元 ち ゃ ん の 山 紀 行

城山(千石) (757㍍)
富山県上市町
平成12年12月05日



 駐車場から杉林の中を擬似木の階段を10分程登ったところで、小さな橋の掛かった沢を渡る。花や実が成っていないとよく分からないが、タニウツギやクルミの木を横手に見ながら、大量の落ち葉に覆われている擬似木の階段を相変わらず登る。

 4本目の鉄塔が稜線の目印となり、いきなり大倉山が目に飛び込んで来る。 大倉山の右が土倉山、また鍋増谷を挟んで細蔵山が連なっている。それらの山々の上に、毛勝三山の頭が白く顔を覗かせている。頂上に足を向けながら、振り返り早月川の上流に目をやったが、剣岳上部は、厚いガスに覆われ、何時もの重鎮のような雄大さを見せてくれない。

 頂上から降りて来た中年の男性と「頂上からの展望は?」「頂上には、もう二人の方がおいでますよ!」の会話を、ひと言づつ交わしながら、お互いに空を見上げた。風が出て来て、雲が凄い勢いで流れ出している。雨が何時までもつやらと思いながら、先を急ぐのだが、家内の疲れの時間稼ぎか、今年1月、2月ルートの確認するのに時間を取られてしまった。

 頂上の二人組の下山開始と我々の頂上着と同時になり、片言の挨拶だけで別れになった。雨降る前の展望は、コット谷あたりから早乙女岳、大日岳は確認できるが、奥大日岳から剣岳、そして毛勝山に至る北方稜線の上部が、隠れて見えぬ寂しい光景だった。また、大辻山から来拝山あたりは見えたが、鍬崎山や薬師岳はやっぱり雲の中。

 簡単な食事をしつつ、恒例の記念写真を撮る頃から雨が降り出し、とうとう上下とも雨具を纏わなくてはいけないようになってしまった。長く頂上にいることもなく、下り始めたが、10分経たないうちに、今度は、雨が上がり、雨具を脱ぎたくなるほど熱くなってしまった。
 帰路は、時間もあるしと思い、来春の一つの候補である肉蔵山の下調べと思ったが、早乙女湖から3キロ遡った所で「通行止」の標識を見、引き返してしまった。


 ☆ コースタイム ☆

高岡9:20=登山口(10:30~40)=稜線11:05=千石(11:24~42)=登山口(12:15~30)=新湊経由=高岡14:40
  同行者      比佐恵