元  さ  ん  の  山  紀  行
大 地 山 (1,167㍍)
<富山県  朝日町 > 平成17年02月28日




 昨夜の月や星も何処かへ行ってしまい、登りがけから雲行きは怪しくなった。小川朝日ダムにも雪がいっぱい。発電所向かいの「くろべ平」までの杉林は、何時になく地肌を見せていなかった。その急斜面を登り始める頃から雪が舞い始めたが、長勢君の力強いラッセルに、eiko女史・「山ノ神」・急遽参加になった高田氏と私の4人は、引っ張られぱなしであった。フードを被るほどに風雪が強くなっても、もしかしたら、大地の山頂に立てるのではないと思うようになっていたのだが、夢創塾・鍋倉山からのルートと交わる直下で、アクシデントが発生し、協議の結果、先に進まず雪洞を掘り、暖を取る事になった。最近雪洞堀に燃える我々は、横穴と縦穴のミックスの住居を造り、その暖かさを実感するに至った。大地には届かなかったが、雪洞作りも含めて3時間余りは童心に返り実に楽しかった。今後の予報とあの雪量では、しばらく初雪山日帰りは出来ないのではと思ってしまった。 「2/28のコラム(山つれづれ・・・)から」




 必ずしも良い予報でもないのに、皆今度の山行に燃えていたのか、集合場所の朝日小川ダムに、かなり早くから到着していたようであった。我グループに初めて参加の高田氏を紹介し、一度は除雪されたのであろうが、またかなりの積雪のある堰堤を渡り、右岸からカンジキを装着した。スノーシェードの先のデブリをトラバースし、橋を渡って400mの暗い相ノ又トンネルを潜り、また、カンジキを履き直した。
 発電所前からの杉林の急斜面も、今日は充分に雪が付いていた。直登しか頭にない長勢君の後を、一生懸命付いて行くのは良いのだが、後々支障がなければと、いらぬ心配をしてしまう。山に入れば歳の事など忘れてしまう・・・・のは良いのだが。
 雪に埋もれた廃屋がある「くろべ平」で一服だが、かなり良いペースである。


朝日小川ダム右岸から、
相ノ又トンネルに向かって
杉林の急登 降雪の中を

 「くろべ平」から、杉林を突っ切って、阿造谷の源流を覗く621mピークの東横あたりを目掛けて、北方向に、只ひたすらに登るのであるが、東に行き過ぎると大きな谷側に行ってしまう。しかし、その谷に沿って登っても、最終的には同じ方向に行くからそう気にしなくても良い。
 雪が深く、只でさえ膝上まであるのに、樹木の横の深みに嵌ると、ちょっとや、そっとでは脱出出来ない。
 杉林から脱出して、雑木のある稜線に出るには、急斜面を駆け上がらなければならない。雪が固まっている時期は良いが、雪深い時期や多量の降雪後は、かなりしんどいものがある。


トラバース気味に稜線に向かう もう少しで稜線 621m横の稜線で一休み

 稜線に出てしまえば、かなり快適になる。750mへの急登を少し我慢すれば、素晴らしい展望も待っているのであるが、今日は全くダメで、その代わりに雪が舞っていた。
 このルートで間違えるとしたら、下山時に右へ回りながらの下りなのに、真っ直ぐ進んでしまう時であろう。
 少し息を整えて、夢創塾からの合流点を目指し進み始めたのであるが、少し列に乱れが生じて来ていた。


810m下で雪洞を掘る事にする 全員力を合わせて 毎回掘るのが上手くなる

 歩き始めて4時間。夢創塾からのルートと合流する地点下で、高田氏が体調不良となられ、全員ストップした。折角ここまで来たのだからと、我々に登頂を勧められ、自分はツエルトで待機すると言われたが、降雪の中、何時間掛かるか分からないし、山中で別行動するのもお互いに辛いから、その時点で中止とした。
 ピークに立ちたい者、ただ歩きたいもの様々であるが、そこは行動を共にした者同士で、頭を切り替え、雪洞作りに入った。童心に返り、それまた楽しいものである。横穴で、天井部分を薄く削り過ぎた事もあって、別作業で足を乗せたら崩れ下りるというハプニングもあったが、その暖かさは格別であり、次の穴掘りのための修正点を笑いを交え盛んに語りあった。


雪洞は暖かい居住空間 横穴に挑戦!

 雪洞中では、長勢君のガソリンコンロが威力を発揮し、次から次へと料理が出来上がっていった。我々のガスコンロの威力は見劣りするが、それでも受皿にお湯を注げば、かなり対抗出来るようであった。大地の山中で、3時間も雪洞の中にいるとは、想像もしていなかったが、飲むもの飲まないものを含めて、「宴」は盛り上がっていった。



 ■■■コースタイム■■■
高岡4:20=朝日小川ダム(5:45~6:20)=トンネル出口(6:35~40)=くろべ平7:35=616mの稜線(8:55~9:05)=745m9:55=810m合流点下雪洞(10:15~13:40)=くろべ平14:50=トンネル15:15=朝日小川ダム(15:40~50)=高岡

 ■■■同行者■■■
        長勢君、eiok女史・高岡の高田氏・「山ノ神」