元    ち   ゃ   ん   の   山   紀   行
黒 岩 山 (1,623.6㍍)
<富山県朝日町 新潟県糸魚川市>  平成15年06月30日


 ヒョンな事から、立山会の西田女史と知り合いになり、3人で黒岩山に行く事になる。今回も含めて3回とも同じ時期なのだが、今年はどの山も残雪が多く、お花の見頃にはチョット早いような気もしたが、スケジュール的にはこの日しかなかった。

長い林道歩き 中俣新道登山口 ブナ林の急登

 発電所からの林道は、相変わらずゲートが閉ざされており、1時間半の林道歩きを強いられた。道端に咲いている花を楽しみ、いくつもの滝にも目が移り、予定よりかなり遅れて、草木に覆われた中俣新道登山口に着いた。
 沢沿いから草むらを行けば、青い三角屋根の避難小屋がある。今は、「マムシ注意」の看板はないが、すぐブナ林の中を急登が待っている。西田女史の足は結構速く、「山ノ神」は付いていくのに四苦八苦していたようだった。
 何処がピークかわからない中俣山(古びたブリキの標識が倒れている。)までの所要時間が、1時間半弱だから、まずまずといったところか?
 「歩く図鑑」の西田女史に、これまた植物に疎い私は、キンポウゲ科で緑色の「ミツバオウレン」、茎が茶色の「コシジオウレン」を習い、「クルマバハグマ」「モミジハグマ」なるキク科の植物を何度も復唱させられた。
 この歳になると、一度や二度聞いたくらいで、花の名を覚える事など出来るはずもなく、迷惑であったかもしれないが、良き先生であった。


水が流れる小さな沢を行く 中俣新道にも立派なブナがある 栂海新道分岐(左、朝日岳 右、日本海) 黒岩山頂上で

 中俣山から、あまり高度を上げないで、雪の残る小沢を行くが、所々にオバケのようなミズバショウが、異様な感じで迎えてくれる。水の中に足を入れなければならないが、足がぬかるんでしまうような感じではない。
 ブナが生茂る1200m付近で、左(南)に曲がるような尾根筋になるが、何とそこで蜂に襲われ、右腕と後頭下部を刺されてしまい痛さを堪えての山行となった。
 虫刺され用の軟膏、しまいにはアンモニアという事で、○シッコまで試してみたが、一向に痛みが収まらなかった。
小さな蜂は、スズメバチではないようなので少しは安心していたが、もしかしたらなどと少しは不安であった。とにかく、頂上へ行かなくてはと、足は何でもないので、腕と頭をおえながら先に進んだ。
 斜面が少し崩壊している1400m付近で一息入れると、すーっと冷気が通り、掻いた汗が引いていった。
 イワイチョウの群落(未だ葉だけ)を見れば、栂海新道の分岐は近い。

 分岐から北(右)へ、黒岩山頂上までは3~4分。犬ヶ岳・白鳥山・日本海へと続く。南(左)は、黒岩平・長栂山・朝日岳と連なる。まずは、「シラネアオイ」と遭遇。シャッターを切りまくり、ガスで何も見えない黒岩山のピークへ。景色は見えなくても、雨に遭わないだけ良かったね!などと思わなければやってられない。

黒岩平を行く 雪解けが進んだ所のミズバショウ 雪が解けてミズバショウが・・・ 黒岩平には未だ多くの残雪があった

 「黒岩平を歩く」の当初の計画があり、食事も早々に切り上げて南下。しかし、残雪の多さに驚いてしまった。今年の雪解けが遅れているとは承知していたが、これほどまで多いとは本当にビックリである。
 シラネアオイはもうすぐ終焉を迎えるであろうが、ミズバショウの殆どが雪の下で、雪解けの進んだ所だけに可憐な花を咲かせていた。チングルマは、もはや花を落として稚児車のようになっているのがあると思えば、これからと言わんばかりに白い花の群落が風に揺れていた。ニッコウキスゲは、所々に黄色の花をつけていたが、期待していたハクサンコザクラは、未だ時期尚早なのだろうか、一部に弱々しく咲いていたのが寂しかった。
 黒岩平をずーっと行くつもりであったが、ガスのかかった雪の上を歩いてもどうしようもなく、あえなく退却して、お花が咲いている通路で、そーっとリックを降ろし、コーヒータイムとした。


可憐に咲くシラネアオイ 雪解け後のチングルマ

 午後2時頃、栂海新道から下山開始となったが、私が蜂に刺された同じ場所で、西田女史も刺されるというアクシデントがあった。でも、彼女は私ほど痛がりもしなかったが、身体の構造がどこか違うのであろうか?
 中俣新道登山口の出合橋を出発したのが午後4時45分、初夏の日の長い時期であるが、辛い林道歩きを終えて発電所に辿り着いたのが午後6時を回っていた。
 早朝発の山頂滞在時間の短い山行となる事が多い「黒岩山」だが、雲上の楽園である事は間違いない。
 今度は、もうチョット遅い時期の7月中旬~下旬に来たいものである。出来れば朝日や長栂から北上したいものである。




 ■■■コースタイム■■■
高岡3:35=滑川IC(4:10~20)=糸魚川IC=発電所(5:20~30)=ヨシオ滝(6:35~45)=出合橋7:15=中俣新道登山口(7:20~25)=小屋7:30=標高780㍍(8:00~07)=中俣山(8:50~57)=標高1160㍍(9:50~57)=標高1420㍍10:55=黒岩山頂上(11:35~12:00)=黒岩平標高1650㍍で退却12:50=お花畑でコーヒータイム(13:05~30)=栂海新道と中俣山の分岐13:56=標高1114㍍(15:05~15)=中俣山15:30=中俣新道登山口(16:35~45)=ヨシオ滝17:10=発電所(18:10~25)=糸魚川IC=滑川IC(19:30~35)=高岡20:30


 ■■■同行者■■■
        西田 ・ 比佐恵