元 ち ゃ ん の 山 紀 行
城 山 (千石) (757㍍)
鍋冠山から城山(千石)に変更
平成 12年 04月 10日



 母が、ディーサービスに出かけている7時間の制限の中、鍋冠山へ出かける事にした。
 雨、雪、時間切れなど条件の悪い時ばかりに出かけているせいもあるが、未だ頂上を極めていない。
 今回も、大岩経由で行った事が、アダとなりまたしても涙をのむ事になった。

 浅生から骨原の狭い林道が、杉の倒木や残雪に覆われているとは、思ってもいなかった。
 林道に倒れた大きな杉の木を、家内と二人で力を合わせ引き摺り下ろしたり、残雪をスコップで取り除いたりして前に進んだのだが、人力では、どうしようもない残雪の量の前に来た時には、諦めざるを得なかった。
 しかも、そこでUターンをする事も出来ず、苦手な長く狭い道のバックとなった。大岩の日石寺前に戻ったのが11時。

 西種から骨原に行けたとしても、今日の目的地の鍋冠山頂上を踏む事は、時間的には無理となり、またしても、千石行きとなった。
 新川広域農道から馬場島方面に向かい、上市ダムへの標識に従い、東種を通りロックフィルの第二ダムを渡る。

 午後から雨の予報。「きっと、山が近くに大きく、はっきり見えるに違いない。」の期待を持って剱親公園の中に車を走らせた。1ヶ月前は、林道にあんなに沢山あった雪が、殆ど解け、千石登山口の駐車スペース附近にあるだけだった。

 15分ぐらいで身支度をして出発。杉林をぬけて、2~3分程したら、長靴をはいた中年男性が一人下りてきた。軽自動車が、一台止まっていたが、その方なのだろう。
「今日は。」の一言だけの言葉しか交わさなかったが、何の違和感もない。
 日の当たる所は、擬似木の階段が現れているのだが、全体的には3分の2ほどが未だ雪。
 ゆっくり登っても25分で稜線に出る。大倉山が正面に見え、毛勝三山が重なる。
 稜線を辿って行くと、早月の流れと剱岳が見えてくる。「いいぜ。いいぜ。雨の降らないうちに、きれいな剱を見ようぜ。」と先を急いだ。



 40㌢の雪が残る頂上には、マンサクの花が咲き、何時もより、何故か悠然と聳える剱岳に、気持ちが吸い込まれていくように思えた。この剱岳の格好の展望台で、暫くお互いに物言わず意識的に空間を持った。
 その感傷から、目が覚めコンロを忘れてきた事に気が付き、暖かいものを口にする事が出来なかった。

 もっとゆっくりしてもよかったのだが、次週山行予定の「木の根山、細蔵山」の取り付き探しに伊折に向かった。
 そして、帰路はポツリポツリ雨がやってきた。



《コースタイム》

 高岡8:55→大岩→浅生~骨原への林道→大岩11:00→千石登山口(11:25~40)
 →稜線12:05→千石頂上(12:25~13:05)→登山口(13:35~40)→
 木の根山取り付き探し→伊折橋14:25→高岡15:45