元  ち  ゃ  ん  の  山  紀  行
瑞 牆 山 (2,230㍍)
<山梨県  須玉町>平成13年10月21日




瑞牆山と金峰山の分岐富士見平富士見平からの富士山天鳥川の河原で瑞牆山の岩峰を望む

 瑞牆山は、昨年7月の金峰山行きで一緒に登る予定だったが、「山ノ神」の疲労と雲行きが怪しくなったので、後ろ髪引かれる思いで、諦めた山であった。
 今回も、夜半出発の強行日程だが、折角遠出するのに、瑞牆山だけでは、もったいないような気もするし、時間に余裕が出来れば、長野の「入笠山」の頂にも立ちたい思いで出掛けた。
 中央道「須玉IC」を降りて、すぐ突き当たる信号を右折し、広い道を2㌔程行った三つ目の信号を、また右折して、増富温泉へ向かった。
天鳥川から岩や倒木が
ゴロゴロした所を登る
頂上までもう少し
 昨年一度来ているからか、不安そのものはなく、右折した交差点から18㌔で着いた。その先、金山平を経由して8㌔で、登山口の瑞牆山荘前に着いた。奥まった駐車場の事は分からなかったが、山荘左右の駐車場には、すでに50台くらいの車が止まっていた。
 夜が明けるのを待って、身支度するのに車外に出たが10月下旬の高所では、もう一枚羽織りたくなるくらいに冷え込んでいる。瑞牆山荘の前にある小さな標識に従い樹林の道を行くが、未だ日が当たらぬために、紅葉の鮮やかさは感じられなかった。
 どの踏跡を辿っても、すぐに合流し迷う事がなく、20分程で林道に出る。林道を横切り、里宮参道の道標に従い階段を直登すれば、尾根上に黄の色付いたカラマツ林が待っていた。それの先を行けば、ミズナラ林の中を潜り、水場の標識を見れば富士見平である。
 富士見小屋の前には、小さな色とりどりのテントが20以上張られていた。小休止の間に「山ノ神」が富士山を見つけた。早朝の富士山は、樹木の間に小さく澄んで見え、「富士見平」の名を改めて認識した。
 金峰山と道を分け、小屋の左の小道を天鳥川に向かって進む。緩やかなアップダウンを越え、小川山への道を右に見る頃には、瑞牆山の白い岩肌に、色付いた樹木がコントラストに映えてくる。急な斜面を下れば、天鳥川の河原に出てホッとし一息入れる。
 流れを渡り、亀裂の入った、大きな岩の横にある立派な木の階段を登り、大きな石や倒木が、ゴロゴロしている大きな沢を登って行く。何時の間にか、沢が狭くなりU字状の道に変わった頃に、花は無いが、シャクナゲの木があり、金峰山の凄いシャクナゲの群落を思い出した。タイミングよく後ろに振り向けば、金峰山が見える。金峰山荘も見えるが逆光で撮る事が出来ない。
大ヤスリ岩

 高度を上げる毎に、金峰山を眺め返しているうちに、何も食べていない事に気付き朝食にする事にした。新潟から来たと言う足腰の強い老夫婦と、突き放しては、追いつかれ、追いつかれては、突き放しを繰り返していたが、富士山が見えるようになってからは、どちらともなく、見とれるせいなのか、ペースがダウンしてしまった。

 尚も倒木をまたいだり、岩の間を抜けたりして高度を稼いだら、大ヤスリ岩の基部に着く。 基部の右側を同じように登って行くと、大ヤスリ岩の高さと肩を並べるくらいの広まった所に出る。その岩峰と、左側に見える富士山との対比が良く、思わずシャッターを切った。


何処から見ても日本一の富士山瑞牆山頂から八ヶ岳を望むすぐ向かいに見える金峰山南アルプスの山々

 右側の尾根を廻り込むようにして、樹林を抜ければ岩峰の瑞牆山頂である。まずは富士山がいい。八ヶ岳が何とも言えないくらいステキだ。南アの山々も近くに見える。昨年登った金峰山もすぐそこにある。山頂のやや傾斜した、幾つかの大きな岩と言えばいいのか石と言えばいいのか分からないが、その上で、多くの登山者と同じように、思い思いにポーズをとりながら、カメラに納まった。遠くまで、視界が効く気持の良い山頂も、僅かな風でも身に染み、それぞれ一枚上着を羽織り、岩陰で休息とした。

 岩峰が重なり合ったこの瑞牆山に登れるとは思っていなかった「山ノ神」は、頗る満足で、冷えた身体にも構わず何時ものように、ビールで祝杯をあげて、はしゃいでいた。
 いつまた来れるか分からない瑞牆山に、飽きる事のない山頂からの展望を目に焼き付けて、名残惜しいけれども頂を後にした。大きな濡れた岩から誤って、3㍍程ずり落ちた以外は、来た道を順調に戻った。

瑞牆山頂上で紅葉の中を行く富士見平から登山口へ下る途中入笠山(1955㍍)頂上で


 富士見平から登山口に戻る途中に、萌え上がる紅葉の写真を撮っておられた、横浜の柴土氏に何故か一声掛けてしまったが、"何かの縁"で、「山の友」として情報を交換出来ればと期待を多くしている。
 この後、予定通り「須玉IC」に戻り、中央道「諏訪南IC」から、「入笠山」頂上を踏んだ。




   ★★★コースタイム★★★

高岡0:00=平湯2:10=松本IC3:10=諏訪湖SA(3:25~45)=八ヶ岳P(4:10~20)=須玉IC4:30=増富温泉5:00=瑞牆山荘(5:15~47)=林道6:06=富士見平(6:33~46)=天鳥川7:11=瑞牆山頂上(8:40~9:52)=天鳥川11:00=富士見平(11:29~40)=登山口(12:18~33)=須玉IC=諏訪南IC=富士見峠=入笠山登山口(14:20~30)=入笠山頂上(14:50~15:13)=登山口15:38=道の駅「風穴の里」(17:35~45)=平湯=神岡=高岡21:40

   ★☆★同行者★☆★

         比佐恵