元   さ   ん  の  山  歩  き
大 辻 山 (1,361㍍)

<富山県  立山町、上市町> 平成16年06月08日



   昨日から降り続いている雨は、日を新たにしても一向に止もうとはしなかった。先月から我々の休日は、ことごとく雨に祟られ、行き先の選定にも苦慮するくらいであった。今日もなかなか行き先が決まらず、大辻山(北尾根コース)に決めて家を出たのは午前9時を回っていた。
 北尾根コースの出発地点は、高峰山の上市側ルートと同じ鳥越峠である。狭い車中で雨具を着込んだが、靴を履くのに車外に出なければならないが、なかなかその気になれなかった。
鳥越峠
北尾根コースの登山口

 小降りであるが始めから雨の中へ突入である。雨であるから、ゆっくり食事をする事もないであろうと、炊事用具を外し、私だけがリックを担ぎ、「山ノ神」はストックだけの身軽さで出発した。
 5分も登るとワラビに目が注がれたが、帰りに採る事にして先を急いだ。登山口から20分ほどで、抱かれ杉・夫婦木と称する珍木に出合う。

 その後は、チョット下って、ドンドン登って行く(7~8分)。水平な道を2~3分ほど、それが終わると杉の木を見ながらの登りが待っている。
 やがて、尾根らしくなり境界の石柱も現れ、また鬱蒼とした林の中となるが、「北尾根⑤」の標識に出る。ここが中尾根コースの分岐なのであろう。  杉の木の下が、落雷のためであろうか、黒く焼け焦げている。

ツクバネソウ
 大きな杉の根元を回り込んでロープを施してある当たりから、登山道がぬかるんで来た。登り切った所が「北尾根⑥」である。尚も少しずつ高度を上げて行き、なだらかになった所が「北尾根⑦」である。雨が強くなって来た。大きく方向転換して下って行くと、「北尾根⑧・白岩⑧」の標識があり、白岩コースの分岐である。
 2ヶ所の階段を登り、ブナの中を通り、ぬかるんだ急登を凌ぎ、パーッと視界が開け、なだらかな登山道になれば、長尾峠から来る本ルートとの合流点「大辻⑨」に出る。  
夫婦木の珍木

 大辻⑨から頂上まで標高にして100mくらいであるから、普通に歩いても20分ぐらいで行くのであるが、強く降り出した雨のため、川のような登山道を歩かなければならないし、階段状になっている所は、まるで滝のようである。
 ブスッーとした顔の「山ノ神」には、辛い登りであろうが、“ 好きで来たのではないか、もう少し頑張れ!” と言いたいところであるが、こちらも言わぬ我慢である。
 樹木の切れ間が見えて来たら「大辻⑩」である。それから2~3分で頂上であるが、かなりぬかるんでいる。足の置場を選択して歩かなければいけない。
大辻⑨は北尾根ルートと
本ルートの分岐である

 何にも見えない大辻山頂に辿り着いたが、「山ノ神」には元気がない。雨具が染み透って背中が冷たいと言う。水も食べ物もいらないと言う。 どんな低山であろうと、雨の中であろうと、頂きに立った時ぐらいニッコリして欲しいものだが、声を掛けれないくらい不機嫌である。

 一昨年(H.14.5.27)に、雷雨の中、同じ北尾根コースを辿った事があるが、その時は、雷鳴と対峙しながらのビール飲みに不謹慎に思ったものだが、今日はそのビールを持参しなかった事が、励みや喜びとならなかったのかもしれない。
 そんな山頂には長居する事無く、早々に下山となるが、滑りやすく駆けるようにはいかない。ずーっと雨が降り続いて、雨具を脱ぐ事はなかったが、小止みになった時、雲海の中に高峰山あたりが浮かんで見えたのが、せめてもの救いであった。

雨の大辻山頂上 何故か元気のない「山ノ神」




 ■■■ コースタイム ■■■
高岡9:10=鳥越峠(10:50~11:15)=珍木11:35=北尾根⑤の標識(12:00~05)=大辻⑨の標識12:45=大辻山頂上(13:05~20)=大辻⑨の標識13:35=北尾根⑥の標識14:00=珍木14:30=鳥越峠(14:50~15:10)=高岡17:40

 ■■ 同行者 ■■
        比佐恵