元  さ  ん  の  山  紀  行
薬師岳 (2,926m)
<富山県富山市(大山町)>
平成21年06月29日





















































「コラム 6/29(山つれづれ・・・)より」

6/29 薬師岳の上部は風が強かった。体感温度だけでなく、実際気温も低かった。薬師岳山荘前に戻ってから、食事になったが、時折、コンロの火が消えたり、料理自体が吹き飛ばされたりした。それでも、薬師峠キャンプ場手前まで雨はもった。その内、良かった視界も次第に雨の中に霞んでいった。

 しっかり雨具を纏って、太郎平小屋から15分程、高度で100m位降りたところであったろうか、不覚にも木枠に足を乗せた途端、スリップし大きな事故を起こしてしまった。転倒した瞬間は痛くも何となかった。しかし、軍手をしていた左手の形が可笑しかった。薬指が波打って反り返っていた。恐ろしくて軍手を外せなかった。ようやく軍手を外したら、関節の内側が切れていた。指の中身が見えるようなおかしな色をしていると思ったら、血がポタリポタリと落ちてくるではないか・・・

 変形した指と切り口に、皆が顔を背ける程であったが、持ち合わせた小道具と、疑心暗鬼ではあるが、ありったけの知恵を出して、応急処置をしてくれた。脱臼だと思ったが、どうしようもなく、唯、登山口に向かって降りるだけであった。

 登山口の折立に着いたのが午後6時半。濡れた雨具を脱ぎ、ザックを詰め込んで宮ちゃんの車に乗り込む。亀谷ゲートで、心配してくれた皆の顔を思い浮かべながら、ほぼ片手運転で高岡に向かった。あまりにも凄い汚れだけに、簡単にシャワーだけをして急患医療センターに電話した。

 診療科目が外科・内科・小児科だっただけに、症状を告げ、診てもらえないなら、何処か紹介して欲しいの意味合いで電話したのであるが、外科の先生が診てくれるという。レントゲンを撮り、脱臼だから痛いのを我慢してくれるのなら、引っ張って見ましょうとの事、3回ほど痛いのを我慢して処置をしてもらい、もう一度レントゲンを撮ってみると、何の変化もなしで、痛かっただけ・・・

 その段階になって、「今日の整形外科の当番は済生会病院」 との事、手術になると思うし、ケガから6時間がタイムリミットなどと、自分としては、分からないまま次の病院に行く事となった。済生会病院に行くと、救急の患者にその家族。そして、また救急車が来る。

 大分待たされたが、紹介状があったからか、スムーズに診てもらえた。痛い事が全く感じないような麻酔を打たれ手術となったが、幸いにも骨・神経には問題がないようだとの主治医。当然縫合手術もついて回る。家に戻ったら午後11時半になっていた。それからの食事は、飲まないとなると食欲も衰えていた。

 手術をしたので、また、出血があるとの事で、大袈裟過ぎるほどの包帯でのグルグル巻き。そして、一ヶ月ぐらいは固定したまま状態になると告げられた。





 ■■■コースタイム■■■
 高岡4:40=有峰林道亀谷料金所(5:45~6:00)=折立(6:30~50)=三角点(8:05~10)=太郞平小屋(10:05~20)=薬師峠10:40=薬師平11:20=薬師岳山荘(12:05~15)=薬師岳頂上(13:00~20)=薬師岳山荘(13:45~14:30)=薬師峠(13:15~25)=太郞平小屋(15:45~50)=事故現場(16:00~~)=三角点(17:25~30)=折立(18:30~40)=料金所=高岡

■■■同行者■■■
         北ちゃん・橋ちゃん・宮ちゃん・山ノ神