元   さ   ん   の   山   紀   行
高落場山 (1,122m)
<富山県南砺市(旧城端町・平村> 平成29年03月07日





地吹雪が酷く、山頂で穴を掘り、しばらくの間避難しました。





五箇山トンネル手前の駐車場。 除雪ステーション横から取り付く。


唐木峠に到着。意外と穏やかだった。


杉林を右に見ながら・・・ こんな所もありました。


順調に登ってきました。 トレースがなくなりました。


杉林を抜ければ明るくなったと思ったのですが・・・


急登箇所では、雪が固く登り難かったかも・・ このブナ林は、とても好きなところなのです。


ブナ林は、樹氷で静かな佇まいのハズだったのですが・・・


次第に風が強くなっていきました。 視界も悪くなっていきました。


しばらく、このシェルターで待機。 立ち止まっています。




行く手を阻む地吹雪に困惑。




ブナ林を抜ければ何とか・・ 登山口に戻ればこんなもの。






  元さんの戯言・呟きから

3/7 一日中雪予報のハズなのに、薄日が零れる陽気?のようだったが、やっぱり細かく雪が降り出した。高落場山なら規定の時間内でも大丈夫と踏んだからであったが、昨日の利賀と同じで五箇山トンネルに来ると、例年より少ないかもしれないが、それなりの雪量である。

 結構締まった雪に、昨夜来の降雪で、トレースの上に10cmくらいの新雪となっていた。そのトレースの上を歩いたり、それを外したりしながらの歩きは、それなりに楽しいものである。杉林から抜ける所から、それが、時間的にそうなったのか分からないが、次第に風が出て来て、雪をも伴うようになったのである。

 そうなれば、当然の事のように、視界が閉ざされると共に、顔や頭に寒さを覚えるようになる。それが、ずっとでもないから、途中途中に、足を止め、神秘的な原風景と対峙する事になる。カメラを向けるが、なかなか思うようにならず、悔しさを滲ませながら、フードを握りしめなくてはならない。

 取りあえず、山頂を目指すのであるが、今日は、決められた時間内の行動だけに、早く山頂に達すれば、それだけ休む時間があると、「山ノ神」を急かせたのであるが、山頂は、更に猛吹雪であった。どうしようかと思うほどであったが、私は山頂に拘って穴を掘る事にした。その間、「山ノ神」を杉林に身を隠す事を勧めた。

 身の丈程の穴を掘って、タープを張るのであるが、それこそ、油断すると、何もかもを持っていかれそうになるだけに、それはそれは大変な作業になった。ようやく張り終わっても、その補修に身体が完全に冷え切ってしまったのであるが、その中に入れば、それなりに快復するものである。

 雪山でのシャベルは必須である。ツエルトの順位より上であろう。ゴーゴーという風の音に、「山ノ神」は、「すぐに降りる方が良いのでは・・」 とか、「帰れなくなるのでは・・」 とか不安がいっぱいのようであったが、「まあ~、腹ごしらえをしてから・・」 「そんなに慌てることはないよ!」 などと、私は、盛んに大丈夫言い続けた。

 身体が温まれば、気分が落ち着く事もあり、いろいろな条件下での話となった。有事は経験をも蔑ろにするが、それでも幾多の経験は、それなりの秘策を生むものである。そして、肌の露出を出来るだけ少なくして(特に顔・首など)、外に出た。

 雪山でも普段なら何でもないのに、やはり降りは戸惑う事が生じる。GPSの液晶に雪が積もり分かり難い。そして、3度も電源が切れた。もちろん、トレースなど全くない。支尾根が同じように見える時は厄介である。僅かな時間で小さな雪庇も出来ている。でも、行き慣れた山だけに、じっくり構えればどうという事はない。杉林に戻れば、あれは何だったのかと思う程になるのだから自然は怖いし面白い。





■■■ コースタイム ■■■
     五箇山トンネル9:00=唐木峠9:45=高落場山頂上(11:35~13:10)=唐木14:05=五箇山トンネル14:35

■□■ 同行者 ■□■
         比佐恵