元 ち ゃ ん の 山 紀 行
順 尾 山
(883b)
<富山県福光町、石川県金沢市>
平成14年03月11日
「越中の百山」を意識すると、石川県境沿いに5座の馴染みの薄い山々が気になって来る。順尾山近くまで、林道が出来ているらしいが、無雪期を藪を漕いでまで行く力量もないし、残雪期の条件の良い時でも、テントを担いで出掛けなければ、とても「多子津山」までの長いコースは行けないようである。
今回は、偵察と言う事で、まずはその地域に足を踏み入れ、あわよくば、「順尾山」「大倉山」の頂に立てないものかと計画をしてみた。刀利ダムから、金沢市横谷までは、冬期期間通行止である。
刀利ダムから、ダム湖の上の林道を歩くわけだが、雪の付き方次第では、「山ノ神」がビビルのではないかと思い、一寸遠回りだが、金沢経由で横谷に入った。途中、「横谷〜県境通行止」の標識が、幾つも掲げてあり、横谷集落に入る前に、林道順尾山線があり心が揺らいだ。 その林道取入口は、県境の峠まで1.8`の地点で、峠から杉林に取付き620b位で林道に飛び出るのと、天秤にかけたが、自動車道が何処まで除雪されているのか確認せずに、最初から林道を選択してしまった。
林道「順尾山線」入口の標識。
ダム湖の対岸には、「袴腰山」
長い林道歩きを覚悟はしていたのですが・
林道の積雪は1〜2b位。
偵察とは、必ずしも山に登るのではないと「山ノ神」は思ったのか、今日も自宅発が予定より30分も遅れてしまった。何とか山の頂に立ちたいと思う私と、何処でもいいから行ってみたいし、出来ればあまり歩きたくない「山ノ神」との違いが、またはっきり出てしまった。
気温は低いとは言い切れない状態だったが、雪面が少しだけ凍みっている。身体の大きい私がカンジキを装着し、「山ノ神」が壷足で続く、標高330bのスタートである。まずは高圧電線が目標物である。第1回目の電線を潜って、東西にくねっている林道を二回ショートカットして、右に鉄塔そして、電線の下に来た所が標高520b位で、左に三方山方面の山々が見えてくる。小さな標識で「加賀、福光線」と書いた標識が現れたと思ったら、私の持参した古い地形図には載っていない、右下から西方面に、別の林道が延びていたが、おおよそ見当違いの林道として無視をして前進すると、前方のダム湖の上に「刀利青年の家」が見えて来た。
9:15 標高590bの地形図にも載っている林道分岐に出る。右手に行けば、三角点に行けるが、途中で林道が切れている。今日の雪の状態では、問題なく行けるのではないかと思ったが、あえて杉斜面から登って来るルート交差する東側のダム湖側を選択した。刀利ダム湖が見えて来て、歩き始めから1時間45分が過ぎた所で、ちょっと腹ごしらえとなる。おにぎりを口に運びながら、南方面に眺めた白くて鋭い山は、「奈良岳」と思ったのだが、このアングルは初めてなので山座同定には自信がなかった。更に、林道の先に進むと、先程の三角点方面から来る林道とまたしても合流した。(標高690b)
長〜い林道歩きでした。
高度を上げるにしたがって、
後の山々が立派になって来る。
美しい山々をバックに。
振り返ると北に「医王山」が!
高度差が200bは、ないにしても、地形図上での「順尾山」までは遠い。増してや「大倉山」は、この歩き方では絶望である。
尚も南に林道は続く。東から尾根が上がって来ている地点が標高760b。ちょっと進路を西に向けた所で、一息ついたが、北に「医王山」が大きく立派に見える。また南に方向を換えてようやく林道が終った。なんと出発から3時間半も要してしまった。(標高806b)
ここから「順尾山」までは、速かった。雑木林の広いなだらかな尾根を、南西にゆっくり進み、10〜20b下り、また緩やかに登った所が標高800b。今度は、南東に30〜40b登り、更に南にそして西へと「順尾山」の頂に向かうが、ただ広く、とても尾根とも思えない所が頂上らしいが、同定に右往左往しても、とうとう見極められなかった。また、林道終点から、何の目印もなかったが、一ヶ所だけ樹木に小さく赤色のテープが巻いてあったが、でも、そこが頂上とは思えなかった。
更にその奥の標高871bのピークを目指したが、頂上と思える所よりも高く感じ益々わからなくなってしまった。最も、地形図では、順尾山の高さは883bと記してあり、「越中の百山」では、836bと記されており、こちらでも悩むところであった。
もう「大倉山」の頂には届くはずもなく、このピーク付近で、昼食とした。この良いお天気で、また歩いた割には、二人で発泡酒1缶のご褒美では少なかったかも知れないが、買い忘れた私は、雫を一滴もらっただけに留めた。
頂上らしい所にもう一度戻って、小さな標識を付けようと思ったのだが、これもまた、よく似た所ばかりで、先程定めた所を見出せないままに適当な所に標識を付けてしまったが、何処が頂上でもいいくらいのファージーな頂きである事は間違いない。
頂上を見極めるのが大変だった。
往路3時間半、復路2時間の林道歩き。
樹木越しに、立派に見える山々も、結局「大笠山」や憧れの「笈ヶ岳」を同定する事が出来なく寂しい思いをしてしまった。小矢部水系の山々を、来年もう一度訪れて、残り4座の登頂を目指し、この山並みの勉強もしてみたいと心に誓った。標高806bの林道終点を、14:45に発ち長い林道を喉をカラカラにして下った。
★★★
コースタイム
★★★
高岡6:00=金沢市横谷,林道入口(7:20〜50)=電線の下、右に鉄塔標高520b(8:30〜35)=標高590bの林道分岐9:15=休憩(9:35〜50)=標高690bの林道分岐10:05=標高760b10:40=標高780b11:00=標高806bの林道終点11:23=標高800b11:40=標高830b11:48=順尾山頂上12:00=次のピーク(12:20〜13:30)=頂上(13:55〜14:20)=林道終点14:45=標高690bの林道分岐(15:28〜30)=標高590bの林道分岐15:52=車デボ地点(16:45〜17:00)=高岡18:55
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同行者
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比佐恵