元  さ  ん  の  山  紀  行
土倉山 (1,384㍍)
<富山県上市町・魚津市> 平成17年03月20日





土倉山頂上から剱岳を仰ぐ 土倉山頂上での宴




 高岡組5名と掘シェフが上市役場で待ち合せ、美絵子女史の待つ伊折橋へ急いだ。一週間前の細蔵山(木ノ根山)を目指した時の降雪の状況と違い良いお天気に恵まれた出発となった。
 少々沈むものの壷足で林道をワイワイ「山の話」しながら歩いたが、30分程の地点で大きな雪塊が崩れ落ち、林道を寸断しているかに思ったが、上を見ながらサーッと通り過ぎた。
  


伊折橋詰に駐車 50分くらい林道を行く デブリを乗越えて

   足を濡らす事無く沢を渡り、土倉山に真っ直ぐ延びている尾根に、何処から取付こうかと思案したが、カンジキを履いて、林道がカーブする手前から、杉が生茂る尾根に飛び込んだ。(標高500m超)
 取付きは、かなり急登だと覚悟を決めていたが、時折、ズブーっと雪に嵌る事の方が身体には堪え、20分もしないうちに、先頭を代わってもらった。


いきなり杉林の急登 雪の着いた尾根を行く アイゼンを履いて

   取付きから1時間程すると、「赤谷ノ頭」が大きく目の前に現れ、今度は大日岳がきれいな山容を見せてくれる。剱岳はほんの少し頭を見せるだけであるが、高度を上げる度に、その山容は迫力あるものになっていった。「ウォー、ウォー」と何度も足を止めて、カメラを構えるかに思えたが、何故か皆カメラを持参しなかったようである。 あ~、もったいない!

赤谷ノ頭が真正面に きれいな山容の大日岳 剣岳も頭をもたげて来た

 単独行の青年・金沢の小豆沢君が登って来た。小豆沢君は、以前に同僚と、この土倉山に登ったらしいが、視界不良で登頂を果たせなかったようである。今日はリベンジらしいが、何故か稜線までは、我ハレルヤのグループに吸収されてしまった。その小豆沢君を「豆ちゃん」などと御夫人方が可愛がっていたが、彼もまんざらでもなかったようであった。

金沢の単独行小豆沢君と出会う 快適に広い尾根を行く① 快適に広い尾根を行く②

 稜線に出た頃は、青空こそ引っ込んでしまったが、視界の広がり歓声を上げ、「頂上は何処?」と言わんばかりに、一目散に駆け上がった。大倉山よりも近くで見れる剱岳は、白と黒が際立ち、何故か神秘的に感じたのは私だけであったろうか?
 「元ちゃん」「山ノ神」と声を掛けてくれた女性がいた。
 「山順です。」と名乗られた。時々山へのアドバイスを頂く方で、どんな方なのだろうと想像していただけに、偶然とはいえ、とてもハッピーだった。その山順さんご一行は、宴会準備に慌ただしい我々を尻目に、大倉山へと先を急がれるようであった。


もう少しで稜線に① もう少しで稜線に② 山頂で「山順さん」にお会い出来た

 土倉山の広い山頂で、剱岳や毛勝の山々を眺めながらの宴も良いのだが、風が出ると、やっぱりどうしようもない。堀シェフの特性スパゲティを持って、風当たりの少ないシェルターに逃げ込んだ。デザート・コーヒーを嗜んだ後、やっぱり大倉山へ行く事になった時は、もう2時間以上経過していた。

風を避けての宴会の続き 堀シェフの料理 土倉山から大倉山に出発!




3/20 「山ノ神」の友人を含めて総勢7名の土倉山行きになった。誰も土倉山の経験はなかったが、前週「細蔵山行」の折、しっかりルートを頭の中に叩き込んでいたから、取付きさえ問題なければ、後は、一本の尾根を登ればいいのである。大倉山からの稜線に出なくとも、赤谷ノ頭・大熊山・大日岳そして剱岳を眺めながらの快適なルートであった。金沢からやって来た単独行の小豆沢青年とも、山頂まで一緒する事になり、「山の話」を楽しんだ。稜線に飛び出したら、一気に視界が広がり、素晴らしい剱岳や毛勝の山々が目に飛び込んで来た。そこから土倉山頂上までは、5~10分ほどである。広い山頂の展望は素晴らしいのであるが、美味しいご馳走も風当たりには耐え切れず、フードを作った別場所に移動する事になった。山頂では時々メールを頂く「山順さん」から声を掛けられて嬉しい思いをした。その山順さんご一行が、大倉山に足を延ばされた2時間後、予定を変更して我々もそのトレースを追った。小さな雪庇が連続する稜線漫歩は、剱岳・毛勝の山々をイヤと言うほど眺めさせてくれる。、しかし、この先の行程に、美味しい料理を担ぎ上げてくれた堀シェフの体調が悪く、小さな登りでも完全に息を切らすくらいであった事と、土倉山への登りで私がカシミール地図を紛失してしまった事が、チョッピリ不安であった。これまた広い大倉山頂で、最後の大展望を楽しんだ後、本来の大倉山ルートとかけ離れた、先行した山順さん一行のトレースを辿る事にしたのである。山頂で初めてのルートを行く事を小耳に入れてはいたのであるが、なかなか大変なルートであった。幾つものアップダウンを乗越え、雑木の間を掻き分け、林道に出るのに、崖を降りなくてはいけなくなってしまったのである。その地点で真下に見える伊折橋まで標高差200m、時刻も午後5時に迫っていた。先のグループは自分達の思いと違った方向に林道を進んで行ったが、反対方向の林道を進めば、暗くなってデブリを渡らなくてはならないような気がし、地形を総合的に判断して、一気にその斜面を駆け降りる事にした。それが奏効し15分で車の待機場所に辿り着く事が出来た。チラチラした小雪が、車に戻った頃から小雨に変わり、国道8号線に出た頃にはどしゃ降りになり、今日一日の縮図のような気がした。





 ☆☆☆コースタイム★★★

高岡4:40=上市5:25=伊折橋詰(5:50~6:15)=尾根取付き(7:05~10)=568m7:35=632m(7:50~8:10)=1100m(9:40~50)=1375m稜線10:45=土倉山頂上(10:50~13:05)=大倉山頂上(14:20~25)=1043m(15:15~20)=956m(15:50~16:05)=629mのガケ16:25=594mの林道(16:40~17:00)=伊折橋詰(17:15~30)=高岡19:00

   ■■■同行者■■■
          小竹夫妻・細川女史・美絵子女史・堀シェフ・「山ノ神」