元  ち  ゃ  ん  の  山  紀  行
大 双 嶺 山 (717㍍)
<富山県    大山町>
平成14年02月04日




 昨年9月末、剱岳早月尾根でお会いした高田氏から、私のHPの予定表を見て、ご一緒したいとのメールがあった。
 その先から、後日の「赤谷の頭」行きのガイドして下さるとの約束もあったし、また、同氏は、「大双嶺山」の頂きには達していないが、昨年挑んだ事もあるとの事で、「二子山」の近くの小坂集落で、取付き探しの右往左往する煩わしさなどを考えれば、"渡りに船"であった。
 後に同氏が山の事で師匠と崇めている「花じい」こと立山会の石澤氏も同行したいとの事で、この日を楽しみにしていた。「花じい」は、高田氏を通じて、お互いのHPをリンクしあうようになっていたし、以前からの友人のようで、全く違和感などなかった。予定日近くになって、日頃から忙しい我親友の中山君も、突然同行したいと言って来た。
 中山君とは、昨年の1月「千石城山」、2月「大鷲山」、4月「横岳」、5月「大日ガ岳」以来の山行で"やっと行く気になったのか!"と冷やかしてやった。
 登山口発を7時半位に設定した約束に、中山君「山ノ神」と私の3人は、我家を6時に出発となった。このところの降雪は、県西部に多かったらしく、大山町の福沢、布目には雪が殆どなく、黒川流域の集落を通過する時も、その雪量の少なさに、これから登る斜面や、尾根の雪の付き方が不安になってきた。

「小坂」の車のデボ地点で。これから出発! 二子山 (736㍍) 日尾双嶺山(750㍍)

 しかし、さすがに最終集落の「小坂」に来ると雪も多くなり安堵した。公民館の手前に「二子山」の登山口があるのだが、そこからまっすぐ400㍍進んだ左手に神社がある。(このあたりが「大清水」)そこが、除雪の最終地点で、Uターン出来るようになのか、車2台分の駐車スペースがあった。
 この周辺状況を事前に、高田氏から聞き及んでいたから、難なくこの地点に達する事が出来た。早速出発準備をしていると、石澤、高田両氏が到着し、各々初対面の為挨拶を交わす。
 予定時刻通りの出発となったが、「尾根コース」を取る事にし、黒川の支流千原川でなく、黒川に架かる橋を渡る。橋を渡りすぐカンジキを装着し急斜面を登る。今ひとつ雪の付が悪い斜面を懸命に登ったが、真下に林道が通っていて、がっかりする。林道に降りると、もう登れるような斜面はなく、雪のため、はっきりわからないが、尾根上部まで削り取ったように思われる斜面を左に見て、林道を歩く。
 最近は、地形図に載っていない林道に悩まされる事が多く、"長棟林道をそのまま進めばよかったのか!"などと言いながら、スキーの跡を200~300㍍位歩いただろうか?  何故か突然トレースが消えた所から、杉の斜面に突入する。(標高350㍍位)石澤氏がモクモクと登って行く。高田氏が続く。10分程で、上がる息を整え、標高602㍍を目指すが、標高550㍍でまたも小休止。

「大双嶺山」の
手作りのプレート
名札を手に!
 北西方向に「小佐波御前山」のどっしりとした山容は、神通川の対岸から見たものと、また違う悠々しさを見せている。北方面には、「二子山」と「日尾双嶺山」が、各々双耳峰の形をはっきりと見せていた。  杉斜面の取付から一時間程で、標高602㍍と思われる高台に出たが、久し振りの山行の中山君も、意外と元気で汗を掻きながら、皆に遅れることなく付いて来た。南西の方向に見える山を「薄波山」ではないかと思いつつも、確信を持つ事が出来なかった。

楽しかった「大双嶺山頂上で

 標高602㍍からは、登りらしい登りは二度位しかなく、あとは、緩やかな斜面を南東に進むだけであった。「大双嶺山」も20㍍位の鞍部をもつ双耳峰で、やや東に向いた平らなピークが717㍍である。展望は、一寸低い手前の同じく平らなピークの方が、西側に視界が利いた。
 車から離れて、2時間で脚力のある鉄人達に、導かれたとは言えあっけない登頂となった。幸いお天気にも恵まれ、高田氏以外は、宴会が大好き人間ばかりで、早めの宴会となる。未だ9時半であったのに!………私と高田氏繋がりの面々が、お互いの山歴や、憧れなどを思い思いに語り合った。終始和やかな宴も、手作りの標識を手に記念写真を撮り、往路と違う「とやま山紀行」に載っている大双嶺村跡に向かう事にした。

一気に大斜面を下る 深みに嵌まり腰まで沈む 周りを気にしながら!

 山頂から大双嶺村跡に向かって、二つの尾根が、発生しているが、東側の尾根に取付くのを間違えて、二つの尾根の谷間を進まざるを得なくなった。今にも崩れ落ちそうな斜面に深く切れ込んだ沢筋を、左右また、後を気にしながらの下降となった。「降雪の後はイヤだね!」「気温が上がるとイヤだね!」と言いながら、雪を踏み抜いて流れに足を浸けてしまった人もいたっけ! 
 
大双嶺川を行く 1 大双嶺川を行く 2 雪面を渡るに手助けを! 大双嶺川の左岸を行く

 雪の付き具合が不安定な沢を離れて杉林を通り抜けると、そこが「蛇越」に繋がる大双嶺村跡なのだろうか、私にはよくわからない。大双嶺川の右岸を、始めは雪の付いている所を選んで歩行し、後に平原のような所を歩いていたが、渡渉とは言わないまでも、その川を渡り林道のような左岸を行くと、やがて石碑のある千長原川との分岐に出る。
スキーのトレース沿を行く 黙々と千長原川沿の林道を歩く 振り返ってパチリ!

石垣が残り、以前はこのような雪の多い所にも、多くの人達が住んでいたのかと感心した。雪でわからないけれど、黒川の支流千長原川には、車が入る事が出来るのかも知れない。車デボ地点に着いたのが、未だ午後1時前で、コンロを出して、簡単な食事をしてから家路についた。



  ★★★コースタイム★★★
高岡6:00=小坂車デボ地点(7:05~35)=橋=林道7:45=杉林取付標高550㍍(8:30~37)=標高602㍍(8:48~56)=大双嶺山頂上(9:35~11:15)=大双嶺村跡?11:50=石碑のある分岐12:20=車デボ地点(12:45~13:40)=高岡15:00

  ★☆★同行者★☆★
       石澤、高田、中山、比佐恵