No.282 (H.21.08.16) 唯々 呆れるのみ・・


      黒部五郎岳からの復路は、山ノ神にしてみれば、
      唯々、「ビールが飲みたい。」 の一心で身体が動いて
      いたみたいであった。

      北ノ俣岳~太郞山間では、「もう一晩泊まってもいい。」 
      とまで言いだした。
      そして、薬師峠キャンプ場では、とうとう座り込んでしまった。

      「泊まるのは良いが、帰った方がいいのでは・・・」 と、
      「頑張れば、まだ間に合う。」 と励まし続けた。

      太郞平小屋で山ノ神は、点滴と称してビールを買った。
      「こっちは、運転手!」 3時間の猶予時間では飲めない。
      「山ノ神の歩きが軽やかになった。」 と思ったが
      次第に失速していった。

      「もう1本あれば・・」 と戯けた事を言ったが・・・
       呆れてしまった。 
      やはり食べられない人は、ダメになる。
       でも、訓練してもダメなのだからしょうがない。