No.59 (H.19.10.16)


     火打山頂では、缶ビールが2本用意されていた。
     私は、辞退したが、登頂の歓喜に絆されて、100ml
     くらいなめるように相伴した。

     6時間後の運転だけに、それくらいなら許容範囲としたからで
     あった。山頂は、ガスに覆われて展望はなく寒かった。

     ビールを平らげた「山ノ神」は、寒さ凌ぐためか、
     日本酒を探し始めた。 「ない。ない。」 「あんた知らんけ!」 
     などと、大事なものを無くしたように慌て始めた。

     テーブルの上に(250mlくらい)用意されていた事は知っ
     ていたが、家を経つ時は、なかったから、
     「山ノ神」のリックの中ばかりと思っていた。

     しばらく沈黙が続いた・・・・・・。

     「あった・・・」 まるで、天下をとったように・・・・
     鬼の首を取ったように・・・ニコニコ顔であった。

     結果的には、つまみなどと一緒に、私が担がされていたのであった。

     真っ暗になっての下山。疲れたと言って、後部座席に横たわった
     「山ノ神」は、> ”白河夜船”状態。

     私は、往路も真っ暗な、笹ヶ峰・小谷温泉間の林道を走らされた
     のであった。