元  ち  ゃ  ん  の  山  歩 き
千石城山 (757㍍)
<富山県 上市町> 平成15年07月21日




 友人の結婚式のため帰省していた娘に、日頃から親らしい事を、何一つしてやっていないので、見送りぐらいはしてやりたくて、今日の山行は諦めていた。
 しかし、娘を午後4時半に、空港で見送ってからは、一目散に上市町の千石城山に向かった。「お山のてっぺん」に登れるのなら何処でも良かったが、夕方からの登山開始では限られた山しかなかった。

 富山市新保から広域農道を走り、意外な距離を感じたが、それでも登山口まで40分ぐらいで着いたであろうか? 千石城山の登山口付近が、前年より工事が続いる工事のため、駐車スペースがなくなっている事に気付かず、チョッピリ行き過ぎてから戻るというハプニングがあった。
長い擬似木の階段を登る。

 時刻は5時25分。この天気だから二人分の雨具と二台のカメラに三脚。水と少しの食料などを私が担ぎ、「山ノ神」を手ぶらにした。そして、いつもの体力・脚力を考え、6時頂上着を目標にスタートした。
 標高差は280mである。稜線までは180mそれから稜線上を100m登るのである。途中で一枚の写真を撮ったのと、落ちた夏ツバキの花を手に取って眺めた以外は、黙々と擬似木の階段を登りつめた。

 稜線のベンチで足を止めると汗が噴出した。ペットボトルの水を一口飲み、“この分だと30分で頂上まで行けるよ!” と励ましまた歩き始める。しかし、何も見えない。積雪・残雪の時と違い、樹木に視界を遮られるのであるが、今日はガスのため、大倉山も早月川も見えない。反対側の鍋冠山や大辻山なども全く見えないのである。
 他人に病気だと言われても、自分で病気だと思っていても、歩かなければいけないのである。“お山のてっぺん”に行きたいのである。
千石城山には三等三角点がある。
 何回もこの山に来ていても、アップダウンの数が頭に入っておらず、あれ、もう一つとなってしまう。
 いつもは、50分くらいのタイムを要するの「山ノ神」なのに、今日は、夕暮れで足が速く動いたのか、それとも空身だったからか分からないが、意外な底力に驚いた。

 黄昏の山頂は、いつもの雰囲気と違い、より静まりかえっているように思えた。
 ガスの中から剱岳は、がんとして姿を現さず、下に目を移すと早月川だけが幻想的な流れをかもし出していた。富山湾方面は樹木の間から、確認出来るが、その他の山々は、時折ほんの一部を現すが、どの山などと確認出来るほどではなかった。
 もう少し、もう少しと言いながら、予定滞在時間を大幅に越えての下山となる。山頂をピストンするだけだと言っていても、やはり山頂からの展望を楽しみにしている事に間違いない。


午後6時を回った千石城山頂上。 剱岳はガスの中。そして早月川。 下山中、鉄塔の合間からの夕日。




 ■■■ コースタイム ■■■
登山口(17:05~25)=稜線(17:40~45)=千石城山頂上(17:55~18:25)=登山口(18:50~19:00)=高岡19:55

 ■■ 同行者 ■■
         比佐恵