元 ち ゃ ん の 山 紀 行
牛 岳(987㍍)
平成 12年 04月 24日



   先週の大倉山は、標高500㍍から雪があったし、昨年同じ時期(4月26日)の牛岳でも沢筋をトラバースするのに難儀だった事を思い出し、家内の雪上訓練と言う事でピッケル、アイゼンを持ち込んだ。最近の牛岳行きは、出発時間が遅く、今日も11時半。

登り始めると共に、ショウジョバカマが群落をなして我々を迎えてくれていた。牛岳へは、ずーっと、積雪期や残雪期に集中していたが、昨年の同じ時期に登ってみて、以外に花や山菜の多いのに驚きつつ牛岳の良さを再確認した次第である。
 一寸横道にそれ、今夜の酒のつまみにと、ココミゼンマイを採っている間に雨が降ってきた。五合目を過ぎたところでたまらず雨具を着た。雷も鳴りだし、雨も強くなってきたが、今度は、イワウチワが心を和ませてくれた。

 六合目からは、ビッシリ雪。トレパン姿の私は、雨具を上下とも着込んだ。多量の残雪は、3月時のように何処からでも登れるよう思えたが、夏道ルートをとる事にした。
 前日に、あるいは先人が辿ったのか、トレースがあり、登山道を斜めに覆っている雪は、歩くのに丁度良いくらいの堅さだが、やはり沢筋に差し掛かると、雪面が急になるのと、底が抜けないかと緊張する。
 この程度の雪の状態では、必要がなかったかもしれないが、家内に訓練の為とアイゼンを装着させた。暫くすると、雨具とトレッキングシューズを履いた中年の女性二人が下山してくるのと出会ったが、「何処が頂上か分からなかったし、視界が悪いので止めた。」との事だった。
 七合目附近は、所々雪を踏み抜いた大きな穴が目立った。七合目を少し過ぎた所から、沢筋の雪の付き方が悪く、そのまま山側の斜面に取り付く。

 この時期の雪の状態としては、とても良く難なく15分ぐらいで稜線に出た。(4月末にしては、とても雪が多く、雨具姿とは言えとても楽しい稜線漫歩となった。)二つ三つのアップダウンを繰り返し13時55分に三角点に到着。「一寸視界が開けたからか、疲れたからか、それとも、もう牛岳の、頂上を踏む事に意義を感じなくなったからか、家内の真意の程は分からなかったが、私一人30分の時間をもらって、頂上に向かって走った。」

  三角点直下だけが雪の付きが悪い他は、歩行には問題なく、九合目からは、何本かの木々が倒れており、それを乗越えて頂上に着いた。
 頂上直下の"あずまや"横で、一人の男性が食事をしていたが、「こんにちは」と上から一言だけ声を掛け、菓子パンを口の中に押し込みUターン開始。カメラとビールを家内の待っている三角点に残してきた事を悔いながらも、すぐに戻ってしまった。
 尾根筋を辿ってから、七合目に向かって気持ち良く下ったのだが、雷がゴロゴロ鳴りだし「ザーッ」と降らないうちにと慌てて車に戻った。


 《コースタイム》
 高岡10:30→登山口(11:20~30)六合目12:40→七合目13:15稜線(13:30~40)→
 三角点(13:50~1400)→牛岳頂上(14:07~14)→三角点(14:22~30)→六合目(15:05~10)
 五合目15:25→登山口(15:40~45)→高岡16:45

 〈同行者〉
  比佐恵