No.514 (H.28.03.23)   飲み損ないのビール


                           

         先日の大地・初雪山行での二日目を、
         「山ノ神」は、テントキーパーを決め込んだ。

         新雪と視界不良で、不安を感じての決断であった
         ように思われるが、ゆっくり、暖かく寝て、それから
         ビールを飲むのが目的だったらしい。

         しかし、事は上手く運ばなかったようである。
         寝込んでいたところに、大地山頂に客人達が現れ、
         「話し込んでしまった。」 と言うのである。

         その内、我々が、初雪山から戻り、食事の用意を
         しなければならず、自分だけ飲んでいるわけには
         いかなかったらしい。

         日頃は、おくびにも出さない「山ノ神のいじらしさ」
         かと思いきや、やっぱり動いていないと、そんなに
         欲しくもないようだとも言う。

         しかし、「亭主だけを思うがままに山には行かせない。」
         のが本音である「山ノ神」
         山頂はどうでもいいから、その間ゆっくり飲むのがいいらしい。

         そのビールであるが、珍しく運転するから、「私に飲め!」
         という。

         「あんたと違い車の中でまで、飲みたくない。」
         と言ったものだから、またまたダンマリの道中と
         なってしまった。