元  ち  ゃ  ん  の  山  紀  行
八乙女山 (756㍍)
<富山県井波町、利賀村>平成13年01月29日



 登山靴の修理、腰痛などが重なり、二回の休日を棒に振った。しかしながら、お天気も今ひとつで、私の心を納得させていた。
 今日の休日も朝起きたら、雨模様で、8時前から雪になった。靴が未だ戻って来ず、家内も所要で出掛け、母の事で一寸出にくく、今日の山行を半ば諦めていた。が、しかし9時前から青空が広がってくるではないか。こうなると、もう病気で、リックに必要な物を入れてすぐ車に乗ってしまった。
 でもでもである。最近は、車の調子が頗る悪く、エンジンも一度でかからない上、信号などで停止するとガタガタと振動が酷く、また走行中は、アラームランプが付きっ放しである。おまけに加速が付かない。八乙女山麓の閑乗寺スキー場に向かうのに、156号線を走りながら、私の"カーアドバイザー"のM氏に、電話で車の症状を告げると、プラグまたはケーブルの故障で、山道は遠慮せよとの事だったが、「何かあったら迎えに来てよ。」のお願いで決行した。

 庄川町から閑乗寺の林道に入ると、昨夜からの雪が結構積もっており、工事個所では、シャベルカーで除雪が行われていた。待機している私の車を通してくれたのだが、四駆らしい車両が、通ったらしくそのワダチだけが残っていた。そのワダチに沿って車を走らせたが、積雪が多くなるに連れて、車のお腹が支えて進まなくなる。アラームランプが点いたり消えたりで気持ちは良くない。チェーンの装着も考えたのだが、雪の山道だけは、慣れと言うか数多くの経験があり、ランプが消えるのを待って、また加速をして前に突っ込むやり方で、スキー場横に着いたが、駐車するために除雪するのが一苦労だった。
 今日は、登山靴がなく、長靴に厚手の靴下、ロングスパッツ、オーバーズボン、カンジキの出で立ちで出発となる。長靴を好む人もいるが、路面の凹凸が、直接足に感じて、私はあまり好きではない。でも、今日は仕方がないのである。スキー場の上部まで、除雪した道を歩き、その先は、トレースのない林道に、カンジキを装着して歩く事になる。(積雪70㌢)

 4年前の1月に、地形図をみながら、何やら作業道らしき形跡を、家内と共に辿った事があり、杉林の小枝から落ちる雪が、首筋に入って難儀した事を覚えている。今回は、靴もない、時間もない、病み上がりである事を考慮して、林道歩きにした。20分も歩くと、厚着のため汗ビッショリになった。鉄塔が見えてくるようになると積雪も120㌢になった。左前方から来る林道と合流して、右へスイッチバックする。わかっておれば、ショートカットして、直接登っていたのにと、思わずにはいられない。
 やがて、杉林が途切れて、砺波平野が見えて来る。何時も見慣れていると言うものの、今朝の降雪による白さは、日差しを受けて、より鮮明にさせている。標高も400㍍たが、2週間前の松ヶ窪行きの、深雪と違い膝あたりまでしか沈まず、快適に登行出来た。左へカーブするミラーの附近から、八乙女山頂附近の反射板が見えてきた。
 この時点で12時22分となり、約束の帰宅時刻を考えると、何処で引き返すかの判断になってきた。右下の谷に、二段になった滝を見て今度は、右に大きくカーブする直前の2ヶ所に、デブリが発生しており恐々と渡った。渡ってから、その上部に何ヶ所かの亀裂を発見し、帰りの事を考えると心配になり、潔く撤退する事にした。
 デブリをもう一度渡ってから、おおよそ雪崩の危険のない所で、腰を下ろし、コンビニで買った菓子パンを頬張った。2週間ぶりの雪の中で戯れた。誰もいない林道の雪の上で、ホ~ット至福の一時を過ごす事が出来た。後は、その余韻をルンルン気分で閑乗寺まで下った。今回は、山頂に立てなかったけれど、何の悔しさも感じなかった。帰路は、井波町側に下りたが、路面が綺麗に見えるくらいに除雪がしてあった。



   ◇◇コースタイム◇◇

高岡9:30=閑乗寺着.除雪(10:50~11:00=).準備.出発(11:0~20)=カンジキ装着11:25=鉄塔が見えてくる11:45=砺波平野が見えてくる12:15=反射板が見える12:22=退却.休憩(12:50~13:15)=車14:10

         ★単独行★