元  ち  ゃ  ん  の  山  紀  行
小佐波御前山 (754.2㍍)
<富山県  大沢野町、大山町>
平成16年11月15日



雨。ずーっと雨。何処か歩きたいが、なかなか行き先が決まらなかった。2時間ぐらいで、ぬかるみのあまりない所などと考えているうちに、小佐波御前山行きになった。展望レストラン前に着いたのが、午後0時とあまり芳しくない時刻である。始めから雨具の上下を着込んだ。私はカメラを持っているため、傘を差して歩き始めた。今回は直接猿倉山に登らず、巻道を歩く事にした。雨でなければ、落ち葉をサラッサラッと踏み締めながら、歩く事が出来るのに・ ゆっくり歩いたとは言え、御前山まで50分近く要してしまった。
御前山から、右へ右へと何時ものように15分程林道を歩く。“ ここから山頂まで1時間くらいかね!” などと何回も来ているのに、おおよそのタイムを思い出せない。気を抜けばやっぱり滑りやすい。“この辺でカモシカに遭ったんだね!”と、昨年の12月上旬の事を思い出す。そして、雪が深くトレースのない状態も考えながら歩く。雨が目に入るので、顔を隠すように歩いてしまう。今年の2月も山頂の祠を見逃してしまったので、GPSでそのポイントをしっかりと収めた。記念碑のある所には後3分である。
開通記念碑から1~2分の所に立派な小佐波御前山避難小屋がある。今冬ハレルヤでお世話になった所でもある。雨が降り続いていたし、食事をするのにお邪魔させてもらう事にした。入った途端に大降りの雨になり、助かった気持ちになった。一時的に強い雨だったようで、ラーメンを食べ終えた頃には、窓の外に青空が見え隠れするようになっていた。それにしても、立派な避難小屋で、皆で大事に使いたいものである。使用したお礼に、隙間から吹き込んだ落ち葉の清掃をして外に出た。気分がいい。
雨が上がったので、富山平野に向かってシャッターを切ったが、霞んでいて思うような画像とならない。被写体を私や「山ノ神」にかえても、いつもの顔で面白くない。でも明日より、今日の方が若いのだから、やっぱり撮っておこうか! 後は転ばないように、駆け降りるだけ! 「山ノ神」が「獅子ヶ鼻」を覗いてみようかと言う。いつも見ているから・・・と言うのだが連れて行かれる。何だか、ここは怖い!  後から押される不安が付いて回る。 まだローンが残っているから、気を付けなくてはいけない。◇◇◇
私は、晩秋特有の乾いた落ち葉の上を歩くのが好きである。しかし、今日は雨。仕方なしに濡れた落ち葉を踏む。でも、秋を感じる。一昨年の今頃は、深い雪の中を歩いていたのに、自然は同じ形で私達の前に現れない。そこが面白いところ。やがて、林道に出る。「雨のアスファルトの上を歩いて何が良いのか?」 声が聞こえそうである。何でもやってみなければ分からない。非日常の事から自然との出会いがあり、人生を変えるかもしれない・・・・・。
御前山から猿倉山に向かう。登る時は“クマがいるのではないか?”と心配顔であった「山ノ神」が、その心配も忘れてか一目散に駈けて行く。それを追うように黒い雲が流れていく。近年雑木が伐採された所から、立山連峰がうかがえた。てっぺんの見えぬ大日岳だけが、やけに明るい。剱も毛勝も見えない。猿倉山に向かうのに、再びコンクリートの道に出る。車から降りた二人の男性に軽い会釈を交わして追い越したが、煙草の臭いが私の鼻を突いた。ポイ捨てしなければいいのに・そして、再び雨になった。




  ★★★コースタイム★★★>
高岡10:50=展望レストラン前(12:00~20)=御前山(13:07~15)=林道終点13:30=小佐波御前山祠14:00=記念碑14:03=避難小屋(14:05~15:00)=林道終点15:38=御前山15:50=猿倉山(16:20~25)=展望レストラン前(16:30~35)=高岡17:50

   同行者
           比佐恵