元   さ   ん   の   山   紀   行
大 猫 山 (2,070㍍)
<富山県魚津市、上市町>平成16年10月25日




 お天気になりそうなので大猫山に決めた。2週間前に行ったし、夕方から中山君と久し振りに我家で一杯やる事になっているし、おまけにその先が、富山で開催されているeiko女史のパステル画の個展を見に行く予定である。
 格好はともあれ、汗臭いのだけはまずいから、何処かで汗を流していかなければなるまい。そうすると「山ノ神」の頭の中は、時間的に余裕がなく、登る前からパニックになっているようであった。
剱の展望を期待していただけに、
この先が不安であった


 かなり良いお天気を想像していたが、またまた剱岳方面だけは厚い雲に覆われていた。しかし、高度を上げながら見下ろすブナクラ谷の紅葉に思わずシャッターを切った。まだ陽が当たらないからはっきりしないけれど、下山する頃はきっと素晴らしいと思った。  
ブナクラ谷を見下ろす


 その先の赤谷山からの稜線は真っ黒な雲に覆われ、剱岳を眺めるのを楽しみに来たものとしては聊かの不安があった。
 それでも雲の間から光が漏れていて、期待と不安が同居しているようなものであった。
 「山ノ神」の足取りは重く、1400mのピークを過ぎた頃から、「1500mは、まだか!」と煩かった。

 1500mのピークでは、大休憩となってしまったが、「下山時間を考えると、足手纏いになるから、自分は、ここでリタイヤする。」「山ノ神」が元気のない顔で言う。「大猫平まででも、いいんだよ!」と言っても、登る気はなさそうであった。
1500mピークからの紅葉
「山ノ神」は元気に見えたのであるが・・


 そこへ、「ヤーヤ-!」と何時か何処かで会った顔がやって来た。福井の遊山行様ご一行である。昨年の秋も、この大猫山でお会いしたのであった。
 馬場島で一旦止まった時、福井ナンバーの車とM女史らしき姿を見掛けたのであるが、車も昨年の物と違っていたし、早月尾根に登られる方々だと思っていただけに、またの再会にビックリしてしまった。

 不思議な再会に感激するまもなく、「山ノ神」のリタイヤに、福井の皆様方も驚いておられたが、  1500mのピークでチョッと休憩してから、「ゆっくり下るから、心配しなくていい。」の言葉に甘えて、午後2時~30分ぐらいまでに、車に戻る事を約束し、別れる事となった。(クマよけの凛を渡して!)  
せっかくお会い出来たのに
「山ノ神」は、ここでお別れ(1500mPで)


 遊山行の5人パーティーの後に付いたが、「先に行ったら!」と言われ、それもそうかと思い、チョッとペースを速めた。
 上に登れば登るほど落葉が多く、剱岳が顔を出さなければ殺風景である。それは大猫平に着いても変わらず、通過してしまった。
 大猫平を通過して20分程過ぎる山頂への途中に、遊山行パーティーを見下ろしながら確認して、「オーイ」と手を振った。
 東(右)に折れて、山頂まで後10分程の所が三角点の分岐である。振り返ると「剱岳」の上部が姿を現したので、少し戻って、飽きもせずシャッターを切った。

 分岐に戻って、2週間前に見付ける事の出来なかった三角点を探しに行く事にした。
 池塘?水溜りと言った方がいいのか、それを避けてすぐ西(北西?)方面を詰めたが、やはり思いと違い引き返し、その水溜りの右側を通り左(東)に向かった。
 モタモタしていたからか、遊山行パーティーの中のM女史がやって来た。ヤブで難儀する私を尻目にサッサッ、いやスイスイと先に行ってしまった。何と凄い人、身体はきゃしゃだが、噂通りの豪傑である。
 2週間前の2稜の南側に当たる所は、一部刈り取られたのだろうか、ササは膝ぐらいまでしかない。 私はGPSを見ていたが、M女史は地図を見て、またサッサと行ってしまい「あった!」と言うあっけなさであった。記念にカメラに納まった。


三角点があった! ヤブの中を行くM女史

 あっけなかったけれど、三角点にお目にかかれた満足の方が大きかったかもしれない。山頂で5人のパーティーの宴会が始まった。私は、横で「20分程だけお邪魔します。」と言ってラーメンを作って食べた。
雲海の中の剱岳(山頂から)
遊山行様ご一行


 ところが、「鍋料理を食べませんか?」 「ビールはいかがですか?」 「焼き物はいかがですか?」「コーヒーをどうぞ!」・・・ 次から次と出て来る料理に、腰を上げる機会を失ってしまった。気が付くと、もうとっくに1時間を過ぎていた。
 M女史に、来春、機会があれば、初雪山・大明神山・細蔵山などの山々に、同行の約束をしてしまったが・・・・果たして、「山ノ神」が許してくれるであろうか?
下山時の紅葉


 2時間~2時間半で車に戻れるだろうかと思いながら、立ち止まってはシャッターを切っていた。
 そして、山頂から大猫平に下る途中、うかつにもまた転んでしまった。結構擦りむいたのである。
 1400mのピークを過ぎた頃から、ますます樹木の色付きが良くなり、何度も何度もシャッターを切り続けた。剱岳の展望は期待通りのものではなかったが、それなりの大猫山を味わえたように思われた。

 ブナクラの駐車場に着いた時の「山ノ神」は、車に施錠して、スヤスヤと寝入っていた。
 上市町の湯神子温泉で汗を流し、富山市内で行われているeiko女史のパステル画の個展を拝見し、中山君との宴に「山の話」をいっぱい持って自宅に帰った。



 

   ★★★ コースタイム ★★★

高岡4:35=馬場島5:45=ブナクラ取水口(5:55~6:15)=1400m7:40=1500m(8:20~50)=大猫平9:40=三角点分岐10:10~三角点~三角点分岐10:45=大猫山頂上(10:55~12:05)=大猫平12:45=1500m(13:20~25)=取水口(14:25~30)~湯神子温泉~eiko女史の個展見学~高岡18:50 

   ☆ 同行者 ☆
            比佐恵(1500mまで・・)