元  ち  ゃ  ん  の  山  紀  行
大 辻 山 (1,361㍍)
<富山県上市町、立山町>平成12年10月30日



 国道8号線で富山の郊外を通過する時、どしゃぶりの雨になった。「一日中、雨の日なんか一年に何回もない。」と言うのが私の持論で、余程の事がない限り決行である。

 人生には、雨の日もあれば風の日もある。山もいろいろな時に登らなければ、その山の良さが分からないと思う。雨が止んでガスの合間から、一瞬の山並みが見えるあの神秘的な光景は墨絵のようでたまらない。
 樹木が、生き生きしているように感じるのは私だけではあるまい。今日の日のように、積もる落ち葉の上をサラサラと歩く気持の良さや、ブナの木をつたって流れ落ちる雨の迫力は何とも言えない。でも、晴れて舞う落ち葉を日が照らしてくれた方が、絵になるのは間違いない。

 大辻山で雨具を纏わない写真は少ない。春夏秋冬の時間のない時や、天候の悪い時しか来ないからである。したがって、大日岳とその後に見える剱岳や大日平、弥陀ヶ原から室堂平を含む立山、また称名峡谷の大パノラマは何回も見ていない。

   大辻林道は紅葉盛んで車中からでも楽しめる。山に登り始めると、紅葉を楽しめるのは、看板③の長尾山くらいまである。その上は、紅葉の名残を感じさせる葉が、僅かに残っているだけ!でも、その葉の落ちた登山道を歩くのも結構楽しいものである。そして、落葉した後は、今日の天候ではどうしようもないが、とても見通しがいいのである。
 雨降りしきる頂上では、冷たいビールなど欲しい気持にもなれず、辛うじて暖かいラーメンが心を和ませてくれた。どれだけいても、雨もガスも晴れる様相なく、冷えた身体を奮い立たせて頂上をあとにした。帰路、足元にある、黄赤の落ち葉を数点みやげに持ちかえった。




     ◇◇コースタイム◇◇

   高岡9:45=長尾峠(11:35~55)=大辻山頂上(12:35~14:05)=
   長尾峠(15:00~10)=高岡16:05

     ◇◇同行者◇◇
            比佐恵