No.11 (H.18.11.28)



     「飲まなくてもいいから、持って行きたい。あると安心する。
     お守りのようなもの・・」

     これが、点滴に込められた「山ノ神」の弁。
     金襴症状があるわけでもないし、私は未だに理解出来ない。

     それがである、1本が2本に、2本が3本になっているのである。
     担ぐのが私であるから、大いに怒る。

     しかし、「山ノ神」も強かで、食材の中に隠し入れたり、
     時には、保冷剤と称して忍び入れるのである。

     それどころか、重いものを私に担がせ、そーっと、あの点滴だけを、
     上手い具合に、自分のリックに隠し持っている事もある。

     お姫様山行と称して、荷を担がないスタイルは、その点からしても、
     「山ノ神」にしてみれば、痛し痒しのようである。

     また、グループ山行の時は、それなりの場を持てるようであるが、
     私と二人の時などは、「早く出発するぞ!」 などと追い立てられ、
     あまり面白くないようでもある。