元   さ   ん   の   山   歩   き
金 山(2,245m)天狗原山(2,197.1m)
<新潟県糸魚川市、妙高高原町、長野県小谷村>
 平成16年07月26日




金山山頂で記念写真 天狗原山の石仏横で

チングルマの群落 焼山(左)と、火打山(右)





 前夜までの雨で、一度は中止を決めたのだが、「とにかく行こう!」という事で、滑川ICに約束の時間通り集合した。「北ちゃん」のワンボックスカーに全員が乗り込み、糸魚川ICまで高速を利用する。
 148号線から小谷温泉を経由して、4キロ先の金山・天狗原山の登山口に着いた。小谷温泉から笹ヶ峰に通じるこの林道は、つい先日の20日まで舗装工事のため通行止になっていたが、事前に調査済みで何の躊躇いもなかった。
 小谷温泉からこの登山口までを歩くと、往復2時間余計に費やす事のなり、結構疲れるのであるが、今は舗装道路を快適に走る事が出来て楽チンである。登山口の50m手前に5台くらいの駐車スペースがあるが、満車の場合は、その先を探さなければいけないようである。


登山口で 立派なブナ林の中を 雨飾山を見ながら 溝のような登山道を行く

 集合の滑川から2時間を経過した6時15分、登山口を出発する。最初の15分程は急登、立派なブナの中を九十九折し、緩やかになるとチョロチョロ流れる水場がある。標高1550mくらいである。
 15分程行くと、左に三角の格好の良い山が見えて来る。「あれは、何処の山?」などと、あまり見られない山容に、雨飾山とは気が付かなかった。右には戸隠山方面の山が見え出して来た。その先、後立山の特徴ある鹿島槍ヶ岳が小さく見えて来る。
 小沢の中を歩く。残雪のカケラがあった。やがて、ぬかるみとなり、そして、崩壊地の下に出る。ここは、キヌガサソウの群落のある所でもある。
 ずーっと、悩まされて来た「虫」に、皆たまらず奇声を発するようになる。


崩壊地付近はお花畑 黒姫山   乙見湖(笹ヶ峰)が見える

 崩壊地を登り切った所で、北信五岳の黒姫山・高妻山・戸隠山が浮かび上がって来た。シモツケ、クルマユリ、ホタルブクロ、グンナイフーロー、カワラナデシコ、シシウド、クガイソウなどお花の量も豊富で思い思いにシャッターを切りまくった。

お花畑と妙高山 火打山 ハクサンコザクラ お花畑の中を


 蒸し暑く、虫に悩まされながら崩壊地から1時間弱で風衝草原に出る。ここからは、ずーっとお花と向き合って歩き続けるのである。  見通しが良くなると、いっぺんに開放感が広がり、またしてもお花と戯れる事になる。そして、 火打山や妙高山もガスの切れ間から顔を覗かせてくれる。
 駐車場にあった所沢のナンバーの男性が降りて来たので、シャッターを切ってもらう。(上段右)その男性も金山・天狗原山のお花の豊富さに驚いていた様子であった。
 天狗原山には、石仏の他には何もなく、JPSの大家である「北ちゃん」に、2197mの標高点を探してもらうが、石仏から少し上がって、金山への下りまでの中間点の上部が一番高い所のようである。過去に2度来た事があるが、その時あの辺ではないかと憶測をしていた場所とはそう違わないようであった。

 天狗原山から下りになるが、その斜面一帯に、ハクサンコザクラが群落を作っていて、「ワ~ッ、ワ~ッ」と誰ともなく声が出る。天狗原山の石仏のある斜面では、チングルマが主流を努めていたが、今は完全に薄紫のハクサンコザクラが主役である。
 焼山も近付いて来るが、金山への緑の絨毯のような山並みが美しい。そして、ずーっとお花畑が続くのである。今年は雪量が少なかったのか、それとも雪解けが早かったのか、金山も例年になく残雪が少なかった。
 飲み物を冷やすのに、ずーっと下の方へ行って、ナイロン袋に雪を詰めて来たのであるが、不注意から転倒し膝にかなりの傷を負ってしまった。
 お花を楽しみながら、ゆっくり歩いた事もあり、金山山頂に至るまで5時間を要してしまったが、「虫」に悩まされる意外は本当にステキな山である。過去2回同じ時期に来た事があるが、その時は、「虫」に悩まされなかったものの、今回ほどのハクサンコザクラの群落を見なかったような気がする。
 標識の元で記念写真を撮ってから、焼岳よりの斜面で昼食をする事になった。北ちゃんのオイルサーデンやチャーシューに、藤井女史のトンポーロが加わり豪華なものになった。シナノキンバイやチングルマなどに囲まれながら、焼山を間近に眺める絶好の場所で腰を降ろし、ちょっぴりビールまたは、ノンアルコールで乾杯となる。

 焼山への登山道を目で追いながら、様々な山の話題や、今後の山行などを語らい随分と盛り上がった。しかし、ゴロゴロと鳴ったと思ったら、すぐにスコールのような雨が降り出した。傘を広げながら、小降りになる事を祈ったが、この雨が降り続いたらどうなるのだろうの気持ちが強く、何もかもが、びしょ濡れになりながら、雨具を着込んで撤退となった。山頂に1時間以上いたのだから、それ程の悔いも残らなかったような気がした。   


もう少しで山頂! コザクラと焼山・火打山 下り ① 下り ②

 下り始めて、雨も小降りになった頃、雷鳥が数羽現れた。事前に金山で雷鳥がいるとの藤井女史の情報は、私には信じられなかったのであるが、目の当たりにしてビックリしてしまった。頚城の山にも雷鳥がいるのだ・・・・・・。
 雨具を着ていては、尚更蒸し風呂の中にいるような感じではあったが、沢山のお花はそれを癒してくれた。


下り ③ 下り ④ 下り ⑤

 スケジュールより少し遅れた感はあったが、予定通り小谷温泉の露天風呂に浸かる事にした。お湯加減もとてもよく、疲れもいっぺんに吹っ飛んだようになった。
 湯上りの後は、山頂で食べれなかった「ざるソバ?」を駐車場で美味しく食べた。また、近くにいたおじさん達にもコーヒーを振る舞い、下道で解散場所の滑川ICに向かった。





 ■■■ コースタイム ■■■
高岡3:30=滑川IC(4:05~10)=糸魚川IC4:50=登山口(5:50~6:05)=水場(7:05~15)=崩壊地(8:25~40)=天狗原山(9:40~10:05)=金山頂上(11:15~12:30)=天狗原山13:20=崩壊地(14:25~35)=水場(15:30~40)=登山口(16:20~35)=露天風呂・食事(16:45~17:55)=滑川IC(20:15~20)=高岡21:10

 ■■ 同行者 ■■
      「北ちゃん」・藤井女史・比佐恵