元   さ   ん   の   山   紀    行
荒 沢 岳 (1,968.7m)
< 新潟県 >    平成21年09月21日




奥只見湖をバックに荒沢岳山頂にて・・・





荒沢岳概況図


銀山平が登山口 徒歩5~10分で登山口へ・・ 急登からの始まり・・・


荒沢岳山頂周辺が見えて来る 奥只見湖が見えて来る 前山からの越後駒ヶ岳


「山ノ神」 が立ち止まった 岩場が始まる標識を見て・・・ 鎖・梯子の始まり・・






荒沢岳への稜線が現れる 奥只見湖


1400mのピークに出て、「山ノ神」 が唖然とする


行く手の岩峰をみて・・・  「山ノ神」 登頂断念






暫し「山ノ神」 とお別れである。 (1400mのピークの 「山ノ神」)


前 嵓 前嵓からは快適な稜線歩き ちょっと一服・・・


前嵓方面を振り返る 紅葉が始まっていた 岩を巻いて山頂へ・・・


もう一息・・・ 最後にも鎖がある 大展望が待っていた山頂


山頂より奥只見湖を見下ろす。


山頂より中ノ岳を望む。 山頂より越後駒ヶ岳を望む。


もう一度、荒沢岳山頂方面を振り返る。


前嵓から岩場へ・・・Ⅰ 前嵓から岩場へ・・・Ⅱ


山ノ神が待っててくれた1400mのピーク 再び岩場に・・・Ⅰ 再び岩場に・・・Ⅱ


前山辺りを行く 登山口近くにある荒沢岳唯一の水場 午後3時過ぎ登山口に戻る。





9/21 「鎖や梯子がたくさんある山らしいが、時間が掛かっても登り切ろうぜ!」 と満天の星空を見上げながら、夕食時の会話。テントを撤収し朝靄の中、登山口に着いたのが午前6時15分。最初は思いの外急登であったが、前山の三角点を過ぎると、快適なブナ林が長く続いた。その頃から、右に越後駒ヶ岳、左に奥只見湖が見えだし、以前登った事のある守門岳、そして、昨日登った浅草岳は何処だろうと思ったが、地図と照らし合わせなくては分からなかった。

 「これより岩場注意」の標識があってから、鎖・梯子の連続であった。「その内終わるよ・・」 と高を括っていたが、なかなかどうして・・・ 尚も続いた。腕力のない臆病な山ノ神は、「足が掛からない。」 「手掛かりがない。」 と叫び続けた。やっとの事で、標高1400m辺りの一息入れられるピークに着いた途端、先を行くパーティーが岩場で四苦八苦している様子を見て、「もうダメ。」 と固まってしまった。それどころか、「どうして降りようか・・」 ともまで言い出してしまった。

 「ゆっくりでも行こうよ!」 と言っても山ノ神は、首を縦に振らなかった。そして、いつものように「あんただけ、行って来られ・・・」 になってしまった。「どんなに速く歩いて行って来ても、4時間は、ここにいなければならないぜ?」 「あんたなら、もっと速いちゃ。」 と言ってくれたが、今では降りに時間を稼げない。ならばと、ザックを山ノ神の物と取り替え中身も入れ替えた。コンロやツエルト・三脚などがなくなるのだから、それは楽である。

 でも、高度にして100m超の岩場を含む山頂まで550m超の標高差に、やっぱり私の実力では1時間半を大幅に超してしまった。しかし、山頂では、西に、越後駒ヶ岳と中ノ岳、その後に、チョッピリ八海山の越後三山(魚沼三山)を、南に平ヶ岳、その左(東)に燧ヶ岳、また東の遠くに、会津駒ヶ岳を眺める事が出来た。北側眼下には奥只見湖、そして、その遠く先に、守門岳や浅草岳を確認できた。しかし、その素晴らしい展望の山頂には、何故か羽アリが群がっており、とても食事をする雰囲気ではなかった。でもちょっと位置を変えれば、そうでもなく、暫しの展望を楽しみ山ノ神の待つピークに急いだ。

 山ノ神を、危険地帯から降ろすのに、何とか一人助っ人を探さなくてはと思っていたが、山ノ神の待っているピークへの最後の鎖を乗り越えた所で、埼玉から来たという単独行の男性を抜いた。68歳と言っておられた男性であるが「降りがねぇ~」 との言葉に、一緒に降る事となった。その男性は、簡易ベルト(ハーネスの代わり)を持っておられ、「これを使うといい。」 と山ノ神の腰に巻き付けて下さった。その方が先行し、いちいち足場を指示して頂いたお陰で、山ノ神は難なく危ない2ヶ所を通過してしまった。「頂上まで行けたかもしれない。」 「でも、また真っ暗になっていたハズ。」 の会話となったが、その埼玉の男性は、「この山は凄い。剱よりも、穂高の大キレットよりも、どうかしたら、西穂~奥穂よりも凄い。」 などと言われたが、それは、少々歳を召されて、「若い時に登ったよりも酷い。」 という事だろうと割り引いて聞いていた。




 ■■■コースタイム■■■
 登山口6:15=前山7:00=1262mのピーク8:05=鎖・梯子の始まり8:25=1400mのピーク(8:50~9:10)=前嵓9:35=荒沢岳頂上(10:45~11:15)=前嵓12:10=1400mのピーク=(12:35~13:05)=前山14:35=登山口15:15
              = 「1400mのピーク」 ~ 「荒沢岳頂上」 間の往復は単独行 =

 ■■■同行者■■■
        比佐恵