元  ち  ゃ  ん  の  山  紀  行
高落場山 (1,122㍍)
<富山県城端町  平村> 平成14年11月04日



 雨の日でも雪の日でも、余程の事がない限り、休日は山に行く私(私達)に、「黒部のシュンちゃん」が、“ 何処かへ行こう!” と声を掛けてくれた。
 折から、第一級の寒気団が、例年より一ヶ月も早く南下して、山は大荒れの予報だったが、「シュンちゃん」の声は何故か燃えていた。県西部の「高落場山」に決定して、雨の中を砺波に向かったが、IC付近から見た山は、もう白くなっていた。
 もうすでに、スノータイヤに履き替えられた「シュンちゃん」の車に乗換え、156号線の「五郎丸」から南砺広域農道に入り、「八塚」を左折し、井口村役場前を通り、後は「五箇山」の標識を目印に進めばよい。「大鋸屋」交差点で左折し、304号線の道が広くなった頃に、登坂車線の左側から、縄ヶ池への林道に入ればいい。


若杉の登山口は薄っすらと雪化粧 二度目の休息地点 「シュンちゃん」快調な登行 雪が深く足が上がらない状態

 登山口の若杉での雪は、シャーベット状で、周りの山々は白くなっていたが、どれだけの雪量かは推測出来なかった。登り始めて登山道はすぐ白くなったが、唐木峠までの旧五箇山街道の石畳は、水が流れるような感じで、少し足元が気になった。雪がちらつく頃の高落場山の紅葉は、とてもいいのだがと、県西部の山に馴染みの薄い「シュンちゃん」に、未だ少し紅葉らしさが残っている木々を指して、この山の良さを売り込んでいたのだった。

ブナの急斜面を登る だんだん雪が深くなって来る 木々が倒れて進路を絶たれる

 唐木峠からは、右に杉林が現れる頃から急登となる。落ち葉の上に積もった雪の急斜面は、帰りのスッテンコロリンに間違いなかった。しばらく行くと左に、ノゾキのような小さく開けた所に出るが、全く視界が利かぬ上に、風雪が強くなって来た。一息入れたが手がかじかんでくる。登山道はしっかりしているが、枝が倒れいて、それを潜ったり跨いだりしながらの登行となる。積雪が40㌢を超えてくると、前に出す足のピッチも鈍ってくる。
 一瞬、予想もしなかった青空が開け日が差す。思わずリックを降ろしカメラを出すが、また白い雲に覆われ雪が降り出す。“ 一日中降りっぱなしなどない。” と何時ものセリフに「山ノ神」は、また始まったぐらいしか思わないが、初めて聞きいてくれる人は、結構頷いてくれるのである。
 紅葉の真っ只中に、雪を見てしまったのか、未だ落ちぬ葉の樹木群の赤茶けた色は、真白な雪とのコントラストが、我々3人の心に訴えるものがあり、暫し立ち尽くしてしまった。
 雪が膝上にまで来る頃は、枝でなく、細い樹木そのものが登山道を塞ぎ、ルートの確認が必要となった。奥つくばね山との分岐に辿り着いた時は、腰位まで雪量で、真冬さながらの雪中行軍となった。


ラッセルの「シュンちゃん」 奥つくばね山の分岐で 山頂に雪は1㍍を超えていた 山頂でツエルトを張ったのだが


 無雪期だと5分程で山頂に達するのだけれど、枝木を払い除け、また雪中を這うように、“ 未だか未だか ” といいながら、分岐から30分も時間を要してしまった。山頂の雪は深く、我々の測量では120㌢であった。雪を踏み固め「シュンちゃん」持参のツエルトを張る事にしたが、風雪が強まり、その効果は少ないようであったが、雰囲気的にはとてもよかった。それに輪を掛けたのが、これも「シュンちゃん」が持ち込んだ「おでん」であった。手は悴んでも、身体は暖かく格好の食べ物となった。30分の予定だったが、このメンバーでは、とてもそのような時間で間に合うはずがなく、たっぷり1時間を超えてしまった。



■■■ コースタイム ■■■
高岡8:10=砺波IC(8:35~55)=若杉登山口(9:25~45)=唐木峠10:10=奥つくばね山との分岐11:50=高落場山頂上(12:20~13:25)=分岐13:40=唐木峠14:25=登山口(14:55~15:10)=砺波IC(15:45~55)=高岡16:30

■□■ 同行者 ■□■
       「黒部のシュンちゃん」、 比佐恵