元   さ   ん   の   山  紀  行
雨 飾 山 (1,963.2㍍)
<新潟県糸魚川市、長野県小谷村>
 平成16年07月06日




 前日の「白山」は、またしても雨に祟られたが、下界は雨が降らず猛暑のようであった。お天気の急回復で、暑さを覚悟で今日は雨飾山小谷ルートを登る事にした。
 雨飾山は9度目になるが、未だ夏に登った事がなく、小谷ルートが初めての「山ノ神」と共に、下道で小谷村に向かった。昨夜も遅くまで起きていた関係上、親不知手前のスノーシェードの中で、眠気を感じ困ってしまったが、「山ノ神」はそんな事も知らずの夢心地であった。

 小谷温泉から鎌池・湯峠方面に車を走らせ、途中右折して雨飾山登山口・休憩舎のある大駐車場に着く。さすがに7月上旬の火曜日であるからか3~4台の車が駐車しているだけだった。


登山口・休舎が出発点 草木Gが煩い木道を行く 「2/11」 急登が始まる

 自販機やトイレなどがある休憩舎が、ゲート代わりになり100~200m程下って行く。やがて木道となるが、草木が生えていて少し煩い。5月中旬の頃は、その草木もまだ伸びておらず、ミズバショウが見られるのであるが・・・・・。

 15分も歩くと「荒菅沢へ60分。雨飾山へ150分。登山口へ30分。小谷温泉へ90分。」そして、「2/11 800m」の標識があり、ベンチもあった。始めはわからなかったが、800mは登山口からの距離の目安ようであった。

 急な階段を登って行く。5分もすると左の沢の流れが聞こえて気持ちがいい。暑い日差しを大きなブナの木が陰を作り身体を癒してくれるが、紅葉時にはさぞかし素晴らしいであろうと思った。少し緩やかになると、可愛いブナの実が落ちていた。何時の間にか、階段が木の根がはびこる急登に変わり「3/11」に 着く。
 上信越国立公園の看板がある所から、緩やかな登りと変わって行き「ブナ平 4/11 1600m」に着く。  この地点は、荒菅沢へ60分、雨飾山へ120分。登山口へ60分、小谷温泉へ120分の所である。


木の根の急登 荒菅沢の雪渓を渡る 雪渓が崩壊!

 右に回り込むような感じで登って行き、涸れた沢を渡り5分ほど、水平に近いなだらかな道を3~4分、そして、荒菅沢の大きな水の音に向かって下って行く。途中に「6/11 2400m」がある。
 荒菅沢は大きな雪渓となっていたが、所々切れていて、うかつには渡れなかった。覗いたり突っついたりして、遠巻きしながら渡り、フトンビシと言われる荒菅沢上部の岩峰を眺めながら、一服となる。


ガレ場を行く 梯子やロープがあり登り易くしてある

 荒菅沢から急登が続く。12~3分登ると「7/11 2800m」をあるが、もう少し頑張り、標高1660mで水分補給となる。その先10分程登ると「8/11」になり、金山や焼山が見え来る。
 尚も進むと樹木が低くなり、益々展望が広がって来る。ガレ場が続くが、そう難しくはなく、「暑い!暑い!」と言いながら稜線を楽しみながら歩き続ける。「9/11 3600m」を過ぎ1894mピーク付近で、金山・鋸岳へのルートを分け、笹の中の快適な道を笹平と雨飾山頂に向け、やがて梶山へとの分岐に出る。


焼山をバックに 笹平・頂上が近付いて来た 梶山新湯との分岐で

 お花を見ながら「10/11 4000m 笹平」を歩く。この時間になると上昇気流の関係か駒ヶ岳・鬼ヶ面山・鋸岳のほんの頭しか見えない。しかし雲海の中の山並 みもまたいいものである。山頂から我々の所を見下ろしている方があったが、それに関係なく、直下で休憩とした。

鬼ヶ面山・鋸山方面 荒菅沢を見下ろす 頂上までの岩場で

 荒菅沢の落ち込みを下に見ながら、岩場の最後の急登である。双耳峰直下に「11/11 4400m」の標識を見ながら、まず風化した五体の石仏がある北峰に立った。
 そして、南峰(頂上)に足を運んだが、その時頂上から下ろうとしている方を見て、思わず声を掛けた。
 「間違ったら、ゴメン!能登さんですか?」「毛勝山や剱岳でお会いした黒部の能登さんですか?」と尋ねた。
 「あ~っ、本間さん。」
 「山ノ神」は、仕事上で人の名をなかなか覚えられないのに、よくも、まあ~。覚えられていたね!」と一言。
 能登さんは、「こんな事があるもんなのですね!二度あることが三度も!」


山頂で焼山バックに記念撮影 飛び入りの高田さんも交えて 焼山・火打山を望む


 能登さんにもう一度腰を降ろしてもらって、話し込んでしまった。剱岳頂上でお会いした時は、私より年上で速くて元気な人もあるものだなと思っていたのだが、毛勝山頂上でお会いした時は、感激してお名前を尋ねてしまったが、その下り方を拝見し、“ ただ者” ではないと思っていた。
 今日も梶山から2時間で登って来られたようで、チョット物足りないなどと、喘ぎ喘ぎ登って来た我々は、タイムなど言う気にもなれなかった。  下られる姿を見送ったが、あれでは、梶山新湯まで1時間ぐらいで行ってしまうのではないかと思う程の速さであった。

 超人は超人として、我々は頂でゆっくりするつもりであったが、小さな虫が多く飛び交い煩くてしょうがなかった。午前中は良く見えたであろう北アの峰々も、湧き出す雲に今にも隠れそうであった。
 梶山ルートより小谷ルートの方が易しいと思って臨んだ「山ノ神」であったが、必ずしもそうではなかったようであり、もう雨飾山へは来たくないのではと問うてみたが、まだ欲があるらしく、秋に来てみたいと言っているのだが・・・・・。 昨日は、白山「白水湖」の露天風呂、今日は小谷温泉の露天風呂で汗を流したが、本当に疲れが何処かへ飛んで行ったようであった。





 ■■■ コースタイム ■■■
高岡4:05=登山口駐車場(7:05~30)=登山口(2/11)7:45=荒菅沢(9:10~30)= 分岐(峠)11:15=雨飾山頂上(11:45~13:00)=分岐(峠)13:20=荒菅沢(14:30~35)=登山口(2/11)(15:45~55)=登山口駐車場(16:10~20)=露天風呂(16:25~50)=高岡20:05

 ■■ 同行者 ■■
         比佐恵