元 さ ん の 山 紀 行
白 山 (2,702.2m)
<石川県白峰村・岐阜県白川村>平成16年07月05日
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白水湖の平瀬道登山口 |
台風7号が衰えて、低気圧に変わると言うものの、朝鮮半島から日本海に抜けると、強風に見舞われる事間違いない。西日本では大雨が続いているが、だんだんと東日本に移って来るようである。
白山は隣県だけれど、逆の西に向かうわけだから、チョット心配であった。しかし、その低気圧が速く抜ければ、また青空が広がるわけだが、今回は、そんなわけにはいかないと思いながら白水湖に車を走らせた。
東海北陸道が「白川」まで延びているが、100キロ位なら当然我家は下道である。白山公園線(10キロ)に入る前の平瀬温泉街に入らなくてもよいバイバスが出来ていて便利になった。
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白水湖を見下ろす |
曇天の中、駐車場には富山ナンバーの車が一台、湖畔に山梨ナンバーが一台だけである。その山梨の方々と思われる男女4名パーティーが、我々よりも20分程先に出発して行った。
霧雨の中、九十九折で始まる登山道が、やがてブナ林の中の階段状と変わり、15~20分後に登山道らしくなるが、室堂まで5.9キロ、大白川まで1キロの標識の所で水分補給休憩となる。
5分程休んだ後、歩き始めて倒木を二つ跨いだ所で、手に持っていた折りたたみ傘を、先程の休憩場所に置き忘れて来た事に気付き取りに戻る。傘の色と周りの色が同じでわかりにくかったようであった。
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強風を我慢して、もうすぐ避難小屋 |
標識は1キロ毎(時間にして30分前後)に、しっかりしたものが立ててありコースを間違える事はない。室堂まで3.9キロ。大白川まで3キロの地点付近で、先行していた山梨の4名パーティーを追い抜く。樹木の間からコバルトブルーの白水湖が見える。追い抜いて10分程して、雨が強くなり傘を広げる。南斜面が切れている風衝地帯から、まともに強風を受けると傘はひとたまりもない。
ニッコウキスゲをゆっくりと見る事もなく、帽子と傘を抑えながら大倉山の標識から100m下った避難小屋に駆け込んだ。
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2時間で大倉避難小屋に |
小屋に入ってから、それ程強い雨には感じなかったが、雨具を着る事になった。「山ノ神」のおニューの雨具は、上着は赤で、ズボンは黒っぽいグレー。私はズボンだけを着用し、未だしばらくは傘を使う事にした。
先程の山梨パーティーも雨宿り兼休憩に立ち寄られた。山梨からずーっと眠らずに運転して来た事や、南アの事などが話題にのぼった。もしかしたら、この連休に山梨の山に出掛けていたかもしれなかっただけに、女性軍から美味しいアンパンまで頂きながらの会話は、何故か親しみを感じさせられた。
先に小屋を出て15~20分程すると、上から4人のスニーカーで空身の若い男性が降りて来た。高校生のような大学生のような感じであったが、「雪渓があるから、気を付けて!」とか「上は雨が凄かった。」などと、我々に注意を与えてくれた。
その頃からミヤマキンポウゲ、ベニバナイチゴ、コバイケイソウ、ヨツバシオガマが、室堂まで1.9キロ・大白川まで5キロの地点を過ぎると、カラマツソウ、ハクサンフウロ、ハクサンチドリなどのお花が現れ始めた。
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ニッコウキスゲ |
ミヤマキンポウゲ |
コバイケイソウ |
ハクサンチドリ |
ショウジョバカマ |
雨は霧雨となり大した事はなかったが、強風が吹き荒れているため、左が崩壊している所を通過するのに、へっぴり腰にならざるを得なかった。谷側から吹き上げるから良いようなものの、山側から吹き降ろしたら怖くて渡れなかったかもしれない。
学生さん達が言っていた急な雪渓をトラバースしなければならず、リックからストックを出して渡った。滑り落ちたら、ずーっと止まらないような急勾配である。渡り切って5分もすると「カンクラ雪渓」の標識があり、1.2キロ・大白川まで5.7キロと表示してあった。
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ベニバナイチゴ |
ヨツバシオガマ |
ハクサンコザクラ |
ミヤマキンバイ |
アオノツガザクラ |
また、強風の中を、左が切れていている所(崩壊)を通過して、迂回路を通り高度を上げて行くと、右手に雪渓を見ながらハイマツ帯に入って行く。
その当たりから、ハクサンフウロ、コイワカガミ、アオノツガザクラ、コバイケイソウ、そして、クロユリにハクサンコザクラが登場して来る。それにしても、クロユリの多さに思わずビックリしてしまう。暫しリックを降ろし、傘を差しながらシャッターを切り続けた。
賽の河原から室堂までは、後600mである。南竜ヶ馬場への道と分かれ、もう溶けてなくなりそうな雪渓を渡り室堂へ向かう。視界の悪い霧雨の中で、誰とも出会わないのも不気味なものであるが、大きな石に出会えばもう室堂である。しかし、白山奥宮の鳥居が見えないくらいに視界が悪く、とりあえず室堂センターの中で休息を取る。
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強風の中、白山頂上で |
パンやおにぎりを口に入れながら、傘をたたみ雨具を着込んだ。頂上への登山道はこれで良いのかと思いながら、奥宮の横から石畳を行くが、そこにもクロユリの群落があった。このところの白山行きは、雨、雨、雨ばかりである。こんな天候で頂上に向かう自分達を可笑しいと思いながら足を進める。
青石という標識を過ぎ、高天原の標識を越えた頃から、雨風が強くなる。風もさることながら、雨が痛く感じ、まるで霰に叩き付けられているようであった。ようやくの事で山頂に辿り着いたが、山頂の標識前に立っておれない状態であった。
こんな山頂に長居する事も無く、先を急ぎ、大倉避難小屋で昼食となる。小屋の屋根にバタバタ打ち付ける雨も、次第に弱くなり、ホッとして下ったが、登山口の車に辿り行くや否や、また凄い雨に見舞われてしまった。
★★★コースタイム★★★
高岡3:45=白川道の駅(5:05~15)=登山口(5:50~6:30)=室堂5.9キロ・大白川1キロの地点(7:00~05)=室堂4.9キロ・大白川2キロの地点(7:30~35)=室堂3.9キロ・大白川3キロの地点8:10=大倉山避難小屋(8:35~9:00)=室堂1.9キロ・大白川5キロの地点9:25=カンクラ雪渓10:00=賽の河原10:55=室堂(11:10~35)=青石(頂上まで750m.室堂370m)11:50=白山頂上(12:15~30)=大倉山避難小屋(14:10~15:00)=大白川2キロ・室堂4.9キロの地点(15:50~55)=登山口・露天風呂(16:35~17:40)=高岡19:45
★☆★同行者★☆★
比佐恵