元  ち  ゃ  ん  の  山  紀  行
大門山(1,571.6㍍) 赤摩木古山(1,501㍍)見越山(1,621㍍)
<富山県福光町・上平村  石川県金沢市・吉野谷村>
平成14年10月07日





登山口
 朝方は雨。またまた予定を変更しなければいけなくなった。7時半頃、「降っても降らなくても、大門山に行こうや!」になった。午前4時過ぎから起きていて、ようやく変更先が決まった。1時間後に出発としていたが、やっぱりなかなか事が運ばない。

 時折ワイパーを回すが、雨の降るような感じはない。何時もは、砺波から南砺広域農道を通り、井口村から304号線の五箇山トンネルを経由して、156号線の下梨に出ていたが、今日は久し振りに、始めから庄川沿いの156号線を進んだ。しかし、工事信号が多く、コース選択を間違ったように思ったが、そのためか車量が少なかった。朝早くから起きていた事もあって、祖谷付近で目が瞑れそうになり「山ノ神」と運転を交代してもらった。

ブナの中の登山道
真赤になっている「うるし」
 上平村に近付くに連れて、ブナオ峠(西赤尾~刀利ダム)が通行止の不安があったが、林道入口では、ブナオ峠~中河地間通行止の標識があった。中河内とはブナオ峠の手前なのか、後方なのか分からなかったが、とりあえず進む事にした。「山の神」が、初めてのブナオ峠への林道の運転だったが、前方から一台の車も来る事がなく、10㌔を難なく終える事が出来た。ぬかるみや雨の事も考え、スパッツを着け出発したのが11時を遥かに回っていた。
 ブナオ峠付近は、未だ紅葉には早く、雨が上がったものの、日が差していない状況では、薄ぼんやりして、木々の生き生きした様子はうかがえなかった。  よく踏まれた道を、ゆっくりしたペースで登り始めたが、思ったよりぬかるむような所もなく、緑がやや黄色に変わりつつあるブナを眺めながら進む。急登も続かず、一時間もあれば大門山頂上に、いや遅くとも赤摩木古山との分岐まで着くように思えたが、「山ノ神」のピッチが上がらない。

分岐までもう少し 黄色も綺麗! 分岐の標識  分岐から大門山を望む

 「あんたの、もうチョットは、当てにならない。」とでも言いたそうな顔で、私を見つめるが、何故か何時もより精彩がない。振り返っても「猿ヶ山」も見えないし、時折見られる真赤なカエデや、ウルシの葉の鮮やかさに、心を和ませているようだった。 少し視界が広がって来た頃には、階段状になり苦しくなり喘いでいた。
 大門山の山頂付近から右下に、今春、届かなかったが、順尾山から延びている大倉山・赤堂山・月ヶ原山・多子津山だと思う山並を見ながら、
「来春機会があったら、あの小矢部水系の残り4座を登るのに時間が欲しい!」
「私は?」
「どうしても2日間を要し、冬山の装備を担がなければいけない。夏山のキャンプより多く担がなければいけないが、それでもよいか?」
 足が上がらないのに、その話は酷のようであった。終いには、「今日は、まだ一度も休んでいない。」などの言葉が飛び出し、もうやってられないと、私は、先に分岐まで行く事にした。疲れ切った「山ノ神」に、大門山の頂上に行かず、この場所で待機をするかと問うと「行く。」と言う。あわよくば、「見越山」まで行けないかと、心の中で思っていたので、遅くなったらそれがダメになってしまうからでもあった。

大門山山頂で! 大門山山頂の雰囲気です。 赤摩木古山の標識  赤摩木古山から猿ヶ山を望む

 大門山のピークまでは、さほど時間を要しないのだが、最近下草が刈られたらしく、その刈った草木が放置されているので、足に絡まってチョット歩きにくい。近年ブナオ峠まで、何度も通行止になっているから、手入れがなされていないのかもしれない。
 その大門山も、ガスの中で、只、ピークを踏んだだけであった。放置された草木が濡れて滑りやすかったが、すぐ分岐に戻り、赤摩木古山に向かった。

赤摩木古山から下って二つ目の標識
 赤摩木古山は、大門山よりも数十㍍低いので、戻った分岐からでも、やや下り気味ながら、アップダウンも少なくなだらかな道が続くが、先程の刈った草木が纏わりついた。
見越山を目指したが!
 赤摩木古山の山頂からは、大門山のてっぺんが樹木の上に見え、その右遠方に薄っすらと裾野を広げた「猿ヶ山」が見える。反対方向には、見越山と奈良岳が隣り合わせ、もう少し、左に首を振れば「大笠山」のてっぺんが、重苦しい厚い雲に覆われている。ずーっと右(西)には高三郎山が見える。  歩き足らない私の事を思ってか、「見越山まで行って来たら!」と山ノ神」が言ってくれたが、二人でもパーティーであり、離れる事には問題がある。また、午後2時からでは、とても見越山まで往復して、明るい内に、ブナオ峠に戻れるわけがなく断わった。
見越山には届かず引き返す

 しかし、ここが私のいけないところであるのだが、再度言われると、「チョットだけ!」 紅葉の写真を撮れるかどうかわからないが、30分往復1時間の時間をもらった。コースタイムが片道1時間半の所を、30分でどのくらいまで行けるか、見越山に向けて赤摩木古山を下った。例の刈り払った残骸が足に纏わりつき歩きにくかったが、構わず進んだ。しかし、ピッチも上がらず、ガスの中に入って行くような感じでは、目的の紅葉も撮れそうもなく、赤摩木古山から30分を過ぎた所で、一口水を飲み、また辿り着けなかった、見越山方面の写真を撮って引き返す事にした。

 さて、これだけ急いで下った距離を、果たして「山ノ神」の待つ赤摩木古山に、約束通り着けるのかと思いながら、ピッチを上げた。幸い年齢と共に下る速さは、衰えの一途であるが、登りはまだまだ10年前とそう変わりはないのである。約束の時刻より5分の遅刻だったが、明るいうちにブナオ峠どころか、主要道路まで行けそうなので安堵した。



★★★★ コースタイム ★★★★
高岡8:55=祖山(9:50~55)=ブナオ峠(10:50~11:15)=大門山・赤摩木古山の分岐12:35=大門山(12:50~13:10)=分岐13:25=赤摩木古山(13:55~14:05)=見越山1.8㌔。赤摩木古山0.5㌔の地点(14:15)=見越山1.2㌔・赤摩木古山1.1㌔の地点(14:25)=前の標識より10分進んだ所で撤退(14:35)=赤摩木古山(15:10~20)=分岐15:50=ブナオ峠(16:50~17:00)=156号線17:20=高岡19:00

■■■■ 同行者 ■■■■
         比佐恵