元    さ    ん    の    山    紀    行
鳥ヶ尾山(1,145.1m)鉢伏山(1,781.6m)
<富山県富山市(旧大山町> 平成20年03月16日~17日





薬師岳をバックに、鉢伏山頂で・・・







工事中


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「3/17 コラム(山つれづれ・・・)より」

3/17 不安気味に外に出てみると、視界が悪く、冷え込んだからであろうか、テントには霜が貼り付いたかのように白くなっていた。シャベルは効かないし、ピッケルもスピッエーの先っちょが、辛うじて刺さるくらいであった。(夜中は寒いハズであった。)

 朝食を取りながら、慌てる事なく、お天気の回復を待った。昼食は、キャンプサイトに戻ってからの段取りとなったが、やはり山頂では、嗜好品がなくては寂しいでしょうし、コーヒーの一杯も飲みたい。その調理品や設営用具は一手に、私が担ぐ事となった。非常食・防寒具などとなれば、昨日担ぎ上げて来たザックの嵩と、そう遜色がないものとなってしまった。

 1300mの小ピークから一旦降って、登り返す斜面が、今日の最大の難所となる。私以外はアイゼンを使用し、サクサクの気持ちの良い音を聞きながら、いや、「山ノ神」だけは、そうではなかったようであるが・・・

 熊尾山から東笠・西笠山、その後方に白山が白くて大きい。反対側には、鍬崎山の左に、毛勝の山々が、東芦見尾根を台座にして眩しい、大日連峰の間からは、剱岳のてっぺんだけが、青黒く顔を出している。

 1500m平では、皆が一瞬 「ワーッ」 と声を上げた。その平らさに、おそらく昨夜から今朝に掛けて、5~10cmくらいの積雪があったと思われ、そこに陽が照り、それこそ別天地の様相を呈していた。口には出さずとも、「テントをここまで担ぎ上げたかった。」 と私には伝わってきた。

 なだらか、いや穏やかな山容の鉢伏山であるが、幾つものアップダウンを繰り返さなくては、山頂には達し得ない。ボディブローのように、ジワジワと疲れを感じていくのであろうが、薬師岳を含む見渡す限りの素晴らしき展望に助けられ、不思議と足が進むのである。

 山頂に立てば、真正面に薬師岳や北ノ俣岳が鎮座し、笠ケ岳・乗鞍岳・御嶽山など圧巻である。またまた、シェルターを作り、2本のビールを4人で飲み、暖かいコーヒーなど、山頂の味を楽しんだ。後は、写真を撮りまくったのであるが、ただ呆然と、真っ青な空と真っ白な山々のコントラストに、見入っていた人もあった。

 帰路は、俄然スノーシューが威力を発揮し、大きな壁以外は、全員ルンルン気分に違いなかった。キャンプサイトに戻れば、ラーメンとお好み焼き(インスタントではない。)に舌鼓をうった。

 テントを撤収し、雪庇側のルートを降るに、吉尾氏にザイルを出してもらった。生まれて初めての経験の「山ノ神」は、もうガチガチであったが、終わってしまえばケロリの様子。宮ちゃんと吉尾氏に助けてもらった鉢伏山は、その点でも忘れられない山行の一つになることであろう。

 そのピークから、鳥ヶ尾山までは、長い距離なのであるが、「え~っ」と思う程の短時間で着くが、その後は、長い長い道程であったに違いない。





 ■■■コースタイム■■■
  1日目
高岡4:30=アルペン村5:30=発電所駐車場(6:00~25)=杉林取り付き6:35=鉄塔(7:00~10)=870m(8:30~40)=910m9:15=鳥ヶ尾山(10:05~40)=雪庇手前(11:30~45)=1300地点で設営(12:50~ )
  2日目
キャンプサイト7:40=急斜面を登り切る8:10=スノーシュー装着(8:35~40)=1500m8:50=鉢伏山頂上(10:20~11:30)=1545m12:00=キャンプサイト(12:40~14:35)=雪庇下15:00=鳥ヶ尾山(15:15~30)=発電所駐車場(18:00~ )=高岡

  

 ■■■同行者■■■
      「宮ちゃん」・「吉尾氏」・「山ノ神」