元  ち  ゃ  ん  の  山  紀  行
大 平 山 (1,090㍍)
<富山県 魚津市>
平成16年05月04日




 予想通り雨。結構雨足も強くあまり良いムードでない。「山ノ神」は、昨日の鍬崎山行の疲れもあって、山菜採りの希望のようであったが、私は出掛けるには低くともピークに立ちたかった。
標識

 魚津の山で濁谷山や大平山の頂きに立った事があるが、近年その二つの山に登山道が出来たと聞いていたが、まだ辿った事がなかった。それは大平山に登山道が付き、更に濁谷山まで延びているようである。良いにも悪いにも行ってみなければ分からないし、私はその登山口も知らなかったので大平山行きに興味を示したのである。 

大平山登山口

 標高からして、残雪が少しあるには違いないが、“標高差300m程だから1時間で登れるよ!”  “もしかしたら、山菜も採れるかもしれないよ!” と促し、雨が降る中を魚津に向かった。
 魚津市内のショッピングセンターで食料を調達し、魚津IC・石垣・島地経由で東蔵の対岸平沢から「鈍滝」の先、大平山登山口を目指した。 この林道は、「平沢・池ノ原線」で登山口まで9キロの道程である。
 基点の平沢地内には鈍滝の案内板の隣に、「大平登山口9キロ」と小さな標識があるが気を付けないと見落とすかもしれない。基点から5キロ過ぎた所から2キロ程未舗装部分があるが、また舗装道になる。  高度を500m程上げた標高770~80m所に、「登山口」と称した小さな標識が立てられており階段が続いている。

 今日も最初から雨具着用である。短時間ルートと承知していたため、荷は全部私が背負う事にし、こっそり「山ノ神」用として、軽アイゼンをリックの中に忍ばせた。
 
残雪が登山道を覆っている

 “熊に出会う事などない。”“熊に出会う方法を教えて欲しい。”などと日頃から言い続けている自分であったが、今日ばかりはこの山域に、何故か熊がいるような気がしてならず、荷は私が担ぐにしても、自分なりの防御・防衛に努めて欲しいと、「山ノ神」のリックに付いた鈴(凛)を雨具のフードに付けた。荷がないにしても、その格好がとれも可笑しいスタイルなのであるが、この雨の平日に誰が来るであろうか!

 始めは雪のない登山道を行く。標高にして100m程登ったあたりから、雪が現れて来たが登山道を隠すほどではなかった。更に100m程登った所で休憩したが、雨が酷くなって来た。“これでも行くの?”と言いたげに「山ノ神」は私の方を見たが、目線を外してしまって先に進んだ。
雨の大平山頂にて

 最後の斜面は登山道が完全に雪で覆われ、雨の中にガスが漂って来てしまった。山によく行く割には雪の斜面に弱い「山ノ神」のために、キックステップで安全を図らなければならない。見通しの利かぬ斜面で左右どちらの斜面を登るかになったが、この時のJPSである。現在地を確認し、山頂位置を想像すると、もっと南西側に進路を変えなければならなかった。雨を予想して地形図にカバーを掛けて来たが、隙間から雨が滴り滲んで来たし、JPSもラップのようなものでカバーとしなければならないと勉強になった。口を利かない「山ノ神」共々山頂があるなだらかな台地に出て、杉にはめ込んである標識を見つけた。その付近に「三角点まで20m」と「虎谷・濁谷山方面」と 表した垂木の杭のようなものが2本打ち込んであった。

 またまたずぶ濡れになってしまったが、杉の木の下で水分補給をして、すぐ下る事にしたが、“あの斜面を下るのが怖い。”と「山ノ神」が言う。“さーっと下れて速い。”と言ってもダメなのである。軽アイゼンを履かせ、下でフォローするからと言って降りる、我々山行の極当たり前のスタイルとなる。その斜面を下ると、そんな事があったのかと言った感じのルンルン気分の「山ノ神」のようであった。

 雪の残る雨の中の山行。山菜もなく、しかし、熊にも遭わず・・・・・。だったが、登山口から1~2キロゆっくり車を走らせていたら、斜面から「熊さん」が降りて来た。こっちもビックリしたが、「熊さん」もビックリしたのだろう。また斜面に駆け上がって行った。こちらは車の中だったから気分的には、まだ落ち着いていたが、10mも離れているかどうかの距離では、生唾を飲んでしまった。  



  ★★★コースタイム★★★

高岡9:00~~魚津市内で買物~~大平山登山口(11:30~50)=大平山頂上(12:50~13:05)=登山口(13:40~14:00)~~早月川沿で山菜採り~~高岡18:00

  ★☆同行者☆★
         比佐恵