元   さ   ん   の  山  紀  行
大 猫 山 (2,070㍍)
<富山県魚津市、上市町>平成18年07月04日






大猫平に入って、雪の多さにびっくり!




この↑から始まります 登山口で ロープもある急登 ちょっと一息

 「山ノ神」は、大猫山が大の苦手なのである。
 私は、標高差1100mで、登り返しも殆どなく、短時間で登ることが出来、
 少々遅く自宅を出発しても行ける山として、好きなのであるが、
 登り返しがないという事は、ずーっと登り続けるわけで、
 「山ノ神」は、それがイヤなのである。


急登に次ぐ急登 1500P下の一枚岩を下る イヤな感じ・・ 「大ねっこ山」の様相

 剱岳の大展望を除けば、根っ子が蔓延る歩きにくい山かもしれない。そして、所々に大きな石や岩がある。これが、足の短い者にしてみれば、結構厄介かもしれない。


あまり来たくなかった 足が届かないヨ! 足がかからないヨ! 大猫平まで

 登ってしまえば、大猫山はステキな山である。
 視界が利けば大猫平からでも、雄大な剱岳だけでなく、
 五龍岳や鹿島槍ヶ岳などの後立山の山々を窺える。
 初夏にはチングルマヤや、ハクサンコザクラなどの高山植物が所狭しと咲き誇る。


残雪が多い大猫平で



「平成18年7月4日のコラム」(山つれづれ・・・・から)

7/4 白木峰の帰路・大長谷を走行中、口の中に激痛が走った。もう、運転をするのもイヤになるくらいの凄いものであった。恐らく、日頃から悩んでいる歯痛が悪化したのであろう。しかし、「明日は、何処へ行く?」の「山ノ神」の問いかけは、私の非常事態を全く考慮しない発言であった。何処かの山頂に立ちたい気持ちはあるが、全ては、歯科医院に行ってからであって、当然「明日は、牛岳か中山」が候補であった。
 家に戻ってから、「明日は晴れるみたい!」と、遠くへの思いを込めての「山ノ神」の発言に、明晩には、会合も控えているし、「そんな事が出来るわけがない。」と言ってしまった。

 HPの更新に早朝からPCの前に座ったが、「山ノ神」は、一向に起きて来る気配はない。陽が上がるにつれ、いたたまれなくなり、今から大猫山に行こうと「山ノ神」に告げた。やはり「えっ~」と言う返事になった。彼女は、「大根っこ山」と称して大猫山を苦手としているのである。「あんただけ、行って来られ!」を期待していたが、仕方なく準備を始めたようであった。8号線のラッシュに引っかかり、ちょっとイライラしたが、馬場島到着が午前9時半過ぎとなった。ブナクラ取水口には6~7台の車があったが、山菜採りなのだろうか、皆ブナクラ谷方面に出掛けたらしい。

 「ゆっくり時間を掛けて、行ける所まで」を暗に諭し、殆ど汗も掻かずの歩きになった。しかし、「山ノ神」にしてみれば、急登につぐ急登で、何度休んでも辛そうであった。1500mPでは、とうとう弱音が出てしまい「あんただけ、行って来られ!」となってしまった。そんなら、来なよかったがに ・・・」と言いにかかったが、辛うじて思い止まった。この先一週間も口を利かぬ日々を送るわけにも行かないからである。「こんなに虫のいる所に、2時間も3時間も置いていくわけにもいかぬ。フォローするから、大猫平まで行こうよ!それでなければ、一緒に下山しよう。」の説得には、些か心も動いたようで、「山ノ神」自信も、2~3度山頂を踏んでいるし、大猫平だけでも、その他に2~3度行っているわけであるから、重い腰をあげたのである。

 しかし、行かれた事のある方ならわかるであろうが、2~3ヶ所怖いと思えば怖い所があるのであるが、それはそれは大変な思いをしてしまった。しかし、3時間半余で、大猫平に着いたのであるから、手を煩わしたとはいえ、まずまずのタイムであった事に間違いない。
 ガスの中であっても、冷たいビールを飲む時のこの人の顔だけは、恵比寿様のような何とも言えぬニコニコ顔になり、幸せ一杯に見えてしまうのである。この世に、こんな美味しい物があるのかと思わせるのは良いのであるが、帰りは大丈夫なのかと心配したが、往路の事が忘れたかのように、「ドンマイ」の言葉が返って来た。

 山頂への斜面の残雪は少なくなっているが、大猫平は未だ多くの残雪に覆われていた。一瞬(5分ほど)のガスの切れ間があったが、私達を長く喜ばせてくれなかった。午後8時の会合に間に合わせる為に、大猫平を午後3時に発った。悔しい事に、今回も剱岳を望む事が出来なかったのであるが、ブナクラ取水口に近付くに連れて、また車に乗ってからの剱岳公園線では、素晴らしい剱を仰ぐ事になる。悔しさいっぱいの顔を見た「山ノ神」は、何時か泊まって、「家に午前9~10時頃までに、帰って来ればいいから・・・」などと慰めてくれたが、本当に私をそのように、解放してくれるのだろうか?





   ★★★コースタイム★★★

高岡7:15=ブナクラ登山口(9:30~45)=1400mのピーク11:10=1500mのピーク(11:40~50)=大猫平(13:30~14:55)=1500mピーク(16:00~05)=登山口(17:30~45)=高岡

    ☆☆☆同行者☆☆☆
              比佐恵