるか?” と心配しながらの出発であったが、「コシアブラ」があったと言っては、摘まなければならず、随分ゆっくりしたペースになった。
 最も私も山菜の楽しむレパートリーが増えたという恩典もあるのだが・・・・・・・・。
 30分も登るとイワウチワやタムシバが目を楽しませてくれ、標高1100mあたりから残雪が現れたが、登山道を覆い尽くすものでなく、「第一休憩所 1,218m」にも雪が殆どなかった。10分間の休憩中、頂上付近を見上げたが、完全にガスに覆われていて先行きが不安であった。ポツリと雨が来たが、まだ雨具を着るようではなかった。

第二休憩所を過ぎた急登
標高1300m付近
 第一休憩所からしばらくは、残雪がなく新緑の清々しい登山道を行く。1300mを超えた頃からビッシリ雪が付き始めたかに見えたが、やはり登山道が見え隠れしていた。第二休憩所(1,380m)付近もそんなに雪がなかった。

 登山道を出たり入ったりしながら、第二休憩所から宮屋敷跡に向かったが、標高差にして、あと50m程の所から雪を拾ったばかりにヤブに突入してしまった。もう少しの所まで行ったと思うのだが、ヤブが苦手な私達は、潔く退却し途中から登山道に戻り宮屋敷跡に駆け上がった。

 宮屋敷跡は、帽子が飛ばされそうな強い風に、デジカメで2~3枚の写真を撮って山頂に向かった。“宮屋敷跡で退却かな?” と思っていただけに、なだらかな雪の斜面が山頂へと誘った感じであった。
 

風が強い宮屋敷跡の鳥居で 宮屋敷跡~梯子坂の間① 宮屋敷跡~梯子坂の間②

“ 今日は何処まで行くの?” の「山ノ神」が、二つの小さなアップダウンがあるものの緩やかな下りにペースが上がった。しかし、雪の上を伝ったばかりに、また小さなヤブに阻まれ戻った所で、強く雨が降り出し二人とも急いで雨具着用となった。

   1601mの標高点から20m程下った所から梯子坂が始まる。雪が溶けカタクリが咲いていたが、チョット登れば一面また雪である。雪の斜面で切れ落ちているように感じる所は「山ノ神」の苦手な所。どれだけ大丈夫と言っても足が動かないようである。雪中に出ている木々の赤いテープを頼りに、「三ヶ辻山」との分岐に出たのが午後2時であった。 


三ヶ辻山との分岐への雪壁を 人形山への稜線

 大笠山・笈ヶ岳方面がパーっと明るくなったと思ったが、またガスに覆われてしまった。やや遅い感じだが、午後3時まで、この三ヶ辻山との分岐まで戻るという条件の元に、人形山頂上にに向かう。20分ほど進んで、あと頂上まで10分くらいの所で、「山ノ神」がリタイヤすると言う。“私が一緒だと余計な時間が掛かるから・・”が理由であるが、果たしてどうなのであろう。
 私は一人走って頂上に出かけ、すぐにUターンをした。今度は“ 戻るのが速いと言う。”それもそのハズ、雪の中のビール(発泡酒)がまだ冷えてないらしい。私が“ 速く!” と急かすので、今度は残りを私に飲めと言う。
 

人形山頂上の方位盤 「山ノ神」待機場所

 三ヶ辻の分岐から下り梯子坂上部でガスに撒かれ一時迷ってしまう。「山ノ神」と私の意見が分かれたが、結局は「山ノ神」に軍配が上がり、私のメンツが丸潰れになってしまった。
 今回の下りは、そう転ぶ事もなく、何とか明るいうちに下る事が出来た。
 しかし、まだ山菜を採りたいと登山口に着いてからも、「山ノ神」が一人でその辺を歩き回っていた。“「おーい」車のカギをくれ!”




 ■■■コースタイム■■■
高岡8:30=登山口(10:15~35)=第一休憩所(11:40~50)=第二休憩所(12:25~30)=宮屋敷跡13:10=三ツ辻山との分岐14:00=「山ノ神」待機場所=14:20=人形山頂上(14:25~28)=比佐恵待機場所(14:32~45)=宮屋敷跡15:45=第二休憩所16:05=第一休憩所16:45=登山口(17:10~30)=高岡19:25

 ■■■同行者■■■
         比佐恵