元   さ   ん   の   山  紀  行
雨 飾 山 (1,963m)
<新潟県糸魚川市、長野県小谷村>
 平成21年06月02日




お花と好天に恵まれた 「雨飾山」




絵になる「雨飾山」 雨飾新湯からの登山口 登り始めは急登!


「山ノ神」 早くもウドを見付ける 薬師尾根の 「のぞき」 に到達! ハシゴもある


残雪が見えて来た 長い梯子の上は、「いっぷく処」 快適な登山道


捜索活動中のヘリが飛んでいた 木の根に繋がりながら・・・ カタクリが・・・


思いの他の雪量に戸惑いが・・・ 急斜面にアップアップの山ノ神 「まだあるの?」 とか・・・


峠に出ればいっぺんに視界が開ける 笹平を行く シラネアオイが・・・


ハクサンイチゲが咲き乱れていた


登頂前に雪上で昼食となる 山頂をバックに・・・ 頸城の山々をバックに雪上で


 
笹平を見下ろす 金山・天狗原山の奥に焼山が・・・


 
北峰から、まだ白く光る北アの峰々を望む。

 
山頂から、遠くに焼山・火打山を望む 雨飾山頂(南峰)で





「6/2 コラム (山つれづれより) 」

6/2 昨日は、私ひとりで出掛けた事もあり、行き先の選択権を山ノ神に委ねた。「雨飾山」 と決定してからも、案の定時間が掛かり、出発が、またまた午前6時近くになってしまった。梶山新湯の登山口に着くと、何だか少し様子が変だったが、登り始めて1時間頃から、ヘリの動きを見て遭難事故が起きていた事が分かった。

 最近、娘の初産の事もあり、山ノ神の山行機会は随分と減っており、すぐに息が上がってしまうようであった。「慌てる事はない。ゆっくり行こう。」 と言いながら、娘達の事を考えると、早めに帰ってやらなくては思うのであった。

 中ノ池付近から残雪が現れ、山頂と小谷への分岐までの標高にして250~300m間の急斜面に、びっしりと雪が着いていたのである。「こんな所を登るの? あの虎ロープ付いている所だろ!」 と山ノ神が不安そうな顔をした。

 昨日、大猫山・鬼場倉ノ頭の山中で、今日の山行に誰かを誘うとしたら、「軽アイゼンを準備してもらわなくては・・・」、「ピッケルの一丁ぐらいは用意しなくてはいけないのでは・・・」 などと思っていたのであるが、帰りも遅く、結果的に誰も誘う事が出来なかった。そんな経緯もあり、私達だけならと、ちょっと油断があり、ピッケルやアイゼンを準備しなかったのである。

 「滑ったらどうなるの?」 「落ちたらどうなるの?」 と山ノ神は顔面蒼白で、恐ろしくて振り返る事もなく、只、足下だけをみて登っていたようである。私も、それなりのステップを切ってやらなければならず、結構疲れてしまった。

 しかし、それを乗り越え笹平に出てしまえば、カタクリ・シラネアオイ・ハクサンイチゲが、「えぇ~」 と思うほど咲き乱れていた。時期としては、少々早いかなと思っていたのに、予想外に咲いていたのである。

 ゆっくり歩き、雪面でかなりの時間を費やした事もあり、疲労に空腹が伴い、山頂を目の前にしながら、午後1時前、笹平の雪上で食事をする羽目になってしまった。「飲むのも良いが、帰りが遅くなって、雪面が堅くなったら、厄介だから、あまりゆっくりもしておれないよ!」 と釘を刺したつもりであったが、「ここで1本、山頂で1本」 などと戯けた事を言った。

 山頂の1本とは、冷やすために、ナイロン袋に雪を入れて、私に持たせると言う事である。(0%のビールの私がである。)「飲んであの斜面を降りられるのか?」 と問うと、「飲まなきゃ、降りられない。景気付けである。」 と妙な答えが返ってきた。

 予定通り、山頂からの絶景を眺めながら、冷たい物で喉を潤すのは良いが、この時期特有の小さな虫が纏わり付き長居をしておれなかった。再び笹平のお花と戯れ、のち雪斜面に挑む。その前に、山ノ神が行者ニンニクを見付けた。雪解けの隙間からフキノトウも・・・・・・

 「雪斜面は少し緩んでいるし、滑っても一番下まで落ちない。もし、滑ったら私が受け止めてやる。」 と檄を飛ばしたが、山ノ神のへっぴり腰を直すわけにはいかなかった。それでも、何とかなったのであるから、今までの経験が功を奏した事になるのかもしれない。





 ■■■ コースタイム ■■■
高岡5:45=魚津IC=糸魚川IC=梶山登山口(8:00~20)=薬師尾根難所のぞき(8:50~55)=いっぷく処(10:10~15)=中ノ池11:10=小谷との分岐12:35=笹平(12:50~13:40)=雨飾山頂上(14:00~30)=小谷との分岐(14:55~15:00)=中ノ池15:35=いっぷく処(16:15~20)=のぞき17:20=登山口(17:55~18:20)=糸魚川IC=小杉IC=高岡

 ■■ 同行者 ■■
         比佐恵