元   さ   ん   の  山  歩  き
犬 ヶ 岳 (1,593m)
<富山県朝日町 新潟県糸魚川市・青海町>
平成17年05月30日





 私にとって4回目の犬ヶ岳行きとなった今回は、前夜に富山入し「市振道の駅」に泊まられた福井グループと大平集落付近で合流し、坂田峠でなく、標高760mの林道山姥線最終地点まで車を乗り入れた。総勢12名のパーティーとして元気に出発する。
 急登を難なくクリアーし山姥の洞にすぐ到達する。鼓ヶ滝上部から雪渓を歩く事になるが、すぐ夏道に戻り、鳥居杉から、雪上組と登山道組にわかれた。

 栂海新道に出ると白鳥小屋が見えて来る。カタクリが現れ始めた頃、白いカタクリを見つけ歓声があがる。植物学的には珍しいものではないようであるが、我々には何か宝物でも見つけたような思いになる。遠くに犬ヶ岳を見ながら白鳥山に着く。坂田峠発から比べると1時間くらい早く着いた事になる。


標高760mの林道山姥線の
最終地点からの出発
すぐ汗が吹き出るような急登を行く 山姥の洞の上の人は・・果たして 今年は残雪が多く雪上を歩く事になる

栂海新道に出ると白鳥小屋が見える 最終目的の「犬ヶ岳」が見えるが
実に遠くに感じる
白鳥山へも雪斜面が続く 白いカタクリを見つけて思わず
ニッコリするのは私だけではない

 白鳥山から犬ヶ岳はまだまだ遠い。白鳥山から5~10分程下駒ヶ岳寄りに降りた所が、犬ヶ岳と初雪山の大展望台である。同じ写真になってしまうと思いながら、来る度にシャッターを切ってしまう。
 今年は予想以上にが残雪多かった。夏道が閉ざされて、仕方なく雪上を歩く所もあれば、逆に近道になる所もある。
 それよりも、陽に照らされて汗が流れる身体には、スーッと漂う冷気が一番の恵みでもあった。
 また、右手に初雪山を眺めながら行くのであるが、その山容も雪が着いているから様になるのである。

 下駒ヶ岳・菊石山を過ぎ、黄連の水場近くのブナ林が、身も心もホットさせてくれる。
 過去3回も来ているのに、水場の位置を反対に記憶していた。しかし、その水場も雪に覆われていた。黄連山まで、あと30分である。


白鳥山から少し下ると、
犬ヶ岳や初雪山の展望台に出る
残雪を踏んで大きく下る 雪上歩行はそれなりに気持ちがいい 長い行程は、初雪山が癒してくれる

ちょっとガレた所を行く ようやく下駒ヶ岳に 岩場を降りる 黄連の水場付近のブナ林

 黄連山も残雪に覆われていた。取付けられたばかりの小さな標識があり、そのピークに到達した気持ちになる。犬ヶ岳の肩に栂海山荘が見えて来る。
 雪が切れている所には、カタクリの群落が所狭しと連なっている。踏まないようにと踵を上げながら、つま先だけで歩いたりするが、時には「ゴメン!」などと踏んでしまった事に対する優しい言葉が発せられていた。シラネアオイが現れると栂海山荘は近い。


黄連山に到着! 黄連山の標識 黄連山から犬ヶ岳を望む。あと1時間。 カタクリの群落①

予想以上の残雪にビックリ カタクリを踏まないように歩く シラネアオイ カタクリの群落②

 カタクリやシラネアオイの群落に酔ったのかどうかわからないが、「栂海山荘でストップ!」の声が何処からか聞こえて来たが、「ここまで来て、犬ヶ岳の頂上を踏まないわけがないよ!」  「もう10分もかからないよ!」などと励ました。

 早くもナイロン袋に雪を詰めビールを冷そうとする者、一目散に頂上に駆け上がる者と様々であったが、黒岩山から朝日岳方面、また雪を抱えた優しい山容の初雪山、そして、あんな遠くから来たのかと振り返る白鳥山を眺める心は、そんなにも変わろうハズがない。

 初対面・再会・常連など様々な顔合わせであったが、山愛する者同士では、次行く山が気になるところ・・・いろいろ話し込めば、あ~っという間に、1時間半の時間を費やしてしまった。


カタクリの群落③ 振り返れば栂海山荘 犬ヶ岳への稜線 犬ヶ岳頂上から初雪山を望む

犬ヶ岳頂上で遊ぶ 犬ヶ岳頂上で記念写真 犬ヶ岳頂上から
黒岩・朝日岳方面を望む
犬ヶ岳頂上から栂海山荘へ下る

 栂海山荘~犬ヶ岳頂上間には、まだシラネアオイが咲いていなかった(まだ、雪の下だった!)ので、eiko女史は「白いシラネアオイが見れなかった。」と盛んに残念がっていたのが印象的だった。
 栂海新道の要の栂海山荘をちょっと覗いてみたり、その先の朝日・白馬方面を伺ったりしながら、帰路に着いた。
 

栂海新道の重要拠点の栂海山荘 栂海山荘横でちょっと休憩 急斜面を慎重に下る 黄連山で犬ヶ岳をバックに記念写真

 しかし、ハプニングが起こってしまった。「山ノ神」が雪渓から落ちたのである。ズルズルと滑り、最終的に3mの雪壁から仰向けになって墜落したのである。結果的にはリックを背負っていたので衝撃を和らげたが、胸周りが圧迫されたようであった。
 「皆さんに申しわけない。」の気持ちがあったのか、最終地点までの5時間を、よく頑張って歩き通せたと後になって思った。


谷筋を歩く者と
尾根筋を歩く者に分かれる
ケガにも負けず頑張って歩く「山ノ神」 福井の仲の良い大田夫妻 「山ノ神」とeiko女史





 ■■■ コースタイム ■■■
高岡3:30=朝日IC(4:40~50)=林道山姥線最終地点(5:25~45)=山姥の洞(6:00~05)=鳥居杉(6:45~50)=栂海新道7:00=白鳥山(7:15~25)=下駒ヶ岳8:30=菊石山(9:05~15)=黄連の水場9:28=黄連山(10:00~10)=栂海山荘11:10=犬ヶ岳(11:10~13:00)=栂海山荘(13:10~15)=黄連山14:05=黄連の水場14:35=菊石山(14:50~15:00)=下駒ヶ岳(15:35~45)=白鳥山(16:55~17:10)=山姥線最終地点(18:30~50)=高岡

 


★☆★参加者★☆★

大田氏
大田夫人
小林氏
黒川女史
宮下女史
元さん








中山君
eiko女史
長勢君
橋本君
イマイチ女史
「山ノ神」