No.398 (H.23.03.20)  てっぺんに登ったからには・・・    


                           

      雪穴を掘り終えた後、砺波から来られたという
      M夫妻と、ちょっと山談義。

      その間、その雪穴で「山ノ神」は、点滴を打ち続けていた。
      最も、掘り終えるまでの20~30分程、何する事もなく
      つまらなかったに違いないから、その反動とも言えなくもない。

      「頂上まで行くかね?」 と問うと、
      「私飲んだからダメ。」 との、いとも簡単な返事。
      「あんただけ・・・」 を、言いたかったらしい。

      三角点に立てば、牛岳権現がある頂上に、
      そんなに拘る事はないのであるが、
      歩く距離が短くなったのである。

      コーヒーを沸かしながら、
      「今日は、トレーニング、または、修行の気持ちで
      やって来たのであるから、こっそり、点滴を持って来るのは
      不謹慎ではないか・・」と戒めたつもりであったが、
      「私が担いで来たのだから・・・」 と悪びれた様子もなく、
      それなら言わなければ良かったと思った。

      車に戻ったら雨になったのであるが、
      「私も被災地の事を心配している。」
      「東京の娘達も心配。」
      点滴が切れたのであろうか、「山ノ神」は、
      普通の人になっていた。