元 ち ゃ ん の 山 紀 行

高 峰 山 (957.7㍍)
富山県 上市町
平成12年11月20日



 降水確率午前60%午後80%の予報の中、雨の落ちぬ間に登ってしまおうと高峰山に向かった。
 「何処かのピークに!」「もしかしたら、剱岳が見える。」「鍋冠山も」の思いに高峰山を選んだ。
 立山公園線を芦峅寺の雄山神社手前で左折し、国立少年の家を目標に進み、その手前から大辻林道に入る。大辻山の登山口でもある長尾峠を越え、今日の目的地である高峰山の登山口の鳥越峠に着く。
 峠から、20~30㍍上市側に寄った、広場のような所から眺める剣岳、毛勝の山々が凄い!
 時々だが、剣岳を撮りに来るカメラマンを見掛ける場所でもある。
 整備されていた登山口からの階段は、今は何故か崩壊しつつ、まるで痩せ尾根のようである。その階段を幾つか登ると、大辻山末端の尾根の上に剣岳が浮かび上がって来る。登れば登るほど後ろには大辻山が円錐形の山容を大きく見せてくれる。鍬崎山が雪化粧して現れた。
 今日も落ち葉を踏みながら、小さなアップダウンを繰り返し、やがてなだらかになるところが、樹木にも邪魔されず毛勝の山々や剣岳、大日岳その奥に立山の一角が見渡せる絶好の場所だ。そこから一登りすれば、文字が消えかかった標識と三角点のある広い頂きである。
高峰山頂上から
 高峰山からの展望は、何と言っても、雪で覆われて樹木が隠れその上の立つ時がいい。

 まずまずの視界だが、天候の崩れを想定し、山頂滞在を早々に切り上げ、もう一つの目的である「鍋冠山」登頂に向かった。快適な落ち葉の上の歩行を続け、遭難碑あたりから、標高900㍍のピークを目指す積もりだったが、道らしいものがない。いろいろ模索しながら、結局骨原側の登山口まで出たが、そこへ行くまでも、それらしいものがない。

 「とやま山歩き」によると高峰山のついでに、一寸立ち寄れるふうに記述してあるのだが、とてもそうとは思えない。過去にも軽い気持ちで「ついで」に何度か足を運んだ事があるのだが、杉の木が伸び草薮が行く手を塞ぎ志気をダウンさせ、退却を強いられた苦い経験がある。
 今度こそはと、25000分のⅠの地形図を睨みながらの登行だったが、藪の中に進む気になれず、雪の時にと課題を残した。(「越中の百山」にも、藪の中の登行と記してあった。)高峰山から鳥越峠へと、また来た道を戻るにつけ、「何度こんな事を繰り返すの!」と小さな声に、「何度も歩けるって幸せなのに!」と呟き、車中の喧嘩の前哨戦となった。


     
         ☆コースタイム☆

  高岡6:50=鳥越峠(8:40~55)=高峰山頂上(9:23~35)=遭難碑9:35=
 骨原側の高峰山登山口10:15==《鍋冠山ルートを模索》==
 高峰山頂上への分岐11:03=鳥越峠(11:25~40)=高岡13:15

   同行者  比佐恵