元   さ   ん   の  山  紀  行
大 日 岳 (2,501㍍)
<富山県上市町、立山町>
平成16年06月20日



 台風の余波なのであろう標高1000mもある称名駐車場に着いても、生暖かい風がそれも強く吹いていた。曇り空で、高温しかも強風で、何時雨が降り出すかと思いながらの出発であったが、ハレルヤ山行は、晴れ男の筏井氏がいるからであろうか、本当に雨が降らないのである。

ハンノキ滝を見ながら登山口へ
 傾斜の強い舗装道路を、ハンノキ滝を見ながら登山口に向かう。今日は、小竹夫妻・筏井夫妻・細川女史・シュンちゃんと私の7名で、残念ながら「山ノ神」は所用で欠席である。
 何度来ても登山口で写真を撮りたくなる。“ そんなのいいじゃないか!”となるが、後々になると結構想い出になるのである。
大日岳登山口で
 汗を拭きながら順調なペースで登る。ハンノキ滝が強風に煽られて、流れが落下せず龍のように舞い上がる珍現象を見ながら益々ペースがあがる。
 伸子さんに細川女史、そして最近めきめき脚力をつけられた絹子さんは凄い。3人の女性はおしゃべりしても、山菜を採っても、その速度は衰えない。

 「猿ヶ馬場」で一服。水を飲みながらホット一息である。先人のお二人と簡単に言葉を交わし、腰をあげて7~8分もいくと牛首である。牛首の尾根からは富山湾が眺められる。眺望を期待していなかっただけに東方面に御馴染みの大辻山や来拝山・尖山が見えてくると何故か嬉しい。
 いつもさほど気にしない山が、今日のお天気で俄かに脚光を浴びるとは “ 何ともはや!” である。
 ロープの付いた階段を登り、しばらく行くと木道である。しかし、木道に出れば大日平だと思うが、なかなか山荘までは着かないのである。
 称名峡谷を挟んで、弥陀ヶ原の上に鍬崎山が頭を隠しながら誇らしげに聳える。天狗山の所にある建物は、“天狗山荘か美松荘か?” などと言いながら、木道を只管歩く。木道の脇にはチングルマが咲き乱れていた。

牛首尾根のロープの
付いた階段を行く
 
大日平を行く
 大日山荘へは2時間5分と順調なペースである。雨は降らないかもしれないが、大日岳頂上付近はガスに覆われている。
 チョット休憩のはずだったのが、山荘の中の自動販売機に吸い付けられていった誰だったか忘れたが、“スーパードライ(350ml)が300円だ。”と言い、“これは買わない事はない。激安!” となり、いつの間にか3本購入された。
 これからまだ頂上に向かって2~3時間歩かなければならないのに、「何てこった!」 しかし、恐るべきハレルヤ族は、これをエネルギーに変えてしまう兵揃いなのである。(飲まないメンバー2名もいる事をお忘れなく!)

 木道脇のチングルマを見ながら、ガスに覆われた頂上に向かって進んで行くのだが、高度を上げる毎に、大日平と弥陀ヶ原の平原が広がり、鍬崎山の大きさがわかって来る。例年ならまだ多くの残雪に覆われているのであろうが、今年は雪解けが早くラッキーと言えばいいのか、それとも残念と言えばいいのかわからない。


鍬崎山と大日平 水場で休憩 シラネアオイ 大日小屋が見えて来た

 やがて、水場に着くが本来ならあまり飲料に適さないのであるが、この時期ならそう汚れていないだろうと口に含んでしまう。
 最後の水場まで、キヌガサソウとシラネアオイの群落に出会う。大日岳にはお花がないなどと言う方もあるが、そうではなくタイミングが悪いだけなのかもしれない。
 最後の水場から、大日岳稜線(鞍部)までは結構長い。もうすぐ、もうすぐと思いながらなかなかである。大日小屋が見えても一息かかるのである。


大日小屋へ 大日岳頂上への稜線 大日小屋方面

 とりあえず、まだ開かれていない大日小屋に行く。全員登頂かと思ったら、鍋料理の準備の関係で、そうもいかなかった。結局、料理の手伝いに役立たない男3人だけが山頂を踏む事になった。
 山頂への稜線は、剱岳や北方稜線に対峙する北東側だけが多くの残雪に覆われていた。所々大きな裂け方をしている所もあるが、近付かなければ心配する事もない。
 大急ぎで、美味しい二つの鍋料理の待ち構える大日小屋に駆け降りた。


雪渓越に毛勝三山 大日岳頂上にて 毛勝三山と東芦見尾根 ガスに覆われる剱岳

 数の強い中、暖かい鍋は実に美味しかった。剱岳にかかるガスが、もう少しで取れそうになるのだが、最後まで我々の望む山容を見せてはくれなかった。しかし、毛勝三山はもとより、僧ヶ岳に駒ヶ岳、そして、朝日岳などが望まれ、雨を覚悟して来た事を思えば絶景に近かった。
 また、雪の斜面を利用して、グリセードや滑落停止もどきの雪との戯れも、楽しい山行の一つとなった。
 天然クーラーから、下に降りてうんざりするも、富山は36℃超の気温であったようだ。
 



■□■コースタイム■□■
高岡5:20=称名P(6:20~45)=登山口6:55=猿ヶ馬場(7:40~50)=牛ノ首8:00=大日平山荘(9:05~20)=水場(10:05~20)=最後の水場10:45=大日小屋12:00=大日岳頂上(12:10~15)=大日小屋(12:25~14:10)=最後の水場14:55=水場15:20=大日平山荘(16:10~20)=猿ヶ馬場(17:15~25)=登山口18:00=称名P(18:10~20)=高岡19:35

■□■同行者■□■     小竹夫妻・筏井夫妻・細川女史・「シュンちゃん」