元  ち  ゃ  ん  の  山  紀  行
大 地 山 (1,167㍍)
<富山県 朝日町> 平成15年2月17日




 ずぶ寝れになった「森石山」から帰って、明日は天気が回復するという予報を信じて、1週間繰り上げて「山ノ神」が是非とも行ってみたいと言っていた「大地山」行きに変更した。

 スノーシェードの途中に、小川朝日ダムがあり、雪を積み上げて大きな駐車スペースを確保してあった。堰堤から小川の右岸に渡り、発電所への道は雪に覆われていたが、トンネルで、またカンジキを外さなければいけない事を考えて、時々深みに嵌まりながらも壷足で我慢をした。阿造谷橋を渡り、409㍍の相ノ又トンネルを抜けてからカンジキを装着した。

 「くろべ平」へは、雪に埋まった林道を辿ってもいいが、雪の付きさえ良ければ、発電所を背に、北方向に杉の斜面を直登すれば早い。
 「くろべ平」には、幾つかの廃屋があり、林道も延びて来ているし、対岸を見ながら一服するには丁度いい所だ。


小川朝日ダムの堰堤を渡り右岸へ 阿造谷橋を渡り相ノ又トンネルへ トンネルを抜けると右側に
発電所と通じる橋が見えて来る
くろべ平に向かって杉林に取付く

 尚も杉林を突っ切って、稜線を目指すが、雪質や視界などで苦労する時もある。また稜線の何処に出るかによって、メンバーによっては時間を要する事になる。621㍍の標高点に近寄れば、我「山ノ神」のように臆病な人は、アカマツの生えた斜面で、ニッチもサッチもいかなくなる。(下りは、それを避けて深みに嵌まりながら杉林を突破した。)

 それからは、杉林を離れてから、阿造谷の源流を左に見て、ブナの快適な尾根歩きとなる。危険?を脱して遅れを取り返すわけでなかったが、今度は「休まない!」などと、途中で勝手に何度も腰を降ろしてしまう「山ノ神」には閉口してしまった。700㍍付近では、お互い口も利かないようになってしまったのである。予想よりも天気の回復が遅れているのかパッとした空模様ではない。
 後方に負釣山が、黒部平野から見る穏やかさと違った山容を見せて来るが、小川の奥に位置する山々は、霞んだままである。

 標高800㍍付近から、尾根筋も右方向へ行くが、その付近が近年造成された夏道と合うのであろうか?(私は、その夏道とやらを知らない。)
 838㍍の標高点が何処になるのかわからないくらいに、なだらかな特徴のない所を歩くが、気持ちの良い所でもある。50㍍程少し急な尾根を登れば、また緩やかな広い所を行く。
 少しづつ高度を上げながら、広くファージーな尾根を行き、標高1000㍍手前で、大地山の頂きを眺めなら、おにぎりを食べる。あと170~80㍍登らなければいけないのだが、ここからが大地山の核心的なところで、アルペン情緒が漂うのである。


山頂を目指して① 山頂を目指して② 山頂を目指して③ 山頂を目指して④

 樹木も殆どなくなり、本来なら剱岳や毛勝の山々が、手前の山の奥に、浮かび上がって来るはずなのだが、一向にガスが晴れず、私の大好きな初雪山も頭を見せれくれない。 
 この登りを撮ろうが、初雪山や剱岳・毛勝の山々を撮ろうが、絵になる所である。初登頂時、親友の「はるちゃん」が音を上げた所でもあるが、「山ノ神」は、最後の力を振り絞って、広くて平らな山頂に辿り着いた。


最後まで初雪山は顔を見せなかった 大地山頂でツエルトを張る 大地山直下を下る 大地山を振り返る

 山頂は、 相変わらず風が吹き抜けて、ジャケットを纏わなければ、震え上がってしまいそうである。薄っすらと黒菱山や犬ヶ岳を望めるが、肝心の初雪山は未だ顔を見せてくれない。
 吹き曝しの広い雪原に、辛うじて顔を覗かせている木々に、ツエルトを縛り付けて風除けにし、初雪山の姿を待つ事にした。ガスが切れそうで、切れない様を見ながら、本来ならイライラするのであろうが、この大地山の山頂だけは特別な頂きで、山懐が深くて雄大な山域が、何故か私の心を和ませてくれるのである。
 その雰囲気に同調してた「山ノ神」も、ツエルトの中から顔を出し、相変わらずビールを嗜みながら、いつまでも初雪山方面から目を離さなかった。
 


 ■■■コースタイム■■■
高岡4:55=小川朝日ダム(6:20~45)=発電所(7:10~20)=くろべ平(7:48~8:00)=621mの稜線(9:00~10)=アカマツの斜面で停滞9:35=標高700m(10:00~10)=標高750m(10:20~25)=標高900m11:10=休憩・標高980m(11:30~45)=大地山頂上(12:40~14:20)=標高830m15:00=標高750m15:15=稜線を下る16:00=くろべ平16:20=発電所16:35=小川朝日ダム(17:10~20)=高岡19:25

■■ 同行者 ■■
        比佐恵