元  ち  ゃ  ん  の  山  紀  行
早 乙 女 岳 (2,050㍍)
<富山県 上市町 立山町> 平成16年04月18日





早乙女岳山頂で、「ハレルヤ」恒例の宴会を楽しむ! 下山途中、「剱岳」をバックに記念写真




 小又川出合には、まだ多くの残雪があり、午前5時前なのに所狭しと多くの車が止まっていた。  「シュンちゃん」を先頭に我々が動き出すと、スキーを担いだ多くの方々が後続となった。
 汚れた残雪の上を歩いたり、堰堤横の石垣を登ったりしながら、今山行の一番心配していた崩落しそうなスノーブリッジや渡渉をこなしてコット谷出合に到達した。


小又川でスノーブリッジを渡る 靴を濡らさず渡れるか! コット谷出合で休憩

 コット谷は、亀裂もなくスキー場のゲレンデのようであった。高度を上げるに連れ、ブナクラ谷と対峙し、その右手に赤谷山が、そして、左手の東芦見尾根の上に毛勝の山々が少しづつ浮かび上がって来る。中山が小さくなってしまう頃、主役の剱岳が登場して来るのである。コット谷は、何度来ても気持ちが良くステキな所であるが、いったんガスに覆われると、「何でこんな所で!」と思うくらいに辛い目に遭わなくてはならなくなるからご用心を!
 早乙女岳と大熊山の鞍部が休憩ポイント。早乙女岳頂上には500m超の高度差があり、緩やかであるが長い登りが待っている。

芋虫のようにコット谷を行く 早乙女岳・大熊山の鞍部目指して 緩やかだが長い早乙女岳への稜線

 時々隠れはするが、鋭く三角に見える剱岳を眺めながら気持ちよく登れる山頂への尾根は、早乙女の名のように優しく迎えてくれるようである。 
 右手に人津谷から文部省登山研修所前進基地を経て前大日岳(尾根筋からすれば、大辻山から臼越山と述べた方がいいのかもしれない。)が見えるようになれば、後方の大熊山は、もうすでに小さく低くなって見えてくる。

気のあった者同士の山行は実に楽しい! 
「もう少しだ!」
「頑張れ!」
「早く行ってビールを飲もう!」
「着いたら、息を切らさず一気に飲もう。」
「すぐ冷やさなくては!」

「もう歩けない。」
「足が前に出ない。」
「早く喉に美味しいものを!」
好き勝手を言いながら、広い雪原にシラビソが程好い位に点在する早乙女岳山頂に着いた。風当たりが少なく、展望の良い所に宴会場を設定し、このために担いで来た「シュンちゃん」のスコップでテーブルが作られた。


この急登を凌げば、もう少し・・ 前大日岳を樹木の間から・・ 早乙女山頂から「大日岳」を仰ぐ

 大日岳を背に、弥陀ヶ原~室堂の雪原の上に薬師岳や鍬崎山を眺めながら、雪中から冷やされたビールを掘り出し祝杯をあげた。筏井さんの羊鍋を始め、いろいろな肴に何時ものように盛り上がった。誰が担ぎ上げたのかわからないくらいのビール・ワイン・日本酒・焼酎、そして誰が飲んだのかわからないのになくなってしまう。不思議な仲間達である。そして飲まなく何時も運転を任せられる『天使』のお陰で我々は雲上の宴が楽しまれるのである。

早乙女岳山頂から「剱岳」を仰ぐ 今日も3時間近くの大宴会 名残惜しく早乙女岳を去る

 先鋭な剱岳を酔いしれるほど眺め、大日岳から滑り降りる見事なスキーヤーに喝采をおくった山頂に別れを告げたのは、座り始めから3時間近くの時が経っていた。
 出し抜けを許さず団体行動を重視した経緯から、登り切るのに多くの時間を費やしが、これが中年のおじさん・おばさんかと思うような下る速さに、目を丸くしなければならないパワーを感じてしまった。



 ■■■コースタイム■■■
高岡3:50=小又川出合(4:55~5:20)=コット谷出合(7:00~10)=鞍部9:20=早乙女岳頂上(11:30~14:20)=鞍部15:10=小又川出合(16:40~17:00)=高岡18:10

 ■■■同行者■■■
      筏井夫妻・「シュンちゃん」・「春ちゃん」・細川女史・比佐恵