元   さ   ん   の   山   紀   行
大 倉 山 (1,443m)
<富山県上市町 魚津市> 平成18年03月20日






左・往路、 右・復路(間違ったルート)、 真中(青線)無雪期の通常ルート

 心配されたお天気も、多くは降らないだろうし、予想される気温からして、降っても雪であろうと、大倉山と土倉山行きにした。上市市街地のコンビニに集合し、土倉山からの下山にも備えて伊折橋詰半分の2台を置いて、残り2台を大倉山に通じる桑首林道入口から剱橋よりの道路上に車を止めて、ちょっと遅くなったが、6名で午前7時の出発となった。

林道入口から剱橋よりの車道に駐車 桑首の林道を行くⅠ 桑首の林道を行くⅡ

 林道のデブリは思ったより少なく、順調に林道の交差地点に着いた。通常ルート(無雪期)の登山口からではなく、その300m程手前の573mPから取付を提案し、杉林の急登からの始まりとなる。
 硬い雪の上に、前日からの降雪で、急斜面では、ずる~っと、いく場面もあったが、後方から青空が広がっていくようなお天気に後押しされて、ハーハー言いながらも順調そのものであった。

急斜面を登る 大倉山頂上付近を眺める 新雪を踏んで 降って登り返せば夏道との合流地点

 標高900mを過ぎると、等高線の込み具合が緩やかになり、950mくらいになると大倉山々頂付近が見えて来る。ちょっぴり降って登り返した1020~30m付近が、通常ルートからの合流点である。(結果的には、この地点に、目印を付けておけば良かったのだが・・・)
 1054mP付近では、完全に雲に覆われて、剱岳を望む事が出来ず、その先から降雪に見舞われ、とうとう雨具を身につけなければならなくなった。


雪庇を避けながら・・・・・

雪庇を避けながら・・・・・Ⅱ

 ちょっと気に掛かっていた雪庇は、若い衆には何でもなかったかもしれないが、でも、それは「結果オーライ!」なのであって、誰一人何かがあったら大変なのである。また、その時のフォローを、どうするかも、頭の中に入れておかなければいけないのであるが・・・・
 と言うものの、ヒョロヒョロしているのは、「山ノ神」と私だけであって、皆はスイスイ行ってしまった。


食事処を模索して・・・ 山頂よりチョット下がった
緩い斜面で穴掘りを開始
雪降る中での宴 下山準備OK!

 オーバーに言えば、野球でもサッカーでも出来そうな広い山頂であったが、何せガスで視界が悪く、GPSで三角点を探し踏んで、「宴」の場所選定に模索した。北西側の緩やかな斜面で穴掘りが始まる。
 降雪の中、牛岳の雪洞つくりのように時間を費やしては、干上がってしまいそうな空腹だったので、素早くをモットーに早々に席に着く事が出来た。しかし、今回は天井がなく、食べ物・飲み物は雪に覆われ気味であった。それでも、寒さをふっ飛ばしながら、今日も楽しい宴には変わりはなかった。



宴後、ガスに覆われた大倉山頂で

 予定時刻を少々オーバーした午後2時45分、ガスに覆われた大倉山頂を離れる事になった。山頂から離れるにしたがって、お天気が回復傾向になり、何のためらいもなく、スイスイと降りて行った。
 しかし、・・・・・・・・・・・・


下山、ガスの中をⅠ 下山、ガスの中をⅡ 下山、ガスの中をⅢ





「 コラム(山つれづれ・・・より)」

3/20 このところの私の山行は、馬力のある若い衆に引っ張られ、その後をチョロチョロ付いて行く形態が多い。今回の大倉山行は、そんな私の不甲斐なさが、少し悪い方に出てしまい、皆に迷惑を掛けてしまった結果になった。
 登山口(無雪期ルート)の手前300mの573mポイントから取付いたが、地形図上で込み合っている等高線が示すように結構急登が続いた。前日からのものであろうか、かなりの新雪あったが、青空が雲の切れ間から覗いたりしていたので、難なくクリアしていった。「もしかしたら、剱岳を拝む事が出来るのではないか。」のかすかな期待も、1100mを超えたあたりから、降雪に加えて、視界も悪くなり、雪庇を避けるように歩かなければならなくなってしまった。それでも、正午過ぎには何にも見えない(視界30m前後)山頂に辿り着く事が出来た。この時点で、土倉山への縦走を完全に諦め、恒例の穴掘りを始めたのであるが、その後に、少々不安もあったので、簡単なものにし、早々に食事を始めた。
 それでも、防壁を含めば、背丈以上の縦穴になったのであるが、何せ天井がないもので、ご馳走や飲み物に、雪が覆い被さってしまう状態であった。2時間ばかり過ごした山頂を後に、ちょっとばかり気になっていた、雪庇も通過した頃から、山頂付近は別にしても、お天気が回復傾向になって来た。往路を辿る事が一番ベーターであったのであるが、私は1054mポイントを少し過ぎた頃から降る通常ルート(無雪期ルート)を勧めてしまった。

 山頂側から見れば、1054mポイントを、少し過ぎた頃からの口伝えが、1054mから、もしくは、少し手前からに伝わったのかもしれないが、先導者の後を伝ってしまった。地形が何だか違うと思いつつも、雪の着き方なのだろうかと疑いもしなかったし、5台のGPSがあるから、間違いないと高を括っていたからかもしれない。もう一つは、GPSに精通している「北ちゃん」の存在があり、何もかも預けてしまっていたのも原因の一つであったかもしれない。
 降ってしまって、可笑しいと思った頃はもう遅く、時計と陽の陰りが気になってしまった。ちょっと歩けば雪崩れを誘発しそうな(実際には、小規模なものが幾つも起きた。)斜面をトラバースをし続けた。結果的には、GPSと先行した若い衆の力に助けられた感が歪めないが、登山口から上流250mくらい上の尾根を伝って林道に辿り着いたのである。真っ黒な雲の中に、夕日が沈みそうであった。その後、1時間の林道歩きは、反省のしっぱなしで、どんな山でも決して侮れない事を肝に銘じた。



3/21 山中で使わなかったGPSのデーターを、PCに落としてから、「あ~っ」と声をあげてしまった。1054mポイントのかなり手前から斜面に降りているのである。「山ノ神」と昨日の反省をしたところ、降り始めは、やはり可笑しいと思ったようであった。可笑しいと思った時、何故口に出して確認しなかったかという事も間違いの一つであった。
 もう一つは、大倉山に初めて登った人達に、登りと違った降りを先行させてしまった事や、ペースが速過ぎて、自分達に考える余裕がなかった事も事実である。また、GPSを雨蓋から出さずに、他人任せにしていた事も大いに反省しなければならない。

 何もなかったからいいようなものの、あの急斜面の雪質状態が違っていて、滑落や雪崩れなどの巻き込まれたらなどと思うと、ぞ~っとする。また、日が暮れなかった事が本当に幸いした。もう一点、パーティーが離れてしまった事も、あってはならない事であった。私の統率力・判断力が、今回の山行において欠落していた事は間違いなく、暫し謹慎しなければいけないようである。




 ■■■コースタイム■■■
高岡4:50=上市5:30= 公園線7:00=林道交差点(7:45~55)=770m8:35=900m9:05=1054m9:55=大倉山頂上(12:05~14:45)=登山口上17:15=公園線18:00=高岡20:00

 ■■■同行者■■■
      「北ちゃん」・橋本君・ねぎちゃん・イッちゃん・「山ノ神」