|
■ 今日は日曜日で、既に10台の車が止まっていたが、午前8時過ぎなのに、大猫山へは、私が先陣らしい。標識は、駐車場の真中左側(山側)の平らな石に、赤色の→しかなく、初めての人などは、結構間違えるらしい。「大猫山」などの文字は一切ないのである。 最初から急登で、息を切らしながら登らなければいけない。晴れて視界が良ければ、最初から樹木の間に剱岳を見る事が出来る。また、黄や赤の紅葉時も素晴らしいが、晩秋から初冬の時期で、落葉してしまった樹木の間から広がる視界は、晴れればの条件付であるが「剱岳」は実に良い。 ( 標高1500㍍からの剱岳 )
|
|
剱岳北方稜線上にある「赤谷山」と、そのピークから派生している赤谷尾根。“♪ 夢に描いた剱の山にヨ、意気と力でネぶちあたるヨカネ!” と歌う「剱の歌」に “ ♯ 剱見るなら赤谷尾根でヨ、大窓、小窓に三ノ窓ヨカネ!” と続く。ブナクラ谷取水口にある駐車場は、大猫山を始め、猫又山や赤谷山を登るのに利用されているが、シーズンの土曜日曜日になると、白萩川に架かる木製の橋周辺まで下がらないと、駐車出来ない事もあるらしい。余談だが、ブナクラ修復グループの辰口氏が、赤谷山に100回登りたいと言う噂を聞いたと尋ねてみたら、ニヤニヤして応えてくれなかった。満更でもないのかもしれない。赤谷尾根に登山道の夢をもっているらしい!
|
|
後から撮れば良いと思って、その通りになった事が殆どない。今日もこれが最後だと思ってシャッターを切った。元々、計画していた山行を中止にして、やって来た山だから、そんなにも展望を期待していたわけでもないのだが、人間とは欲張りなもので、少し良いとまたその上を望む。大猫平の展望と比べれば、高度も違うし、周りの樹木のあるないが違う。速足ならば、1時間前後で来れる標高1500㍍地点だが、ヨタヨタになった下りでは、この地点から登山口まで、転んだり滑ったりして結構辛いのである。 ( 大猫平や頂上からと、少し角度が違うが、魚津市から見るような剱の形である。 )
|
|
■ 一瞬ガスが切れて、毛勝三山の最高峰「釜谷山 2,415㍍」が顔を覗かせた。山頂の風衝草原の上に、ぽかっりと浮かび上がった感じだが、右にある猫又山は見えない。 その猫又山までは、この東芦見尾根を辿れば行けるのであろうが、無雪期は結構ヤブが煩いのだろうか、私は未だ知らない。 片貝川南又谷から、「猫又山・釜谷山」に登ったのが懐かしい。その後何度となく、この「大猫山」と「鬼場倉ノ頭」を試みようと思ったが、南又谷入口ゲートの錠が頑なに閉ざされて、容易に受け入れてくれなかった。 昨夏、ブナクラ修復グループによって、切り開かれた登山道のお陰で、難なく剱岳の大展望台に立つ事が出来るようになった。・・・・・・・・・・
|
|
5回目の山頂は、昨年10月に登った以外は、全く剱岳を仰ぐ事が出来ない。今日も標高1500㍍まで、ほんのチョット“てっぺん”の山容を見せてくれただけで、涼しい以外は何の楽しみもない。しかし、独特の風衝草原の様相を呈している山頂周辺は、ガスに覆われているというものの、それなりの雰囲気があるものだ。福光から来たと言う中高年男女7人グループは、“ここが頂上ですか?”と私に尋ねて来た。そう言えば、登山口で、赤谷山にでも行くのかと思っていたグループが、取水口の階段を再び降りて来て、「大猫山」の登山口を探していたグループだ。彼らは矢継ぎ早に宴会を始めた。
|
|
■ 下山時の一瞬のガスの切れ間をついてシャッターを切った。大猫山は大猫平まで、標高1400㍍と標高1500㍍付近以外に、休息として適した場所がない。 また、急登につぐ急登だけに大猫平に着くと、誰でもが、その風衝草原の光景に感嘆の声を上げる。 夏は、チングルマやハクサンコザクラの群落に遭遇して、また秋は萌えるような草紅葉を目の当たりにする事になる。 後立山連峰の鹿島槍ヶ岳や五竜岳の勇壮な山並を、北アルプスの重鎮「剱岳」の脇役として見るかどうかは、その人その人の感じ方次第であろう。☆☆☆ ( 山頂を後にした帰路、ガスの切れ間から大猫平を撮る。)
|
|
■ 「大猫山」は、花の宝庫。夏にはあれだけ所狭しと、咲き誇っていた花々も、9月中旬となると「リンドウ」と「アキノキリンソウ」だけになったと言ってもオーバーではない。大猫平や頂上付近の風衝地帯でも、チングルマが花を落として、稚児車のように風に吹かれていた。・・・・・・・・・・・・・・・・「秋の花」オヤマリンドウは、茎の先端に多くの花を付けるが、濃紫色の花冠は、平開しないようである。リンドウは、種類が多く、リンドウ科リンドウ属だけでも、エゾリンドウ、ハルリンドウ、タテヤマリンドウ、フデリンドウ、コケリンドウ、アサマリンドウ、リシリリンドウ、イイデリンドウ、ミヤマリンドウ、クモイリンドウ、トウヤクリンドウなどがある。
|