元ちゃんの山紀行




  • 牛岳(987メートル)報告 H.11.11.29

     天気予報どおり朝起きてもずーっと雨。
     何処の山へ行くとの約束があったわけでもないのだが、日程だけはなんとなく決まっていた今回の山行。
     8時半に我家に集合で,牛岳行となったのだが、あまりの雨で少し時間を置くことにした。
     結果的に9時45分出発。国道156号線砺波までは、一向に止まない雨。
     砺波から庄川町に入る頃は、雨も小降りになり、小牧のダムサイトから、林道に入る頃は、雨も止み、予想もしない紅葉が残っていた!!
     これがまた応えられないほどの綺麗さ!遠くにはイオックスアローザのゲレンデが真っ白だ。
     もしかしたら、我牛岳にもかなりの雪があるのではないかとの期待と不安がいりかう。
     10時半何時もの登山口に車を止める。

     「雨が降るかな!」「天気が回復するよ!」「露でズボンが濡れるかも!」などの会話を残し、15分後に出発する。10分もしない内に雨が降り出す。と言っているまもなく雪が混じる。
     五合目を過ぎる頃から、本格的に雪となる。昨夜からなのだろうか、それとも今度の寒気が入った時からなのだろうか、一面雪になった。
    月初めに踏みしめたあのブナ、ナラの落ち葉はもう見えない。勝手に「牛岳の核心部」と言っている私の大好きな六合目までの登りでは、薄っすらと汗が滲んできた。 (積雪15~20センチ。)

     雨具を着る者、傘をさす者、帽子を取り出す者、三者三様の姿で、牛岳の西面をトラバースするような感じの水平道を行く。気持ちのよい新雪である。七合目あたりから雪の重みで木々が道を覆うようになった。

    その木をストックで叩いてやると勢いよく跳ね返る。
    壷足ながらもキュッキュッと踏みしめる快い感触は、昨シーズンのカンジキを履いて登った数々の山が脳裏に浮かんだ。

     いつしか、小雪も小降りとなって、周囲の木々が、雪の花を付けているような、樹氷に歓声を揚げてしまった。幾つもの小沢を渡り、一寸滑りやすい斜面も難なく過ぎ、只、前方の雪の重みに垂れ下がった木々やその枝を、払いのけ進むのみ。

     この雪に覆い被さられているその枝に芽が出、来春への息吹が感じられた。(積雪40センチ)
    九合目の三角点との分岐に出た時は、もう完全に冬の山になった。
    「もう一息。」「2時間のタイムは、切ろうよ。」と牛岳権現がある頂上に駆け上がった。

    展望は、良くはないが、何時もの通り記念写真となる。角度を変えて2枚の写真を撮った後、直下のあずまやで、食事をと考えたのだが、風通しが良く寒気を感じたので、同じなら頂上でとなる。
    心持たないガスコンロもあったが、ラーメンを作りつつ、何時ものように冷たいビールと暖かいお酒で「乾杯!!」「11月末、雪の牛岳に乾杯!!」「明日11月30日、春夫君の誕生日に乾杯!!」歓喜を揚げている内に雪でリックが、真っ白になり、吐く息も真っ白となる。手先が冷たくなる。
    今春の戸田峰頂上以来の寒さ、冷たさを感じた。

     あっと言う間の1時間15分。改めて雨具を着、手袋を替え頂上を後にした。
     次ぎの山行の話をしながら、快適に下る。途中なんと雲の合間から青空が、庄川をはじめ砺波平野が姿をあらわした。そして、麓の紅葉が見事に浮かび上がっても見えた。
     高度を下げたからか、少しは気温が上がったからか、溶け出した雪と濡れた落ち葉で、六合目から5合目までは、"滑って転んで"のスリリングな下り坂。
     一寸の青空も消え小雪も何時の間にか雨に変わっていた。濡れた雨具や荷物をトランクに入れ、雨の車中の人となった。



    《参加者》春ちゃん、ひさえちゃん、元ちゃん

    《コースタイム》
    高岡9:45→登山口(10:30~45)→牛岳頂上(12:40~13:55)→登山口(15:15~30)→高岡16:30

    《あとがき》
    今回の牛岳山行は、今年9回目。
    同じコースの上りの最短タイムは54分。
    何ヶ月続くか、毎月登頂を試みてみる。(現在平成11年9月から)
    平成11年11月29日(月) (仮称)初雪山を愛する会