元   さ   ん   の   山   紀   行
中  山 (1,255㍍)
<富山県 上市町>  平成16年05月31日


 今日の天気予報は、ずーっと前から雨。しかし、昨日も一昨日もかなりの降水確率だったが、結局そう多くは降らなかったようだ。今日も確率は悪く、おまけに大雨注意報まで出されていた。この日は当初「犬ヶ岳」を予定していたし、最近になってから中山君が毛勝山に行きたいなどと言って来たが、こんなお天気ではどうしようもない。そんな中、昨夜遅く「北ちゃん」に“ 雨でも一寸歩かないかい。” と「中山」行きを決めた。
 8号線に車を走らせると “雨はどうなっているの? ” と思う程に山並みが浮かび上がって来る。しかし、さすがに上市に入るとポツリポツリとやって来た。約束の午前8時に登山口に着く頃には「北ちゃん」が、もう準備完了であった。もう一台車が横付けされていたが、若い4名の女性が先に出発して行ったところだと言う。始めから雨具装着を覚悟していたが、しばらくは大丈夫のような雰囲気で、対岸の山々が流れる雲間に時々山容を覗かせてくれた。

剱岳の大窓を望む

 “ もうチョットで、東芦見尾根が見えるね!” などと登りはじめて10分もしないうちに、笹薮の奥にガサガサさせながら、人の声がしてくる。
 「北ちゃん」が、先程言っていた4名の女性が出発したばかりで、意外とゆっくり歩いているのかと思ったら、若い女性とは「北ちゃん」のからかいで、ススダケ採りのおばちゃん達だという・・・・・(少々がっかり)。
ススダケ採りの「北ちゃん」

 早ければ1時間も掛からないし、ゆっくり歩いても2時間のコースだけに、のんびりを前面に出した山行とした。
 ユキザサやチゴユリを見ながら、タムシバとコブシの違いの講釈を聞きながら、時にはススダケにも気を奪われながら、いつものジグザグの道を歩き続けたが、1,100mのチョット手前の広まった所に来る頃には、全く何も見えなくなってしまった。
1100mの標識

 輪を掛けて遅い「山ノ神」を待ちながら、水分補給の話となる。我々は “根性!根性!” と言われた時代で、水を飲むと叱られた。今は血液のためにも充分な水分補給を勧められている。“ 俺達の若い時代は、いったい何だったんだ。” 罰として上級生から強要された「うさぎ跳び」「アヒル」そして、足を延ばしたままの腹筋なども、今はダメだと言う。 
 もっとも、自分はなまくらで、リックを降ろすのが面倒で、水どころか食べ物もあまり取らなかったが・・・・。

大きな杉の木の中で
中山山頂の「北ちゃん」

 休憩場所から2~3分程上がった所に、標高1100mの看板がある。更に3~4分程行くと、古くて大きな杉がある稜線に出るが、大日岳や大熊山など見えるどころか、いよいよポツリポツリと雨が降り出して来た。

 “「北ちゃん」来年はクズバ山に行かないか? 車の入らない頃。” 返事はなかったが、「ヤブ有り」を耳にすると、まんざらでもなさそうであった。
 チョットぬかるんだ2~3の小さなアップダウンを越せば中山山頂である。時を合わせたかのように、雨が強くなって来た。昼食には早いが、杉の木の下で腰を降ろす事にした。
 「北ちゃん」のコンロで、採りたてのススダケを焼きながら、コーヒータイムとした。「山ノ神」は雨にも関わらず相変もかわらず冷たいもの嗜んでいるようである。それでは申し訳ないと思ってか、我々男二人にノンアルコールビールを1本分けてくれた。二人は仲良く半分ずつで喉を潤せたが、もうそれで充分であった。


「北ちゃん」のコンロで 採りたてのススダケを焼く 「山ノ神」は相変わらず・・・

 30分も経たないうちに、コンロやリックの周りが水浸しになってしまった。今日はこれまでと潔く退散する事にした。雨に日に、増してや大雨注意報下での山行は、歩けただけでも幸せだったのに、山の友と多くを語れたという喜びもあった。今度は「犬ヶ岳」でお会いしましょうと言って別れた。






 ■■■コースタイム■■■
高岡6:35=登山口(8:00~20)=標高1100㍍の標識の一寸手前 (9:15~25)=中山頂上(9:50~10:35)=登山口(11:35~55)=高岡13:10

 ■■■同行者■■■
        「北ちゃん」 比佐恵