元   さ   ん   の   山  紀  行
雨 飾 山 (1,963.2㍍)
<新潟県糸魚川市、長野県小谷村>
 平成18年06月26日
 <大網ルート>





 必ずしも予報は良くなかったが、何故か雨飾山を提案した。
 同じ行くなら行った事のない「大網ルート」になる。

 参加者が6名となったので、長勢君の車一台にお世話になる。
 久しぶりに大勢が一台の車に乗り合わせ、
 最初からピクニック気分であった。(魚津IC 午前5時半集合)

 しかし、姫川温泉(平岩)からの大網登山口は、
 道路決壊で通行止の 看板が立ててあり、
 あえなく撤退、小谷側の湯峠に向かう。

誰もいない笹平で「天ぷらパーティー」
同行者  橋本君・長勢君・eiko女史・ねぎちゃん・「山ノ神」
コース
タイム
 湯峠(8:00~10) 大網登山口(9:20~25)
 取水口付近(10:15) 水場 (10:50)
 雨飾山頂上 (13:35~40) 笹平(14:00~15:15)
 荒菅沢(16:25)
 ブナ平(16:55) 小谷登山口(17:45~18:15)  
ルート  往路=大網ルート  復路=小谷ルート



 小谷村から湯峠(長野・新潟県境)に来る。やはり大きなゲートは施錠されていた。
 湯峠は、大渚山の登山口である。その大渚山は雨飾山の展望台とも言われている。
 大網ルートの拘る我々は、湯峠から大網登山口までの林道を、標高差にして350mを下る事になる。

 雨具を着る事もなく、雲間から現れる雨飾山を眺めながら、また林道脇の山菜を採りながら、
 大網ルートとは、どのようなものなのかと期待と不安を胸に、1時間余り歩いて登山口に着いた。


湯峠のゲート 峠には石仏が・・・ 雨飾山を眺めながら
林道を歩いた






 
 登山口には立派な標識と、中部森林管理局並びに管理暑の
 雨飾・天狗原山 植物群落保護林の案内板が立っていた。

 付近には、10台くらいなら止られる駐車スペースがあるのだ
 が、如何せん、大網側からも、小谷側からも通行出来ない
 ように固く施錠されているのである。

 湯峠側から歩く限り、通行には問題がないように思われたが、
 通り抜け出来ないから、行政側は、通行止としているのかも
 しれない。

  歩き始めると、しっかり踏んであると思いきや、
  草が、ボーボーに生えていたりしている。

 「まだ山開き前であるから仕方がないか!」などと思うが、
 今度は雨が降った後は、大変なぬかるみになるのではと
 思う場所もあった。
 しかし、感じの良いところもあり、高度を上げないまま沢に出た。

大網ルート登山口
高度を下げながら、草木が覆い被さった道を行く




 登山口から30分ほどで沢に出た。
 それほど大きな沢でもないが、そのまま左岸を歩き徒渉地点を探す。
 以前には橋が架けられていたようで、その残骸を見る事が出来る。

 イザ沢を渡るとなると、若い者や元気な者は簡単に渡る事が出来るが、
 どれだけの深さか、またどれだけの流れの速さか、
 計り知れない者にしてみれば、一歩を踏み入れるまで、
 恐怖心の方が先に出てしまう。
 皆の協力のもとに、滑ったりする事もなく、無事通過である。


「どうしよう?」 何事もなく、無事渡れて良かった!




 
 沢を渡って、岩と根っ子に、しがみつきながら、なだらかな道に出たかと思いきや、
 草が伸び登山道に覆い被さっている。下ったら、また沢に出て、取水口の上に出た。
 地図を出して見るが、また沢を渡る事がないし、その右岸にも踏跡がない。

 一端退却し、GPSに頼りながら、ルートを模索するが、なかなか見つけ出す事が出来なかった。
 そのうち、長勢君が、朽ちて倒れている小さな標識を見つけ出し、事無きを得る。


岩と根っ子にしがみついて 足が上がるかな? 少しだけど急登! 何故か取水口があった


 彷徨った取水口から7~8分程歩いた(登った) 
 所のブナの木陰で小休憩をする。
 もう少し(10分程)歩くと水場があった。
 チョロチョロしか流れていなくても、
 充分に気分を癒してくれるものであった。

 「あった~。」
 「何が?」
 から始まって、ウドやススダケ採りが始まった。

 今日の天ぷらの材料を確保したのであるが、
 それ以上採っていると、昼食が何時になるか
 分からなくなるから、後ろ髪がしかれる思いを
 振り捨て、程々にブナ林へ足を進めた。

ホット 一息入れた水場




美しいブナ林を行く ブナの新芽を踏まないように歩くのだが・・



 大網ルートのブナ林は素晴らしいと思った。いつもそうだが、ブナを見ると、何故かホットする。



ブナの美しさに見とれて ウドの巨木




 
 ブナ林を過ぎてからもまだ長い。尾根に出たと思っても、立木が長く視界が利かない。
 ちょっと、涼しくなったと思ったら、一面ガスに覆われて、ほんの少し、山頂方面だけが見える。

 「あれが頂上か?」 「 必ずあの奥に、またピークがある。」「 山とは、そんなもんだよ!」 となる。
 しかし、急登だと思ったが、意外にそうでもなかった。  


向かいの大渚山 残雪を越せば尾根筋に 山頂までまだ遠い



 
 「お腹が空いた!」 皆そう思ったに違いない。
 魚津ICを午前5時半に出て、7時間半は過ぎている。
 「早く飲みたい!」 も偽らざる思い・・・

 お花が見え始めるが、それよりも早く山頂に辿り着きたいのである。
 ゴロゴロした岩を乗り越えれば、石仏のある北峰である。  


ガスが出て視界が悪くなる 何も見えないよ・・・ お花を見つけた! 山頂まで、もう少し



 
 誰もいない山頂でも「虫」だけはいた。
 それを無視するわけにもいかないよりも、
 ビールを冷やす雪がある笹平の方が良いに決まっている。
 山頂滞在5分は、「好山病・・」最短記録である。  


雨飾山頂上で 珍しき山頂を5分で去る 北峰の石仏群



  今回の雨飾山行で見かけた主な花   

シラネアオイ ハクサンイチゲ



 笹平に着いて、一目散に雪を掻き集めビールを冷やした。
 それこそ、誰もいないから、小径のど真ん中で、
 店を開いてしまった。

 もう、何でも良いからお腹に入れたかった。「美味しい!」
 何もかもが美味しい! 今日も天ぷらの評判が良かった。
 ウドの醤油漬けも、人気があった。

 時間がないから、今日は3時15分までであった。(2:00~3:15)

まずは、「ウドの天ぷら」から・・



   
階段やロープもあるが、
さほど問題ない
残雪の多い荒菅沢を渡る トラバース気味の登り返し 高台での荒菅沢

 
 荒菅沢まで快調に下る。湯峠まで歩かなければならないし、
 暗くなるのは、やっぱりイヤなのである。
 早く露天風呂にも入りたいし・・・