元 ち ゃ ん の 山 紀 行
濁 谷 山(1,238.0㍍)
平成 12年 04月 04日


 3日前の夜、体育館でバトミントン練習中、右足を痛めてしまった。

 足の裏全体を着く事が出来ず、つま先か踵だけを着けて、歩かなければいけないくらいだった。この状態では、今週の山行どころか、もう山に行けなくなってしまうのではなかろうかと思ったくらいだった。

 連休の初日は、家内に車を渡し(尖山行き)、祈る思いで、足を休ませた。歩けなくなったら、「半分、死んだようなものだ。」と言うくらい山が好き!

 4日、先週に引き続き濁谷山へ。

 未だ暗い4時20分自宅発。虎谷へのトンネルをぬけると、ぐうっと雪が少なく先週より400~500㍍位奥に車を入れる事が出来た。只、いろんな事を考えて車の待機場所に時間が掛かった。天気は良いし、時間的にも問題なく張り切って出発する。幸いにも先週降った雪がかなり解け、それが湿って凍る、いわゆる「ソーラに乗る」事が出来、坪野.蓬沢の林道分岐に35分、また、先週3時間半掛かりながら、退却した地点には50分で到達できた。その先を急ぐ。

 やがて時折ずぶっと沈むようになりカンジキを着けたのが峠附近。

 峠までは北に進んできたが、杉の植林の作業道は、東に向きを変えている。立派な枝打ちした杉林を見ながら、無心に歩く。

あまり高度を稼がず南方向に進んでいると、やがて作業道が狭くなり杉の木が低くなるころ、虎谷山の高さと類似してくる。写真を1枚撮る。(7時50分)

 やがて作業道を捨て、杉林の中に入る。何度か林道をカットし、その最終地点にから、植林してまもない小さな杉が植えてある大斜面に取り付く。(8時)

 広いこの斜面に帰路の事を考えると、目印を付けずにはいられなかった。標高900㍍、大倉山がいい。大きさ、白く覆われた形もいい。標高1000㍍でブナ.ナラなどの雑木林に変わる。ブナを見るとホッとし、今日はじめての休憩とする。

 広い尾根をくねくねしながら9時30分稜線に出る。片貝側は、ぐーっと切れ落ちている。それよりも、僧ヶ岳、駒ヶ岳が目に入ってくる。その右に滝倉山.毛勝の山々、今は見えないが、あのピークの後にきっと剱岳があるはず。あのピークが濁谷山?だが、今までピークだと思って、上って行ってそこがピークだった事がほとんどない。必ずと言っていいほど、後に本物が控えているのだから!

 その頂上への稜線は、片貝側に雪庇が張り出しておりイヤな感じ。


(左)
濁谷山頂上から大倉山への稜線、後方剱岳。
(右)
濁谷山頂上からの剱岳、細蔵山への稜線。



 時折残っていたトレースも完全にここで消えていた。ここまで来て退却するわけにはいかない。雪庇を踏みぬかないように、やや下の方をトラバース気味に歩行。そして、急登ながらも広い尾根を登りきると、ほんの一寸たかい雪壁にもっと大きな雪庇が張り出したピークがあった。

 登りきると痩せたピークに右がまた落ちている濁谷。先の大倉山への稜線は、これまた雪庇が凄い。でも展望が素晴らしい。大好きな剱岳は、遠望ながら毛勝の山々から見るのと違った味。大倉山がまた登って見たくなるような感じで迎えてくれ、その稜線は、毛勝の山々まで繋がっている。毛勝三山は、釜谷.猫又山とその南又谷がすっきり浮かび上がらせその山容を誇っているのだが、毛勝山は、大明神山が前に立派なほどに立ちはだかり、あの荒々しさ、トゲトゲしさは、隠れていた。

 毛勝の左には、五月の連休に行けたらと、思っている滝倉山がちょこりと見えた。駒ヶ岳.僧ヶ岳は、前述したようにすばらしい。

 片貝川を挟んで、この稜線の後方には、未だ未踏の大平山があり、この頂きに来たくらいだから、充分にいつでも登れる手応えを感じた。

そして、剱岳の右には、いつものように剱御前、雄山、大日岳、大倉山の右には、越中のマッターホルン鍬崎山が‥‥‥‥‥‥‥。

 展望が素晴らしいこの頂上は,片貝に雪庇が張り出し、その下は切れ落ちている。反対側は、今は雪の白色で分からないが、崩壊が激しい濁谷.ワル谷で急斜面。

 この不安定の頂きだが、離れがたく、写真撮影や景観に圧倒されてか、食事もせずに1時間半もいてしまった。でも缶ビールを2本も飲んだっけ!

  (濁谷山頂上で)

 どれだけいても飽きない頂上を後にしながら、稜線を慎重に下り、大斜面出た時は、かなり気温も上がり、時折足の付け根まで沈んでしまう事もしばしば。

 林道をショートカットして時間を稼いだのは良かったのだが、峠附近もカットした事に気が付かず、もう一回カットしておれば、本当に谷深く迷い込んでしまう所であった。

 2時間も休まず歩き通しでは、さすがに疲れ林道分岐で休憩となった。振り返ってみるとよくもあんなに遠い所へ行って来たものだと自分の足に感謝したい。

 先週来た時は、大倉山だと思っていたところが、濁谷山の一部だったのには、苦笑いだ。

《コースタイム》

 高岡4:20→虎谷300(5:2045)→林道分岐6:15→先週の最終地点6:30

 カンジキ装着.610(6:557:00)→作業道入口7:10→虎谷を撮る7607:50

 大斜面8:00→大倉山がいい9008:301000㍍雑木林8:45

 休憩1040(8:529:07)→稜線9:30→濁谷山(10:0011:30)→稜線11:47

 林道最終部12:05)→林道分岐(13:1830)→車(虎谷14:0510)→高岡15:20