元  ち  ゃ  ん  の  山  紀  行
鉢伏山(1929㍍)高ボッチ山(1665㍍)
<長 野 県 塩 尻 町>
平成13年07月09日




 前夜の飲み会にどれだけ自重しても、早朝発の運転は家内に任さなければいけない。
 「高ボッチ山」「鉢伏山」は、登山と言うより山旅の様相が強く、家内は何時もより気合が入っており、苦手な運転も買って出たほどの乗りようである。
 しかし、「奥飛騨温泉郷上宝道の駅」でバトンを渡された。寝たような寝ないような2時間程だったが、目を開けていなかった分だけ楽をさせてもらい、早朝の運転は、山里のひんやりした風を車内に呼び込みながら、見通しのいい道をルンルン気分の走行である。 
 安房トンネルを抜け、上高地公園線に入ると、車の量が一変に増えた。槍や穂高登山というより、上高地散策ツアーの人達と思えるバスやタクシーが目立ち、沢渡を過ぎると今度は、急に乗用車が増えてきた。
 158号線(公園線)を松本ICに行かず、「新村」交差点で、「塩尻」方面の指示通りに右折し県道48号線を走る。真新しい野球場や空港への標識を右手に見ながら、国道19号線に出るまで我慢する。
 19号線に突き当たった三叉路は、向かい側に、テニス場などがある健康センターと結婚式場があった。それを塩尻方面に右折し、1キロくらい南下した所の左角に、国立松本病院がある「松本村井」交差点で、左折し「崖の湯」や「牛伏寺」方面の案内通りに進む。一度標識を見逃したが、「崖の湯」を過ぎれば、あと6キロで、もう間違う事はない。
 
オダマキ

 高度が1600㍍を越え、広まった高台に出た所が、高ボッチ山荘がある駐車場だ。日が差していたが、霞んでいて、必ずしも視界が良くない状態だったが、地元の方で大きなカメラを持っていた夫婦が「これからお天気が良くなりますよ。」と言ってくれた言葉をよりどころに、鉢伏山に向かう事にした。
 林道を鉢伏山荘まで4.9㌔、登山道は鉢伏山まで8㌔とあったが、富山からワザワザ来て、車の力だけで登頂とは、あまりにも味気ないと思い、登山道を選択する。
 今回の山行には、これといった地図も持ち合わせなかったが、ガイドブックによると、林道に沿って登山道があり、その林道に出たり入ったりするようである。
 
林道から鉢伏山をバックに

 まずは、高ボッチ山頂上へと、山荘の裏に通じる「見晴らしコース」の階段状の道を歩くと、2~3分程で展望台のような高台に出た。案内板もなければ、山頂などの雰囲気もない。お花で有名なはずなのに可笑しいなと先を行く。その道は次第に下りて行き林道に出た。今度は、「もみじコース」となり、カラマツの林の中を歩く。感じのいい林の中を歩いていたが、また林道に出る。今度は、林道を歩く。時々林道から踏み跡があるのだが、すぐ行き止まりになり、林道をなおも歩いていると、もう山道がないのではないかと次第に不安になり、このようなアスファルト舗装の林道を歩くのなら、もう一度考え直し、車で行こうと言う事になり、荷物を置いて私が駐車場へ、車を取に行く事になる。しかし、途中で、リックのポケット中に、車のキーが入っていることに気が付き、あえなくバックとなってしまう。荷物に戻ると改めて車を取に行く意欲が失われてしまい、また林道を歩く事になる。
 
鉢伏山頂上で

 暫く経って踏み跡がしっかりしているような山道を行くと、これから最盛期を迎えるニッコウキスゲや、見頃が終わってしまったレンゲツツジの中を進みながら、高い所に出ると何だか知らないがアンテナがあり、そこで途切れていた。また引き返し、途中から北に向かって、それらしき踏み跡を追い、幾つかの起伏を越したがまた途切れてしまい、やむなく無理やりに林道に出た。
 そこからは、完全に登山道を捨て、ガンガン日が照りつける林道を歩く事にした。林道淵に咲く花が、ハクサンフーロー、ウツボグサ、オダマキからニッコウキスゲに変わってきた頃に、鉢伏山荘と鉢伏山の山容がはっきりしてきた。数台の車が上に向かって上がっていったものの、ここまで来ると悔しいとは思わなくなって来ている。
 
頂上展望台から

 鉢伏山荘のある所が、私有地なのか、鉢伏山全体が私有地なのか分からないが、株式会社の名のもとに500円の駐車料金を徴収していた。この間歩いた事が恩恵として、駐車料金を払わなくてもよい事になった。山荘から頂上への道は、自然保護のためか、鉄条網または番線で完全に仕切られていた。
 また、なだらかで広い頂上には、避難小屋を兼ねた一寸荒れ果てた展望台があったが、その展望は、霞んでいて山座同定など出来るような状態ではなかった。でも、このなだらかな頂上付近に、お花が咲き乱れる事を想像すると、時期をもう一度見直して、来て見たいと思わずにはいられなかった。
 
頂上付近の登山道で

 帰宅時間を考慮しての頂上滞在時間は、あっという間に過ぎてしまい、山荘からは、また林道を歩いた。ドンドン登って来る車の方々は、「この暑いのにご苦労様。」と言いたげに、車窓から我々を眺めていたように思えたが、独り善がりかも知れないが、「元気なら私も歩きたい。」などと思った人もいたに違いないと思った。
 しかし、あまりの暑さに、飲み残した缶ビールを、行儀が悪かったが、歩きながら飲み干してしまった。
 
高ボッチ山頂上で

 山荘から1時間余りで、高ボッチ山荘前の駐車場に着いてから、今朝の山頂らしき所で、記念写真が撮っていないともう一度登る事にしたら、その場所に自然観察の団体の方々が大勢おいでて、山頂の話をすると、ここではなく、もう少し林道を南下し、展望広場から、少し歩いたところが、山頂であることが分かった。
 急いで車に戻り、3~4分行った所にとても大きな広場が有り、山頂への小道が付けてあった。展望が良ければ諏訪湖の上に富士山が見える絶好の場所だそうだ。ここもお花には少し早かったようだった。それにしても、間違った山頂で記念写真を撮らなくて良かった。


     ★★★コースタイム★★★

高岡3:15=奥飛騨温泉郷上宝道の駅(5:15~20)=高ボッチ山荘駐車場(7:10~35)=再び山道8:15=鉢伏山を撮る9:25=鉢伏山荘9:45=鉢伏山頂上(10:00~50)=鉢伏山荘11:10=高ボッチ山荘駐車場(12:20~40)=展望広場12:45=高ボッチ山頂上(12:50~13:00)=展望広場(13:05~15)=崖の湯13:30=国道19号線.村井交差点13:45=島々14:30=釜トンネル入口15:05=安房トンネル料金所15:15=神岡15:55=高岡18:00

     ☆☆同行者☆☆
            比佐恵